幼稚園の3歳児クラスへの入園が近づくお年頃。仲間遊びが始まり、ルールや約束事を覚えながら遊びの世界を人と共有していきます。
できることが増える一方で、「できる・できない」の個人差が大きくなる時期でもあります。そんな3歳児に親はどう接すればいいのでしょうか。小児科医で発達脳科学者の成田奈緒子先生に話を聞きました。
〈主張〉したり〈がまん〉したりして感情をコントロール
体重は出生時の4倍、見た目にはすっかり「子ども」になり、赤ちゃんっぽさは残っていません。乳歯も生えそろい、自分でトイレに行く習慣がついた子も多いでしょう。
走ったり跳んだりはもちろんのこと、片足でけんけんしたり、階段を2~3段飛び降りたり、でんぐり返しをしたり、バランス感覚が求められる動きもできるように。できる・できないの個人差が大きくなりますが、経験の違いであることも多いので、楽しみながらチャレンジしていきましょう。
そして、自分の思いを主張するばかりだった2歳代のイヤイヤ期を抜けると、少しずつ「がまん」できるようになります。これを自己コントロール力といい、「おりこうさん脳」の中でも最も高度な「こころの脳」が活動を始めた証拠です。
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育脳って何?脳育ての具体的な方法は?子どもの可能性を引き出すために親ができること【発達脳科学者監修】でも、この年齢の自己コントロール力は芽生えたばかり。イヤなことを100%受け入れることはむずかしいので、親も工夫が必要です。
たとえば「もっと公園で遊びたい」とだだをこねたとき、「おうちに帰ったら、おやつのアイスがあるよ」などと言うと、「公園はがまんして、アイスを食べよう」と気持ちを切りかえられるのです。
要求を完全にあきらめるのは大人でもむずかしいですから、先延ばしにしたり、別のもので満足できればそれでじゅうぶんなのです。
脳育て①ごっこ遊びにたくさんつきあってあげて
おままごとや、戦いごっこなど、子どものイメージ力がふくらむころ。ママも童心に返って楽しく遊ぼう。
●ママvoice●娘2人のごっこ遊びに家事をしながら「魔女」として参加。キッチンに来た子をサルやケーキに変身させています。(ゆきママ)
脳育て②「順番だよ」がわかるようになります
「いれて」「じゅんばん」「かわりばんこ」と言った、子どもの遊びをスムーズにする言葉を教えていきましょう。「10まで数えたら交代ね」で、数を覚える子も多いものです。
●数への理解が深まります●「数への理解」とは、1から10まで数えられることではありません。AとBではどっちが多いか、4つのクッキーを2人で分けるにはどうするのか、そんな感覚を身につけることが数学的センスにつながるのです。
【2歳】2つまでを理解2~3の数を認識できる。「たくさん」「多い」「少ない」「長い」「短い」が、パッと見て判断できる。
【3歳】同じ分量に分けられる積み木を2つの箱に同じくらいになるように分けられる。3つまでの数がわかり、声に出して言える。
【4歳】10までの数がわかる重い―軽い、多い―少ないといった対比ができ、「真ん中」もわかる。10まで数えられる子もふえる。
脳育て③毎日たっぷりと体を使った遊びを
運動能力を発達させ、脳に刺激を与えるには、自由に体を動かす遊びがいちばん。外でも室内でもたくさん体を使って遊ばせましょう。
脳育て④おはしの練習をそろそろ始めましょう
3本の指でまずは1本「えんぴつ持ち」ができるようになったら、おはしの練習開始。スプーンもいっしょに使いながら、気長に進めていきましょう。
●ママvoice●上の子に厳しくおはしを教えて疲れたので、下の子はほったらかし。でも3歳になったら「お姉ちゃんのまね」でマスター。(さきママ)
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ぜひ実践を!3歳代の脳を育てる語りかけ
●ママと順番で使おうね。●タロウくん(お友だち)は、こうしたかったんじゃないのかな?●あなたは、どうしてだと思う?●ありがとう、ママ助かったよ。●明日はおばあちゃんの家に行こう。人の気持ちを配慮するような言葉を意識的に使い、少しずつ他者の視点を盛り込みましょう。人の役に立つ喜びも実感できるので、感謝の言葉を忘れずに。明日や昨日のことも話題にして。
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