つわりになるのはどうして?つわりの疑問に医師がお答え!
つわりは一体いつごろになったら終わるのでしょうか?症状も個人差が大きいようです。気になるつわりのアレコレについて、産婦人科医の木下智恵先生がお答えします。
Q.つわりになるのはなぜ?
原因についてはまだ明確にはわかっていませんが、ホルモンバランスの急変が影響しているという説が一般的です。
これは、妊娠すると妊娠を維持するhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)などのホルモンが急激にふえ、妊娠後の分泌量のピークとつわりの症状のピークが重なりやすいため。 また、hCGはつわりの主な症状である吐きけを引き起こすといわれています。
さらに、hCGは自律神経にも影響を及ぼすことが多く、眠けやめまいなどの症状があらわれる場合があります。
Q.個人差があるのはなぜ?
水すら飲めないほどの重い症状の人もいれば、妊娠前と体調がほとんど変わらないと感じる人もいて、つわりの症状は人それぞれ。つわりに個人差がある理由もまだ医学的には解明されていませんが、おなかの赤ちゃん一人一人の個性が違うからでは、と考えられています。
そのため、同じ夫婦から生まれたきょうだいでも症状が異なります。おなかの赤ちゃんの個性が違うように、ママの体調の変化や症状の現れ方にも個性があるのでしょうね。
Q.いつからいつまで続くもの?
ほとんどの方が妊娠2~5ヶ月の間まで続き、妊娠3~4ヶ月に症状のピークが来たと言います。胎盤ができあがる妊娠5ヶ月頃にはたいてい落ち着いてくるはずですが、出産までずっと気持ちが悪かったという人もまれにいます。
Q. どんな症状があるの?
水でも吐く、空腹だと気持ちが悪いため食べ続ける、船酔いや二日酔いのような気持ちの悪さは典型的な症状。おなかの赤ちゃんに優先的に血液を送るため血液量も変化し、自律神経がうまく働かなくなる場合があり、 だるさやくらくらとめまいがするといった症状も。
さらに、ホルモンバランスの変化にはじめての出産への不安感も重なってイライラしたり、気持ちが落ち込むというのも症状のひとつです。
Q.気をつけたほうがいいことは?
嘔吐を繰り返すと水分不足になりがち。少しずつでも水分をとるように心がけてください。炭酸ドリンクなどはスッキリしますが、飲みすぎるとおなかがふくれてかえって苦しくなるので注意しましょう。
食べたり飲んだりするときは「一気に」ではなく、「少しずつ」胃に入れるようにしてください。
Q.どんな栄養をとるべき?
ビタミンB群には吐きけを抑える働きがあるので、ビタミンB群が豊富な食べ物、例えばバナナや豚肉、卵などをとるようにしましょう。しょうがはとりすぎると腹痛や下痢を起こすこともありますが、適度にとることでつわりの症状を軽減できます。
Q.つらいときはどう過ごせばいい?
できるだけ座ったり、横になって休みましょう。規則正しく、睡眠もしっかりとるように。事情が許せば、寝られるだけ寝ても大丈夫です。症状は変化し少しずつラクになります。いつかは終わるので1週ずつ乗り越えていきましょう。
Q.病院に行くレベルのつわりって?
水でも吐いてしまう場合、飲食がまったくできずに体重が減り続けてしまい、脱水症や栄養失調になってしまうことが心配されます。水分がとれない、体重が10%以上減った、 トイレに行く回数が極端に減った、という方は健診以外でも受診しましょう。
病院では電解質、糖質、ビタミンB群などの点滴を行い、 吐きけどめの薬を入れる場合もあります。
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