体と心に様々な変化が起き始める〈妊娠超初期〉。この時期の不安を解消するにはどうすればいいのでしょうか?産婦人科医の海老根真由美先生に話を聞きました。ママたちの体験談も参考にしてください。
〈妊娠超初期〉とは?
妊娠期間は、「妊娠初期」妊娠4週〜15週(妊娠2ヶ月〜4ヶ月)、「妊娠中期」妊娠16週〜27週(妊娠5ヶ月〜7ヶ月)、「妊娠後期」妊娠28週〜39週(妊娠8ヶ月〜10ヶ月)の3つに分けられます。
妊娠が成立する時期を「妊娠超初期」と言うこともありますが、これは医学用語ではないので、病院ではあまり使われません。
妊娠超初期こそ、赤ちゃんを意識した生活を
「生理が遅れている」「熱っぽくてだるい」「なんだかいつもと違う感じがする」など、妊娠したかも?と思ったきっかけは人それぞれ。
でもまだ妊娠が確定できないような超初期でも、おなかの中で小さな赤ちゃんは確実に育っています。特に妊娠超初期は赤ちゃんの体の各器官が形成される、とてもデリケートで大切な時期。
妊娠する前の日常生活を思い出してみましょう。楽しいお酒の席や、体調不良だからと軽い気持ちで服用する薬など、大人にはまず害がなかったものが、度を越せばおなかの赤ちゃんにとっては大きな影響を与えてしまうこともあるのです。
おなかに小さな命が宿った瞬間、「妊娠する前は当たり前だったことが当たり前ではなくなっていく」という心構えが必要です。
もしかして妊娠しているかも、と思ったその日から、おなかの赤ちゃんのことを第一に考えた生活に切り替えていきましょう。
先輩ママアンケート「妊娠が分かったのはいつ頃?」
・4週頃…38.5%
・5週頃…36.8%
・6~7週頃…14%
・8~10週頃…7%
・11~12週頃…3.5%
・覚えていない…0.2%
Q.「妊娠したかも?」と思ったきっかけは?①月経が遅れていた
②体に普段と違う違和感があった
③基礎体温のグラフに変化があった
①~③以外にもこのような声が聞かれました。
●「気持ち悪さと、常に眠く、尋常じゃない睡魔に襲われました」(ゆんゆんさん)
●「上の子が発熱し、自分も風邪症状があり薬が飲みたかったので調べたところ、妊娠していました」(ななさん)
●「今までに経験したことのない胸の張り。痛いくらいでした」(mimikoさん)
●「歯磨きをしてたら吐き気が。なぜか鼻水がたくさん出てきました」(こいもままさん)
●「特に症状はなかったけど、不妊治療をしていたので判定日で分かりました」(のんたんママさん)
●「妊活中だったので、待ちきれず、妊娠していれば高温期に排卵検査薬が陽性になるという噂を聞いて試したことがきっかけ」(にーさん)
●「不正出血があり、あと、生々しいのですが…受精した感覚がありました(笑)」(もも。さん)
●「2人目妊娠ですが、上の子と同じように大好きなコーヒーの匂いがだめになったり、コーヒーを飲むと気持ちが悪くなりました」(みさこさん)
●「夏バテのようなだるさと食欲不振。疲れやすさが目立ちました」(はぴまるはぴたろうさん)
●「身体が火照るような感じと、胃もたれのような気持ち悪さがしばらく続いていました」(みみみんさん)
●「生理1週間前から胸の張りが強かった。生理予定日の翌日に少量の出血があり、着床出血だったのかもと思いました」(さくらもちさん)
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おなかの赤ちゃんとママの体にはどんな変化がある?
