「子どもにさまざまな体験をさせてあげたい」「能力を引き出してあげたい」と思うのが親心。保育園や幼稚園に通い始めるころになると、習いごとをさせようと考えるパパ&ママも少なくないのでは?
初めての習いごと選びを失敗しないために、親として気をつけるべきポイントをご紹介します。
習いごとを遊びに優先させない
習いごとが子どもに与える影響は小さくありません。その子に合った習いごとの経験は、よい原体験になります。
テレビのスポーツ番組で誰かが転べば、スポーツをしていた子は「残念だろうな」と共感できる。ピアノを習えば音楽だけでなく関連する地理から文学までさまざまな知識を得られ、学校での学習を受け入れやすくなったりもします。心の成長も促されやすいですね。
とはいえ習いごとは、自主性やコミュニケーション能力、主体性など、人格形成の基礎を育てる「遊び」にはかないません。十分に遊び、そのうえで楽しんでとり組めるものを選ぶのが、習い事の位置づけといえるでしょう。
どんな習いごとも楽しめることが大前提
習いごとはくれぐれも、その子が楽しんでできるものであることが前提です。シュークリームにしょうゆをかけたら台なしです。シュークリームには砂糖が合うし、しょうゆは魚にかけたい。習いごともその子に合ったものを、楽しんでとり組んでこそなのです。
「どうしてもこの習いごとをさせたい」「一度始めたからには続けてほしい」と無理に続けさせれば、その習いごとに対して持つのはいやな原体験です。習いごとの主役は子どもです。親は一生懸命になりすぎず、わが子に合わないと思ったら、やめて次へいくというスタンスでいいと思います。
合うかどうかの見きわめには親のカンがものをいう
では、わが子に合った習いごとをどう見きわめるか。大切にしたいのは、子どものいちばん近くにいる親のカンです。「うちの子はコツコツやるのが好きだから」「負けずぎらいなところがあるから」。きっとこんなことに達成感を持てるだろう、と思えるものを試してみてください。
「何才だから」「みんなが始めているから」といったあせりは、せっかくのカンを鈍らせます。体験入会などで楽しめるのは当然、スタートしてからも、最初の1カ月はお試し期間と考えましょう。カンがはずれることも、先生と相性が悪いこともありますから、「始めるからには○年はがんばろうね」などと条件をつけず、気楽にとり組みましょう。
そうやって始めた習いごとがうまく回りだしても、続けるうちにはスランプに陥ったり、理由もなく行きたがらなくなったりすることがあるでしょう。そんなとき、親は「オウム返し」でサポートしてあげてください。
「行きたくない」と言うなら「行きたくないんだね」、「こんなことがあった」なら「こんなことがあったんだね」と、子どもの話を聞いて共感してあげる。するとだんだん自分で考えて工夫し、乗り越えていきます。習いごとを通じた自立のチャンスを、ぜひうまく利用しましょう。
習いごとに関するQ&A
Q.幼稚園入園前に習いごとをさせる意味はある?
あまり理屈をつけずやるなら楽しめる範囲で意味のあるなしではなく、この時期は「子どもがいやがらない範囲で」が大原則。フラッシュカードなどの知育系も生まれつき楽しめる子はいるので、その範囲でやればいいでしょう。楽しくないのに続けるのは大事なものを壊します。「○才までに」という業者のあおり文句には踊らされないように。
Q.見学や体験ではどんなことに注意すればいい?
子どもの反応をしっかり観察して「好きこそもののじょうずなれ」といいます。子どもが楽しんでとり組めていれば体はよく動き、知識も吸収されやすいでしょう。教室の雰囲気として、ゴールを設定して指導するのか、子どもを中心にできることを伸ばそうとするのかも見きわめて。選ぶなら後者です。
Q.みんなが習いごとをしているから、という理由で始めるのは?
悪くありませんが習いごとに頼りすぎないで防犯面などで外遊びがむずかしい時代です。習いごとがお友だちとの接点になっているのなら、ひとりでいるよりいいかもしれません。ただ、自由な遊びは子どもの感性や主体性を育てる重要な活動です。習いごとだけでない、遊びの時間をつくってあげて。
Q.子どもの意思ではなく、親がさせたい習いごとをさせるのは?
「その子に合っているか」をまず考えて「音楽が好きだからきっとピアノも好きだろう」というように適性を考えてのことなら、本人が「やりたい」と思うように導くのはいいかもしれません。そうではなく「将来役に立つだろう」といった理由だと、いずれ衝突する可能性があります。
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