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2022.06.24

育脳・知育

親子の触れ合いで脳がぐんぐん活性化!?脳科学で実証された〈脳育てに大事な遊び〉を専門家が伝授

脳を育てるために決して欠かせないのが、運動です。なかでも、自由にじゃれついて遊ぶことが〈かしこい脳の土台づくり〉にも有効なのだとか。じゃれつき遊びの大切さについて、発達脳科学者の成田奈緒子先生に話を聞きました。

毎日のじゃれつきタイムで「自律神経の働き」が整う

「体を動かすと、頭がスッキリする!」「散歩すると、アイディアがひらめく!」という経験のある人は多いと思います。それは、体の動きと脳の働きが非常に密接につながっているからです。

子どもの脳と運動は、切り離すことはできません。体を動かすことで脳に刺激が加えられ、働きのよい脳に成長していくのです。

なかでも、じゃれついて遊んだり、リズムに合わせて自由に踊ったりすることは、「からだの脳」も「おりこうさん脳」も同時に育てることがわかっています。

「おりこうさん脳」「からだの脳」詳しく見る⇒⇒⇒育脳って何?脳育ての具体的な方法は?子どもの可能性を引き出すために親ができること【発達脳科学者監修】

そのことを証明する、こんな実験があります。

保育園の保育活動中、1日1回、じゃれつき遊びやリズム遊びの時間をとり入れたところ、3ヶ月後には自律神経の活動量が上がった子が増えたのです。

自律神経の働きは、脳幹や大脳辺縁系といった「からだの脳」の育ちと深くかかわっています。自律神経が整うことは、「からだの脳」の働きがよくなっている(子どもの場合は「脳が育っている」)ということの証明でもあるのです。 

親子のじゃれつきで五感も脳もフル稼動!

じゃれつき遊びにルールはありません。親も子も自由に、くすぐったり、転がったり、高い高いしたりしましょう。

触覚:さわられてくすぐったい!
聴覚:ママの笑い声が聞こえる!
視覚ぎゃっ!つかまった!

ルールのない動きは、子どもの五感を活性化させる働きもあります。

「五感」詳しく見る⇒⇒⇒抱っこ、授乳、ふれ合い…赤ちゃんの脳育てに「五感からの刺激」が大切な理由とは?【発達脳科学者アドバイス】

「がまんする力」はよく遊ぶ子のほうが育つ?

別の実験で、運動と「おりこうさん脳」の関係についても調べています。

大脳皮質(おりこうさん脳)の中で、最も高度な機能を持つのが前頭前野(前頭葉の一部)。「意思」「集中力」「がまん力」などをコントロールする、人間ならではの高度な機能を持つ部分です。

なかでも「抑制機能」は、衝動的な行動を意思の力で抑えたり、周囲に惑わされずに集中したりする力。いわゆる「頭のよさ」につながる働きなのですが、そこがどんなときに活発に働くか調べた実験です。

「A:おとなしく座っている子」「B:じゃれついて遊んでいる子」「C:マット運動など決められた運動をしている子」に、色文字で書かれた言葉を見せ、それが「何色か」を答えるという課題(ストループテスト)を出しました。

一見簡単そうですが、白い文字で「みどり」と書かれていると、「緑」と答えたくなってしまうものです。正しく答えるためには、前頭前野の「抑制機能」が働かなくてはいけません。

テストの結果、最も正解率が高かったのは「B」のじゃれついて遊んでいた子たちでした。次が「C」の子たち。おとなしく座っていた「A」の子たちの結果が最も悪かったのです。
つまり、大人にじゃれついて遊んだり、興味を持って手足を動かしたりしていた子のほうが、脳の抑制機能が働いているということなのです。

一見、おとなしく座っていると、抑制機能が働いているように思えます。しかしそれは、強い興奮や衝動を味わっていないだけなかもしれません。

思いっきりアクセルを踏む(衝動・興奮)ことがなければ、ブレーキを強く踏む(抑制機能)必要もないわけなので、「見せかけの抑制機能」である可能性があるのです。

幼児期の自制心は見せかけの脳の発達⁉

子ども時代は、興奮したり、ちょろちょろしたり、人にじゃれついたりするものです。それは、脳の発達上必要性があってのことなのです。

前頭前野のシナプス(神経細胞ニューロンの間にある接続点)は9歳くらいまでにどんどん増えていきますが、10歳ごろに刈り込まれ、整理されます。その時期までにどれだけ多くのシナプスをふやすかで、刈り込まれたあとに残るものの質が違ってくるのです。

いいかえれば、9〜10歳までにどれだけ子どもを興奮して遊ばせるかで、将来の学力まで決まるともいえるのです。

ところが昨今の大人は、子どもたちの興奮や大はしゃぎを嫌う傾向があります。おとなしく座っていられる「いい子」を求めて、強い衝動や興奮を味わう機会を奪っているとすれば大問題です。

興奮しやすく、よく話し、興味の対象には猪突猛進する「少し手のかかる子どもらしい子ども」のほうが、あとでぐんと伸びていくのです。幼いころは大変ですが、「将来が楽しみな子だ」と思うといいですね。

興奮や刺激といっても、一方通行な刺激のテレビを見せることではありません。テレビやDVDを見せっぱなしにすると、脳はくつろぎモードになり受け身状態になります。これは興奮や衝動とはほど遠く、前頭前野が不活発な状態が続くことになります。

幼児期、子どもの脳をすくすく育てたいと思ったら、毎日の生活の中に親子のじゃれつき遊びをとり入れてください。最も信頼している親とじゃれつくとき、最も脳が活性化します。

じゃれつき遊び初心者さんなら、朝起こすときに抱っこしたり、おなかをくすぐったり、毛布にくるんでゴロゴロしたりするなど、お布団の上で遊ぶのがいいですね。ギャハギャハ大笑いできたら、もうそれで大成功。すっきり目も覚めるので、一石二鳥なのです。
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記事を読む⇒⇒⇒脳の発達に最適な〈おもちゃ〉の選び方ポイントは2つ!〈年齢別〉おすすめ室内遊びも紹介
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まとめ・文/石野祐子(Forest inc.) 『はじめてママ&パパのしつけと育脳』の内容をウェブ掲載のため再編集しています。※情報は掲載時のものです

【監修】 成田 奈緖子 子育て科学アクシス代表/小児科専門医

文教大学教育学部特別支援教育専修教授。小児科専門医。子育て科学アクシス代表。医師、教授、母親としての視点から、子どもの「育ち」を支援。経験と研究に基づいた「子どもが一生幸せに生きられるための脳作りの方法」をテーマに、広く講演、執筆活動も行う。

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