生理が遅れて「もしかして妊娠!?」と気づく頃、体には様々な変化が。どのように変わっていくのかを知っておくことも大切です。ここでは、妊娠超初期から16週頃までの様子を解説します。
0週0日▶前回の生理が始まった日
【どんな時期?】0週0日とは、最終月経の開始日。妊娠検査薬などで妊娠がわかり産院を訪れたとき、この日を尋ねられることが多いので記録しておきましょう。
【ママの体の変化】まだ妊娠はしていません。妊娠を計画している場合は、妊娠前から葉酸を多く野菜を食べておくと、赤ちゃんの先天性のリスクが減らせます。
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2週0日~3週6日▶排卵日~着床が始まる頃
月経周期が28日の場合、2週0日頃が排卵日。このあと、卵子と精子が受精し、子宮内膜に着床すると妊娠が成立します。
【ママの体の変化】この時期はまだ、妊娠の自覚症状はまずないでしょう。ほとんどの妊婦さんが普段通りに過ごしている時期です。
4週0日▶本来の月経予定日です
月経周期が28日の人の場合は、4週0日が月経予定日です。生理が遅れて「もしかして妊娠!?」と思う人もいるかもしれません。
【ママの体の変化】生理が遅れ、妊娠を意識する人も。なかには、この時期からつわりのような胃もたれやムカつきなどの症状が出る人もいます。
【おなかの赤ちゃんの様子】この時期に産院で超音波検査をしても、胎嚢(赤ちゃんを包む袋)は確認できません。まだ見えないものの、4週の終わり頃から心拍が開始。
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5週頃▶妊娠検査薬で陽性反応が出る頃
生理の遅れに気付き、妊娠検査薬を試して陽性反応が出たら、産院へ。超音波検査で胎嚢が確認されたら、正常な妊娠と判断されます。
【ママの体の変化】体がだるい、眠い、熱っぽくなるといった、風邪の症状が出てくる人も。眠いときは「休んで」のサインと心得て。
【おなかの赤ちゃんの様子】5週に入ると、赤ちゃんを包む袋である胎嚢が見えてきます。胎嚢の発育スピードは1日1㎜と、とても速いもの。
6~7週頃▶胎児心拍が確認できる時期
6~7週頃、超音波検査で胎児心拍が確認できたら、妊娠は順調です。心拍が確認できない場合は流産の可能性もあるため、1週間後の超音波検査で確認します。
【ママの体の変化】
引き続き、だるさや、腰や下腹部の違和感、胸の張りなどの変化を感じる時期。仕事をしている人は、心拍が確認できたら職場への報告を。
【おなかの赤ちゃんの様子】7週頃の赤ちゃんの大きさはさくらんぼ大。心拍もしっかりとあり、7週頃からは、頭、胴体の区別もつくようになります。
8~10週頃▶分娩予定日が確定する頃
妊娠3ヶ月に突入。頭殿長といって、赤ちゃんの頭からおしりまでの長さを測り、分娩予定日が確定されます。
【ママの体の変化】多くの人に「つわり」の症状が出てきます。子宮は握りこぶし大くらいの大きさに。ホルモンの影響で気分の浮き沈みが出てくる人も。
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【医師監修】つわりはいつから始まる?うまく乗り切るにはどうしたら?【おなかの赤ちゃんの様子】10週には頭殿長は3~4㎝くらいに。手指やつめも形成され、次第に人間らしい姿に。胎盤の形成も始まります。
11~12週頃▶流産の心配は減ります
心拍が確認され、10~12週の迎える頃には、流産の可能性はグンと減ってきます。妊娠している実感がわいてくる時期です。
【ママの体の変化】つわりの症状が続いている人が多いでしょう。頻尿や便秘、おりものが増えるなど、体調の変化が続きます。
【おなかの赤ちゃんの様子】「胎芽」から「胎児」と呼ばれるようになります。12週には頭殿長は5~6㎝に。赤ちゃんの動く様子が超音波検査で見られるようになります。
13~16週頃▶胎盤が完成します
14週頃から胎盤は完成に近づき、16週頃に完成されます。16週からは安定期となり、心身ともに安定してくるでしょう。
【ママの体の変化】おなかが少しだけふっくらしてきます。個人差はありますが、つわりが落ち着き、食欲も回復。基礎体温も下がってくるので、熱っぽさだるさが取れます。
【おなかの赤ちゃんの様子】15週にはレモン1個くらいの大きさに。母体から栄養をもらう臍帯(へその緒)も太くなります。