骨盤底筋群が弱いとさまざまなトラブルの引き金に
骨盤底筋群が弱いと、さまざまなトラブルの原因となります。
体型の崩れ、О脚、生理痛、尿漏れなど、比較的よくあるマイナートラブル系も起こりますが、ひどくなると、骨盤臓器脱(子宮脱、膀胱脱、小腸脱、直腸脱など)の疾患が増えます。
欧米のデータでは、分娩を経験した女性の3割が骨盤臓器脱が見られるとデータがあります。アメリカ女性の11%が80歳までに、骨盤臓器脱、または、尿失禁の手術療法を受けているとも。
昔の日本人は骨盤底筋群が鍛えられる生活をしていました。和式便所を使うことや、和服で膝をなるべく離さない所作などが、骨盤底筋群を鍛えることにつながっていたと考えられています。なので、こうした欧米人に多い骨盤臓器脱がそれほど多くなかったと言われています。
骨盤底筋群は、ピンポイントでそこだけ鍛えることは少しわかりづらく、その周りの筋肉、おしり筋や腹筋も一緒に鍛えていくのがわかりやすいのです。今回ご紹介したトレーニングも、一挙両得ポーズです。
産後ダイエットに母乳が出ることは有効!だけど…
オキシトシンというホルモンの名前、産後のママなら聞いたことがあると思います。脳下垂体から分泌される「幸せホルモン」とも呼ばれています。
【おしり筋トレ#7】でもオキシトシンのお話をしました。
オキシトシンの働きは、分娩時に子宮を収縮させ、産後は子宮の回復を促進させる効果と、乳腺を収縮させることで母乳を促す働きがあります。つまり、このオキシトシンのおかげで、授乳がスムーズになり産後の回復が早くなる、というわけです。
オキシトシンは、乳首を赤ちゃんが吸う刺激を受けてますますたくさん分泌すると言われます。こうして母乳育児がうまくいくと、1日の授乳による消費カロリーは700~800キロカロリーと言われ、軽く1時間運動したのと同じくらいのカロリー消費になります。
だから、産後ダイエットに母乳が出ることは有効と言われていますが、何がなんでも母乳育児!と頑張り過ぎるのはつらいですよね。
私自身、初めてのお産後につらい経験があります。ただでさえ1人目は母乳が出づらかったのに、ミルクをあげずに頑張ろうとして、とにかくひたすら赤ちゃんに吸わせていたら乳首が痛くなってしまい…。結果、何度も乳腺炎になりました。
今考えると、搾乳機をうまく使って哺乳びんにも慣れさせながら母乳とミルクの混合にすれば、あそこまでつらい思いをしなくて済んだのに、と思います。
赤ちゃんが哺乳びんに慣れてくれたら、「あなたにもできるから」とパパにも預けやすくなりますよね。赤ちゃんが生まれたばかりのころ、男親はまだパパとしての自信がないうえに、とても繊細なプライドがあります。だから、「俺にもできる」とわかると、頑張ってくれるんです。
母乳育児が素晴らしいことはわかっています。でもあえてそのうえで、ママが体を酷使しすぎないためにもパパ育てのためにも、赤ちゃんが哺乳びんに慣れることは大切だと思っています。
家族みんながいい関係で育児をしていくために、そして、オキシトシンが潤沢に出るような母乳育児ができるようになるために、頑張りすぎないことが大切ですよね。
次回からはいよいよ、体を起こした本格的なエクササイズがスタート!心身ともにアクティブなママを目指して頑張りましょう。
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