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2022.12.20

成長・発育

赤ちゃんの発達や目に弊害も⁉「スマホ育児」で注意すべきこととは?

ママ友とのLINEのやりとりやSNSチェック、予防接種スケジュールの管理、卒乳の方法をネット検索……。スマホは、育児ライフにも深く根づいています。

ママが毎日手にしている不思議なモノに赤ちゃんは興味津々で手を伸ばしますが、見せてもいいものなのかどうか、迷いますね。スマホと赤ちゃんの発達との関係は?いまわかっていることを、お伝えします!

0~2歳まではより注意が必要

学識経験者や学校関係者などで組織される「子どもたちのインターネット利用について考える研究会(子どもネット研)」では、幼児をデジタルメディアにふれさせるときに注意してほしいことや、利用の目安、基準などをチェックリストにしています。

それによると、3~6歳の子どものネット利用についての目安は以下の通り。

寝る前の1時間は見せない
1回15分以下、1日合計1時間未満に
遊びが機器の利用に偏らないよう注意する
動画やゲームなど、受け身で終わる利用は減らす
子ども一人で使わせない

同研究会のメンバーでもある相模女子大学子ども教育学科准教授・七海陽先生は、このセルフチェックについてこう注意を呼びかけます。

「このチェックリストの対象はあくまで3~6歳。0~2歳のスマホ利用を否定はしませんが、一般に、好ましい影響よりも弊害のほうが上回る傾向があり、3~6歳の幼児期よりももっと慎重な対応が求められると考えるからです」

3歳を過ぎるころには、受け取った情報を理解し、それを遊びに発展させる力が備わってきます。

「ままごとなどの見立て遊びやごっこ遊びができるようになるのが3歳半ごろ。そうした力が育ってからなら、子どもの理解を深め、視野を広げるのに、スマホが利用できるでしょう。でも0~2歳の時期は、スマホからの刺激を受けとるだけになっているかもしれません」

「集中している」のではなく「固まっている」だけ

スマホ画面を熱心に見つめる赤ちゃんを、心配する人もいます。

「赤ちゃんは新しい刺激にふれると、それに注目する特徴があります。ジーッと見つめるのは“集中している”のではなく、刺激から“目が離せない”というのが適当かもしれません」

スマホの内容を理解しているというよりは、金しばりのように身動きがとれなくなっているのかもしれない、というわけです。

「0~2歳は体や脳の土台をつくる時期。周囲の人とかかわる、自然にふれるなど、多くの体験が人としての土台を豊かに耕します。そうした体験の時間を削ってまでスマホを見せる必要はないと思いますよ」

でもいまの時代、スマホと全くかかわらないというのは非現実的。

「電車の中でぐずったときなどに、短時間見せるぐらいは問題ありません。見せっぱなしではなく、『これはなにかな?』などと、大人がかかわりながらがいいですね」

スマホがこれほど普及したのは、ここ何年かのこと。赤ちゃんの脳や心の発達にどんな影響を与えるのか、実はよくわかっていないそうです。そしてまた、影響がよくわからないからこそ、無制限にスマホにふれさせて将来後悔することにならないようにしてほしい、とのことです。

スマホを使わせると目に悪影響が?

一方で、赤ちゃんにスマホを見せると目に悪い影響があるのでは?という心配も。日本橋はま眼科クリニック院長・浜 由起子先生によれば、「スマホが一般に普及して10年もたっていないため、どんな影響があるのかがわかっていない」とのこと。「ただし、全く影響がないとは考えにくいですね」と言います。

生まれたばかりの赤ちゃんの目は、ほとんど見えません。が、そこからゆっくりと発達して3歳には0・7程度まで見えるように。個人差はあるものの、6歳までに1・2程度まで見えるようになるのだとか。

これがいわゆる「視力」の発達ですが、目にはもうひとつ、「立体視」(遠近感)という機能も。ものを立体的にとらえる感覚のことで、私たちは「視力」と「立体視」でものを見ているのだそう。この立体視の機能が育つのが、生後半年から1歳半、遅くても2歳ごろまで。

「この時期の赤ちゃんに、過度にスマホを見せていると、立体視が正常に育たないのではないか、と言われています。立体視は、正常なさまざまなものを見ることで育ちます。ところが、スマホの画像は実際の立体ではありません。3Dゲームの木と本物の木とでは、奥行きや遠近感が違いますね。立体視が発達する時期の赤ちゃんに実際のものではない立体画像を見せつづけると、誤差が生じる―つまり、本物の立体視が育たないのではないか、と考えられるのです」

欧米には、「3Dのテレビゲームは12歳以下の子どもに見せてはいけない」と法律で決まっている国もあるよう。立体視の発達とデジタルメディアとの関連は、世界的に問題視されているのですね。

ダラダラとスマホを見せつづけるのはNG!

また、スマホから出ているブルーライトが目の奥の網膜に影響を与えて、将来的に黄斑(おうはん)変性症など目の病気を引き起こす可能性も。

「目は神経のかたまりで、いちど病気になると治らないケースも少なくありません。だから、悪影響がありそうなものはとり除いて予防することが大切なのです」

まずは、長時間ダラダラ見せるのはやめること。赤ちゃんに見せるなら、1日に15~30分ぐらいにとどめて、と浜先生。

「スマホを見たあとにはテレビを見せないなど、幼い目に負担のかかることをできるだけ減らして、リスク管理をしてあげてください」

赤ちゃんとスマホに関するQ&A

Q.動画と静止画で目の負担に違いはある?

A.動画は近視を引き起こす可能性があります
動画を見ても視力の発達には影響しませんが、こまかく動くものを見続けるほうが、より目が離せなくなるので、近視を引き起こす可能性があります。動画よりは静止画のほうが、目への負担は少ないですね。(浜先生)

Q.スマホ画面は明るすぎないほうがいいの?

A.スマホの明るさはあまり気にしなくても大丈夫です
15~30 分程度なら、あまり気にしなくて大丈夫。ただし、あまりに暗い画面を見過ぎると近視になりやすいので注意して。(浜先生)

Q.積極的に知育アプリを見せたほうが賢くなりそうだけど

A.スマホの世界よりも実体験のほうが大切です
赤ちゃんにとっては日常生活のすべてが学びの場で、五感をフル稼働して、周囲の情報をキャッチし、学習しています。たとえば「転んでひざをすりむくと、血が出て、痛い」など、さまざまな体験から、ものごとの成り立ちや仕組みなどを学ぶのです。スマホのアプリは人間が頭で考えたもの。刺激としては偏りがあり、赤ちゃんをとり巻く環境そのものが体験を通して教えてくれるものには、かないません。(七海先生)

Q.スマホとタブレットならどちらを選ぶ?

A.離れて見ることができるタブレットのほうがベターです
タブレットのほうがベター。どちらからも目や体内リズムに影響を与えるブルーライトが出ていますが、大きな画面を離れて見るほうが、影響は少ないです。(浜先生)

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撮影/松木 潤(本誌写真課) 取材・文/植田晴美、佐藤真紀

『Baby-mo(ベビモ)』の内容をウェブ掲載のため再編集しています。※情報は掲載時のものです。

Baby-mo〈ベビモ〉編集部

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