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谷村 志穂
北海道札幌市生まれ。北海道大学農学部卒業。出版社勤務を経て1990年に発表した『結婚しないかもしれない症候群』がベストセラーに。03年長編小説『海猫』で島清恋愛文学賞受賞。『余命』『いそぶえ』『大沼ワルツ』『半逆光』などの多くの作品がある。映像化された作品も多い。
うさぎの耳〈第九話〉緑の髪のパペット|谷村志穂
◀初めから読む由希奈からの電話で聞き書きしたファームの名前には、はじめ覚えがなかった。けれど、すぐにわかった。そこはどんな理由なのか、名前が変わっていた。前身で ...
うさぎの耳〈第八話〉花火のパペット|谷村志穂
◀『うさぎの耳』を最初から読むSNSで集まった情報の中の二人ともが、隆也に思えた。白坂たちの報告を受けてからは、想像ばかりが膨らみ、気持ちが昂(たかぶ)り、何を ...
うさぎの耳〈第七話〉大きなコーヒーカップ|谷村志穂
◀『うさぎの耳』を最初から読む 同期が丸テーブルの中央に、視線を寄せている。スーツに身を包んだOBも、ブラウスやワンピースを着たOGも、学生時代は交代で部馬の世 ...
うさぎの耳〈第六話〉にんじんのパペット|谷村志穂
隣駅の手芸店で少しずつ買い足しているのは、ハマナカ毛糸のピッコロという毛糸玉だ。アクリル毛糸でごわっとした感触があり、セーターやマフラーにするには硬すぎるが、パ ...
うさぎの耳〈第五話〉スイカの帽子|谷村志穂
二階の窓は広く、厚地のカーテンを両端に手繰り寄せていくと一気に視界が開ける。朝ごとに、新しい一日の始まりを感じる。陽射しがあれば、ベッドの上の白いシーツには、光 ...
うさぎの耳〈第四話〉チョコ・クッキー|谷村志穂
夕暮れのはじまった道を、莉子とベビーカーを押しながら、住居まで歩いて戻った。理玖を乗せたベビーカーの車輪が、時折道端の小石を拾って、ことん、ことんと鳴る。おー、 ...
うさぎの耳〈第三話〉シャボン玉のパペット|谷村志穂
理玖は生後七ヶ月、母子二人で過ごしていた公園で、はじめて友人になった飯村莉子は、不思議な人だった。次に会う約束やLINEでのやり取りは一切しないと、最初から言わ ...
うさぎの耳〈第二話〉そばかすパペット|谷村志穂
あまり期待してはいけない、と自分に言い聞かせていた。彼女は、昼下がりのいつもの公園で、たった一度出会っただけの女性だ。思えば名前も訊いていないのだ。ベビーカーの ...
うさぎの耳〈第一話〉緑色のパペット|谷村志穂
小さな部屋だ。客間も含めて八つある屋敷の中で、一番と言っていいはずの狭い部屋を、私たちはもらっている。ベビーベッドも入っていた時には、理玖を抱えて身動きするのも ...