むし歯になりやすい幼児期は、歯のケアが特に大切!
1歳半ごろになると奥歯が生え始めてきて、むし歯になりやすい時期に突入。歯みがきをはじめとする歯のケアを習慣にすることが、とても大切になります。
口の中の環境は、3歳までのケアで決まる
乳歯は1歳過ぎから2歳半ごろまでが、最もむし歯になりやすい要注意な時期です。このころはむし歯のうつりやすい「感染の窓」が開いている時期と言われていて、食べられる食品の数とともに歯の本数も増えてくるので、口の中の菌も多くなってきます。
そこで、この時期に歯のケアを怠っていると、3歳ごろまでにはむし歯菌が口の中に定着してしまい、それからずっとむし歯になりやすい口内環境ができてしまいます。
歯が生えそろってきたら、歯みがきを欠かさない
歯が生えそろってきたら、みがき残しを防ぐため、仕上げみがきの順番を決めてルーティンにする「順番みがき」を習慣化しましょう。
たとえば、端の歯の外側から始めて反対側の端までみがき、次は歯の内側を端から端までみがく、というように、自分なりの順番を決めて毎日同じ順番で同じ場所をみがいていきます。
歯みがきをいやがる子も多いのですが、しっかりみがかないとむし歯になりやすいものです。むし歯菌はだ液の分泌が減る就寝中に増えるので、1日1回、寝る前の歯みがきだけでもしっかり行ってください。
赤ちゃん時代と同じスタイルで、暴れるときには大人の足で子どもの腕を押さえ、頭を片手でしっかり固定してみがきます。毎回抵抗されると大変ですが、毎日続けていれば3歳半ごろまでには慣れてくるので、むし歯予防のためにがんばってくださいね。
1~3カ月ごとに歯科健診でチェックを
3歳ごろになると、むし歯のある子が増えてきます。そこで奥歯が生えてきたら、定期的に歯科健診を受けて口の中をチェックしてもらうといいですね。
健診は1~3カ月おきくらいに受けるのが理想ですが、口の中の状態などによっても違ってくるので、間隔は歯科で相談して決めましょう。
乳歯がむし歯になると、永久歯にも影響する
「乳歯はどうせ生え変わるのだから」と、むし歯を放置しておいていいと思っている人もいるようですが、これは絶対にNGです。乳歯がむし歯になると、その歯の下に存在する永久歯にむし歯菌がうつるわけではありませんが、口の中にはむし歯菌がたくさんいる状態になります。
その口内環境が続くと、ほかの歯にむし歯菌がついてむし歯になりやすいということに。つまり、乳歯がむし歯になったらできるだけ早く治療するとともに、口の中にむし歯菌が定着しにくくなるよう歯みがきなどのケアをしっかりとすることがとても大切です。
子どもの歯 気になることQ&A
歯が生えそろってきて、甘いものも食べるようになる幼児期。歯のトラブルも増えてきます。よくある質問を先生にお聞きしました。
Qむし歯予防のため、お菓子類はキシリトール入りのものがいい?
キシリトールは代用甘味料の一種です。これまでの代用甘味料と違い、最大の特徴は「むし歯菌を減らす効果がある」という点。歯みがき粉やお菓子などは、キシリトールの含まれる製品を選ぶのも一考です。
Q甘いものを食べさせていないのに、むし歯になってしまったのはなぜ?
むし歯の原因である糖分は、甘いお菓子だけに含まれているわけではありません。炭水化物も最終的には糖分になるため、食事でごはん、パン、麺類などの炭水化物をとっていて、歯みがきをしっかりしていなければ、むし歯ができることはあります。
Qむし歯があっても、子どもが痛がらなければ歯医者さんに行かなくていい?
乳歯は大人の歯に比べて歯の質がやわらかいため、むし歯になると進行が速く、痛みなどの自覚症状がほとんどないまま悪化します。
歯の溝の奥や、歯と歯の間など、目で見てわかりにくい場所にできたむし歯が、痛みのないまま進行してしまうことも。こうしたむし歯を早期発見するためにも、歯が生えそろってきたら定期的に歯科健診を受けましょう。
歯並びの気がかりは、まず歯科で相談を
歯並びがきれいだと、見た目の印象が良いだけでなく、「それぞれの歯にかむ力がバランスよくかかる」「歯みがきがしやすいため、むし歯になりにくい」など、さまざまなメリットがあります。
歯並びは親からの遺伝だけでなく、生活環境も影響します。特に、3歳過ぎても頻繁に指しゃぶりを続けていると、歯並びに影響することは明らかです。ただし、赤ちゃん時代の指しゃぶりは発達上悪いことではないので、3歳まではあまり神経質にならなくていいでしょう。
なお、歯並びの悪さにもさまざまなケースがあり、治療の有無や治療開始の時期が変わってきます。子どもの歯並びが気になるときは、まず歯科で相談してみましょう。
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