つわりの薬の影響は?
妊娠中に産婦人科のお医者さんが、つわりの症状に応じて処方する薬は、基本的に安全性が認められているものです。流産や早産の発生を高めることがなく、なおかつおなかの赤ちゃんに悪影響を及ぼすリスクのない薬が処方されますので、安心して服用できます。
市販薬については、すべてをひとくくりにして「飲んではいけない」とは言えませんが、「飲んでも大丈夫」とも言い切れません。市販薬のなかには、「妊婦さんが服用しても問題ない」とされているものがある一方で、つわりの時期に飲むと赤ちゃんに悪影響を及ぼすものもあります。
つわりの症状があらわれる妊娠初期は、赤ちゃんにとって重要な器官が形成される時期と重なります。この時期は薬の影響も出やすいため、服用には注意が必要です。
過去に処方された薬の残りや市販薬を自己判断で服用するのは禁物です。家族や知り合いに、「これは安全だから、飲んでも大丈夫」などとすすめられても安易に応じてはいけません。
もし、普段飲み慣れている市販薬の胃薬などがあって、それを飲めば楽になりそうだという場合は医師に相談してみましょう。
つわりで病院に行くタイミングは?
つわりの症状やつらさの程度は、妊婦さんによって異なります。そのため、「病院に行くのはこのタイミングで」と一概には言えませんが、目安として次のような症状が見られた場合は妊娠悪阻(にんしんおそ / 脱水や飢餓が起こり治療が必要な状態)の可能性がありますので、受診が必要です。
・嘔吐が続いて、食べ物や飲み物を口にできない・喉が乾く・おしっこの回数が少ない、おしっこの色が濃くなった・体重が減った(妊娠前の体重より10%以上の減少が目安)・頭痛やめまいがおさまらないこれらの症状以外にも「つらい」「我慢できない」場合は、一人で思い悩まず早めに受診してください。
つわりの時に薬を飲む場合の注意点は?
つわりで、吐き気や胃腸の不調が続いてあまりにつらい時は、無理をせずかかりつけの医師に相談しましょう。症状に応じて、おなかの赤ちゃんに悪影響のない安全なお薬を処方してくれます。
ただし、安全性が認められている薬が処方されるとはいえ、自分で勝手に回数を増やしたり容量を変えたりするのは危険です。服用の際は、用法と容量を必ず守りましょう。