脳の発達に重要な脂肪〈オメガ3系脂肪酸〉とは?
脳は脂質とタンパク質で構成されています。そのうち約60%が脂質、残りの約40%がタンパク質。そのため、脳をつくるためには、良質な脂質をとることが欠かせません。
脂質は、大きく分けて「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」に分類されます。飽和脂肪酸は、バターやラード、肉などに含まれている動物性脂肪で、肉類ばかり食べる生活を続けていると、体内に蓄積し体脂肪になります。
一方、不飽和脂肪酸には、オリーブ油などに多く含まれる「オメガ9系脂肪酸」、サラダ油、加工食品、ジャンクフードなどに含まれる「オメガ6系脂肪酸」、青背魚やアマニ油などに含まれる「オメガ3系脂肪酸」の3つに分かれています。
オメガ9系脂肪酸は、酸化しにくく熱に強いので加熱調理に向いています。オメガ6系脂肪酸は、サラダ油、加工食品、ジャンクフード、お菓子などに多く使用されているため、日常的にとりすぎている傾向があります。ですから、いため物など加熱調理をするときは、サラダ油ではなく、オリーブ油などのオメガ9系の油を使うようにしましょう。
そして、特に意識してとりたいのが、魚に含まれ、脳の発達を促す「オメガ3系脂肪酸」です。食生活の変化により魚を食べる習慣が減ったため、私たちはこの脂肪酸が不足しています。
不足しがちなオメガ3系脂肪酸は食事から摂取
脳を活性化するオメガ3系脂肪酸は、体内でつくることができないため、食事から摂取する必要があります。しかし、魚の調理は思いのほか大変です。あじやいわしは、スーパーで三枚おろしにしてもらって新鮮なものを買いましょう。
また、缶詰を利用するのも手軽です。ただし、味の濃いものが多いので、特に離乳食期には塩分量に注意しましょう。さば缶などは、ほぐしてごはんといっしょに炊き、炊き込みごはんにするとおいしく手軽にDHAが摂取できますね。
毎日1食の魚料理が食べられないときはどうする?
厚生労働省は「日本人の食事摂取基準」(2015年版)で、オメガ3系脂肪酸の目安量を年齢別に公表しています。
できるだけ子どものうちから魚料理を食べる習慣をつけたいものですが、毎日魚料理を作るのは大変という場合は、α-リノレン酸を多く含むアマニ油やえごま油をドレッシングがわりにサラダにかける、煮野菜にあえる、汁物にたらすなどじょうずに使ってみましょう。α-リノレン酸は熱に弱く加熱調理向きではないので、このような使い方がおすすめです。
●ゴックン期:〜小さじ1/4
●モグモグ期:〜小さじ1/2
●カミカミ期:〜小さじ3/4
●パクパク期:〜小さじ1
1回の離乳食期の目安量は、ゴックン期(6ヶ月以降)なら小さじ1/4、モグモグ期なら小さじ1/2、カミカミ期なら小さじ3/4、パクパク期なら小さじ1程度です。ただし、これは調味料油脂として使う場合の総量。たとえば、バターを使ったらその分の油脂は減らしましょう。
また、α-リノレン酸は、くるみなどのナッツ類にも多く含まれますが、誤嚥のおそれがあるので、3歳までは与えず、ナッツのペーストなどを使用しましょう。
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