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2022.08.14

妊娠中のトラブル

知っておきたい「切迫流産」と「流産」のこと。症状や原因を産婦人科医が解説!

妊娠して安定期に入るまでの期間、もっとも不安なのが「流産」しないかどうか、ということ。流産のサインや原因について、産婦人科医の安達知子先生に詳しく教えていただきました。また、切迫流産を乗り越えたママ達の体験談もご紹介します。

切迫流産とは?どんな症状が出るの?

「切迫流産」と文字で見るとなんだか怖い印象ですが、流産ではありません。あくまで、状態が流産に「切迫」しているということです。

切迫流産や流産のサインになるのは、以下の2つ。

出血

ダラダラと出血が続く、量が多い、鮮血が続く、痛みを伴う時は要注意!

下腹部の痛み

お腹が単に突っ張るような感じではなく、痛みを感じる時や出血を伴う時は危険です!

出血の多くは胎盤になる組織の周囲からのもので、赤ちゃんの心拍が確認されていればひと安心ですが、それでも妊娠12週までは慎重に。

妊娠13週を過ぎていれば、切迫流産と診断された場合でも出産まで無事に妊娠を継続できることも多いでしょう。7割くらいは無事に出産しています。

切迫流産の治療は「安静」を守ること

胎児の心拍が確認されていて、切迫流産と診断された時は、「安静」に過ごすのが治療の基本です。症状や仕事、家庭の状況などによって、自宅安静から入院まで、安静の度合いは異なります。

どのくらいの安静が必要なのかは、医師に具体的に確認しましょう。仕事は、可能であれば休んだほうがよいでしょう。出血量が多い、上の子が家にいて安静にできない場合などは、体を休めるために入院を進められることもあります。

薬は、初期は積極的に使いませんが、12週以降は子宮収縮抑制剤、いわゆる張り止めの薬を使うこともあります。クラミジアや細菌による子宮頚管炎などからお腹が張ってくるような時は、感染症の治療もします。

母体側に切迫流産の原因がある時は、サインに早めに気づくことで、ある程度は流産を防ぐことができます。なるべく横になり、体をあたため、リラックスしてお腹にたくさんの血液を送ってあげましょう。

流産の原因のほとんどは赤ちゃんの側にあります

赤ちゃんがお腹の中から出て、生存できるギリギリのラインは、妊娠22週とされています。このため、妊娠22週までに胎児が母体から外に出てしまうことを「流産」と言います。

流産が起こるのは妊娠全体の約10~15%程度。そのうちの8割以上が、妊娠12週までの初期に起こっています。初期流産の主な原因は赤ちゃんの染色体異常です。

つまり、流産の大半は、もともと育つことが難しい受精卵だったということが多いのです。年齢的には35歳以上の妊娠になると、胎児の染色体異常が増えるというデータがあり、40歳以上では流産率が40%と言われています。

それ以外の母体の側の原因としては、子宮の奇形や子宮筋腫など、子宮のトラブルによるものや免疫的な因子、血液の凝固障害などがあります。

妊娠したすべての人のうち、6~7人に1人は流産するといわれるほど、流産は意外によく起こることです。もし流産しても「たまたま」ということがほとんどですが、2回以上流産を繰り返した場合は不育症の検査を受けてみましょう。

切迫流産と流産についてのQ&A

Q.薬やタバコ、アルコールによって流産する?

A.流産するほどのアルコールやニコチン、薬をとっていたとしたら、おそらく受精もしないでしょう。できれば妊娠判明前からやめておきたいところですが、気づかず妊娠した場合は、わかった時点でストップすれば、それだけが原因で流産することはありません。

Q.つわりが急にストップ。もしかして流産?

A.つわりが終わる時は、だんだんラクになるというよりも、ある日急にすっきりするという人も多いようです。心拍も確認されていて、妊娠4ヶ月前後になっていたら、必ずしもつわりの終わり=流産ではありません。お腹の痛みや出血がなければ、次の健診まで様子を見てもいいでしょう。

Q.胎盤が完成したら、もう安心?何をしても大丈夫?

A.たとえ胎盤が完成しても、何が起こるかわからないのが妊娠中の体です。妊娠前までできたことでも70%くらいに抑えて、お腹の赤ちゃん優先で過ごしましょう。今まで行ったことがない場所に旅行したり、医師との連絡がとりにくい状況になることはおすすめできません。

体験談「私たち、切迫流産を乗り越えました!」

上の子のお世話などで自宅安静ができず、入院安静に

妊娠12週の時に、生理中のような痛みと出血があり、「これはまずい!」と思ってすぐに病院へ。自宅安静を指示されましたが、上の子の世話もあってなかなか安静にできず、先生にも夫にも叱られました。結局、その後も自宅安静は無理ということで、入院安静に。でも、その甲斐あって無事出産しました。
(A・Kさん)

「切迫流産は流産とは違う」と自分で自分を励ました

妊娠判明と同時に切迫流産と診断されました。内診で褐色のおりものが出て、超音波検査でも子宮の中で出血が…。自宅安静中に、また出血したので入院。一度退院したあと、またすぐに出血して再入院。無事に育つか心配でしたが、「切迫流産は流産とは違う」と自分に言い聞かせて乗り切りました。
(M・Sさん)

1ヶ月半閉じこもって生活。すべては赤ちゃんのためでした

妊娠判明後すぐに下腹部痛と出血があり、切迫流産と診断。自宅安静と言われ、1ヶ月半ほど家に閉じこもっていました。冬だったので、トイレから一番近い部屋にこたつを置いて、トイレ以外は一日中こたつの中。つらかったけれど、赤ちゃんのためだと思い、我慢。むくわれてよかったです。
(H・Iさん)

『はじめてママ&パパの妊娠・出産』の内容をウェブ掲載のため再編集しています。※情報は掲載時のものです。

【監修】 安達 知子 総合母子保健センター 愛育病院名誉院長・東京女子医大客員教授

1978年、東京女子医科大学医学部卒業後、同大学産婦人科学教室入局。米国ジョンズ・ホプキンス大学研究員、東京女子医科大学産婦人科助教授をへて、2004年から愛育病院産婦人科部長に。2006年より東京女子医科大学の客員教授に。2013年より愛育病院副院長を兼務し、現在は名誉院長。厚労省、文科省、内閣府などの各種委員会の委員などを務める、わが国の産科学会を担う中心的存在の一人。

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