妊娠してから生まれるまでの9ヶ月、ママのお腹はどのように大きくなり、体の中ではどんなドラマが起こっているのでしょう?時期ごとの変化やお腹の赤ちゃんの様子、過ごし方の注意点などを詳しく追っていきます。
この記事でご紹介するのは、妊娠2ヶ月(4~7週)。月経の遅れや体調の変化など、妊娠のサインが体にあらわれる時期です。
気持ち悪さや眠気などつわりの症状が出ることも

「月経も遅れているし、ひょっとして…」と妊娠判定薬を試してみたら陽性!という始まりで、妊娠に気づく人も多いでしょう。気持ち悪さや眠気など、すでにつわりの症状があらわれることも。2週間以上、月経が遅れたら早めに受診し、妊娠しているか検査をしてみましょう。
できれば分娩希望の病院に初診から通うのが理想ですが、持病の有無や通いやすさ、費用なども含めて納得できる病院を選びましょう。
妊娠2カ月のママの体の変化
●つわりの症状があらわれます
●熱があるように感じます
●眠い、だるい、乳房が張るなどの症状があります
●頻尿や便秘の症状が出てきます
【子宮底長】まだ測定できません
【体重増加の目安】まだ変化はありません
【子宮の大きさ】ガチョウの卵大
➤➤➤【医師監修つわりはいつから始まる?うまく乗り切るにはどうしたら?
妊娠2ヶ月のお腹の赤ちゃんの成長

ママのお腹に宿ったばかりの命は、実際には目に見えない大きさ。命が芽生えたこの時期は、まさに”胎芽”と呼ばれる時代で、しっぽのようなものがあってまるで魚のよう。
けれども、小さな心臓は動き始め、脳や神経、脊髄など体の原型ができ始める大切な時期=器官形成期です。ママの外見上の変化はほとんどありませんが、超音波(エコー)写真で見ると、お腹の中はめざましく変わっています。
●心臓は形をととのえ、鼓動をスタート
●脳や神経細胞の80%がつくられます
●7週目頃から顔、胴体、手足の区別がつくようになります
【頭殿長】約9~14㎜
【体重】約1~4g
【重さの目安】ぶどう1粒
妊娠2ヶ月でしておくことリスト
【マストなこと】☐産婦人科を受診する
➤➤➤初めての産婦人科、どんなことをするの?服装、持ち物は?☐母子健康手帳をもらう
➤➤➤母子手帳はいつもらうの?受け取るタイミングや場所をご紹介
【なるべくしたいこと】☐生活習慣を見直す
➤➤➤妊娠中の食べ物で注意すべきこと。食べていいもの・だめなものとは?☐超音波アルバムを用意する
➤➤➤超音波写真(エコー写真)の見方のコツとは?ママたちの保存法もご紹介【産婦人科医監修】
妊娠週数別のマタニティライフアドバイス
妊娠4週
まだ妊娠に気づかない人も多い時期ですが、月経周期がはっきりしている人は妊娠検査薬などで妊娠がわかる頃です。月経予定日近辺で、問題ない少量の出血がある人もいますが、妊娠中の出血は要注意なことも多いもの。自己判断しないで、必ず受診を。
➤➤➤妊娠超初期の着床出血ってどんな症状?みんなの体験談が知りたい!【産婦人科医監修】胸がムカムカしたり、吐き気をもよおすような症状で妊娠に気づいた人も多いでしょう。食事は食べたいものを食べればOK。自分だけのお気に入りフードを見つけて。
【妊娠4週の赤ちゃんの様子】
▲赤ちゃんの姿はまだ見えませんが、小さな丸の中に入っています。見た目はお豆のようですが、「胎嚢」といわれる赤ちゃんの入っている黒っぽい袋がはっきりと映っています。「もしかして妊娠?」と産婦人科で初めて検査を受けた時の1枚がこんな感じだったという人も多いのでは?その感動を「宇宙に輝く星」と言い表したママも。心拍=心臓の動きが画面で確認されるのはもう少しあとのこと。
妊娠5週
小さな「胎芽」の時期ですが、赤ちゃんの体の大事な基礎が猛スピードでつくられています。ママが飲んだ薬や飲酒、タバコの影響が大きく出る時期なので、妊娠がわかったらすぐにストップを。気づかずに飲んでしまった場合は、医師に報告を。少量なら問題ないこともあるので後悔しすぎないで。
体を動かすといつもと体調が違い、あらためて妊娠していると実感できるでしょう。疲れたらソファなどで横になって休みましょう。とても大事な時期です。くれぐれも無理をしないように。
【妊娠5週の赤ちゃんの様子】
▲小さな丸は胎盤ができる前に赤ちゃんに栄養を与える袋。赤ちゃんはまだ見えないことが多い。4週目には見えなかった胎嚢がはっきりと確認でき、この中で赤ちゃんが育っているんだという実感がわくでしょう。胎嚢の周りが白くリング状に見えることのある「ホワイトリング」は、この時期だけに見える貴重なもの。月のようなまん丸の形が生命の神秘を思わせます。この映像を見た瞬間「じーんときた」というパパも。
【妊娠6週】
胃がムカムカしたり吐き気だけがつわりではありません。眠い、だるい、とにかく寝ていたいような体調不良も一種のつわり。横たわると子宮に優先的に血流が届くので、お腹の赤ちゃんからの「休んで」のサインでもあります。風邪の初期症状にも似ていますが、風邪薬を使うのは慎重に。
「とにかく生野菜」「ピリ辛味が食べたい」など、つわり中の食の好みは人それぞれ。家で食べれば、その時に自分が食べたいものを作れます。カロリーや塩分を減らせるのも◎。
【妊娠6週の赤ちゃんの様子】
▲胎嚢が大きくなり、赤ちゃんの姿がはっきり見えます。心拍も確認でき、検査時に心音を聞くことも可能。画面上で点滅しているような動きが確認されます。これが心拍と呼ばれる心臓の動き。条件によっては確認できないこともあるので、あまり気にしすぎないようにしましょう。妊娠初期は胎嚢のほか心拍を見て妊娠が順調かどうかを判定します。多胎かどうかもこの時期にわかるでしょう。
妊娠7週
妊娠すると、お腹よりも先に胸に変化があらわれます。月経前のように乳房が張り、乳首が敏感になってチクチクするような感じが出てきます。これは、妊娠を継続させるためのホルモンが大量に出るため。産後、母乳が出るように、急激に乳腺が発達していくからなのです。
妊娠中のカフェインの過剰摂取はNG。コーヒーなら1日1杯、紅茶なら2杯程度は大丈夫です。美味しいノンカフェインドリンクもたくさんあります。この機会に開拓してみては。
【妊娠7週の赤ちゃんの様子】
▲手足も見えて、ちゃんと人の形をしています。ほんの数週間でお豆さんから人の形に。すごい成長ぶり!7週目頃になると、小さなお豆が頭と胴に分かれて二頭身になり、ちゃんと人間らしい形になってくるのがわかります。こまかい心臓の動きから心拍も確認されます。超音波検査ではあまりに小さくて見えませんが、目、耳、鼻、口もつくられ始めています。「胎芽にチカチカと点滅するものがあり、それが心臓でした。感動!」と話すママも。
次の記事⇒⇒⇒妊娠3ヶ月(妊娠8週、9週、10週、11週)のママの体とおなかの赤ちゃんって?【医師監修】