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2023.02.14

お産の基礎知識

【産婦人科医監修】前駆陣痛って何?陣痛とどう違うの?見分け方を医師が解説。先輩ママの前駆陣痛体験談もチェック

予定日が近くなると、もうすぐ赤ちゃんに会えるといううれしさの反面、いつ陣痛が始まるのか…どんな痛みなのか…など、疑問や不安も感じる時期ですよね。今回は多くの妊婦さんが気になっている「前駆陣痛(ぜんくじんつう)」にスポットを当てます。

前駆陣痛とは何か、本陣痛との違いなどについて、成城木下病院の木下智恵先生にお話を伺いました。先輩ママの前駆陣痛エピソードも参考にしてください。

〈前駆陣痛〉は経験した?先輩ママアンケート

「出産前の子宮の準備運動のようなもので、痛みが続く間隔は不規則」な前駆陣痛。まずは、Baby-moWEBで行なった〈前駆陣痛アンケート〉の結果を紹介します。

Q.〈前駆陣痛〉妊娠中に経験しましたか?

経験した…47%
経験しなかった…47%
覚えていない、わからない…6%

経験した人としなかった人が同率という結果に。覚えていない&わからないという人も少数いました。「前駆陣痛を経験せずにいきなり本陣痛がくる方もいます。また、痛みの感じ方にも個人差があるので、実は(前駆陣痛が)あったけど感じなかったという人も中にはいます」(木下先生)

前駆陣痛って何?陣痛とは違うの?

陣痛とは、赤ちゃんを外へ押し出すために繰り返される子宮の収縮運動のことです。子宮の収縮にともない、おなかの張りや痛みが発生します。

陣痛には大きくわけて「前駆陣痛」「本陣痛」「後陣痛」の3種類があり、それぞれにどのような特徴があるのか説明していきます。

【前駆陣痛】本格的な陣痛の前段階状態。痛みや間隔は不規則

前駆陣痛は、不規則に起こるおなかの張りで、妊娠中の体が出産に向けて少しずつ準備を始めているサインです。
妊娠中は赤ちゃんが外へ出ないよう子宮の出口が硬くなっていますが、出産が近づくにつれ、子宮や子宮頸管、子宮の出口などが柔らかくなっていきます。その準備として前駆陣痛が起こります。本陣痛の前段階の状態で、痛みの間隔や持続時間は不規則です。

【前駆陣痛はいつ始まる?】
前駆陣痛がいつから始まるのか、また、どのくらいの期間続くのかに決まりや定義はありません。個人差があり、一概には言えないのです。

前駆陣痛を感じ始めてから本陣痛が始まるまでの期間にも個人差があります。すぐに本格的な陣痛が始まる場合もあれば、数日間不規則な痛みを繰り返すことも。前駆陣痛かどうか判断ができないときは、病院に連絡をして相談するとよいでしょう。

【前駆陣痛はどんな痛み?】
前駆陣痛の痛みは、「おなかが張るような感覚」「生理痛のような感じ」など表現は様々。また、痛みの強さや感じ方に個人差はありますが、強かったり弱かったりと規則性がありません。

【前駆陣痛はお産のサイン?】
前駆陣痛=お産の始まりと慌ててしまう方がいるかもしれませんが、すぐに本格的な陣痛が始まるとは限りません。ただ、“お産が近い証拠”ではあるので、心の準備はしておきましょう。

【本陣痛と】痛みが一定の間隔でだんだん強くなりお産に

定義があいまいな前駆陣痛に対して、本陣痛は「1時間のうちに規則的な子宮収縮が6回以上(または10分おき)」になったときと明確に定義されています。

時間が経過するにつれ、陣痛間隔(痛みが始まってから次の痛みが来るまでの時間)は短くなり、痛みはだんだん強くなってくるのが特徴です。痛みが一定の間隔で起こるため、痛みがくるタイミングを予測できます。

【前駆陣痛と本陣痛の見わけ方は?】

「前駆陣痛と本陣痛が見わけられない」という悩みを、特に初産婦さんからいただくことが多いです。先ほど話したように、本陣痛は規則的に痛みがやってくるので、時計やアプリなどで陣痛感覚を計るとわかりやすいでしょう。規則的に痛みがくる場合は本陣痛の可能性が高いです。
また、私は患者さんに「夜眠れちゃえば本陣痛ではない」とお伝えしています。個人差はあるかもしれませんが、本陣痛はだんだん痛みが強くなっていくものなので眠れない人が多いです。

【後陣痛】産後、子宮が元に戻るときの収縮の痛み

分娩終了後、大きくなった子宮が元に戻ろうと急激に収縮するために起こる痛みのことです。子宮が収縮することで子宮からの出血を止める役割を果たします。

個人差はありますが、後陣痛の痛みは出産当日~3日後までがピークとされています。また、赤ちゃんに母乳を飲ませると、子宮収縮を促すホルモンが分泌されるので、痛みが強くなることもあります。そして一般的に、子宮収縮のスピードが速い経産婦さんのほうが痛みが強いと言われています。

陣痛という名前がついている【微弱陣痛】とは?

「前駆陣痛」「本陣痛」「後陣痛」以外に陣痛の言葉がつく「微弱陣痛」。

微弱陣痛とは、陣痛が始まっても陣痛そのものが弱かったり、陣痛の継続時間が短く、陣痛と陣痛の間隔が長くなったりすることによりお産が進まない状態のことです。

お産が始まったときから陣痛が微弱である「原発性微弱陣痛」と、お産の途中から陣痛が微弱になる「続発性微弱陣痛」があります。
お産が進んでいかない状態は異常ですので、週数にもよりますが、ママの意向を聞いて陣痛を誘発するために薬(陣痛促進剤)を使うこともあります。

知っておこう!お産の進み方

落ち着いて出産を迎えるためには、陣痛とはどのような痛みでどのくらい続くのか、また、どうゴールを迎えるのかなど、お産の進み方を知っておくことが大切です。

出産に要する時間や進み具合は人によって違いがありますが、ここでは、一般的なお産の目安についてご紹介します。

分娩の前兆

赤ちゃんの頭が骨盤内に入ることで下がり、胃の圧迫が取れ、すっきりします。収縮の間隔や持続時間が不規則で弱い前駆陣痛が始まり、子宮頸管などを徐々にやわらかくしていきます。

この時期、血性のおりもの状の粘液が外に出てくることがあります。これが「おしるし」です。赤ちゃんを包んでいる卵膜と子宮の壁の間にズレが起こり、卵膜の一部がはがれることで出血。その血液と子宮頚管の粘液が混ざって外に出てくるものを一般的に「おしるし」と呼んでいます。

分娩第1期

子宮口が徐々に開き、全開大になるまでの時期です。時間の目安は、初産婦で10~12時間、経産婦で4~6時間。陣痛の始まりは月経痛くらいの痛みが一般的。10分間隔になってきたら本陣痛のスタート、まずは病院へ連絡をしましょう。子宮口の開き具合に比例して陣痛の間隔は短く、痛みはどんどん強くなっていきます。
●破水から始まった場合は?●
破水した場合も、まずは病院に連絡を。破水の状態は、卵膜が破れた場所によって異なります。

子宮口に近い位置が破れる「低位破水」の場合は下着がかなりぬれるほどの量が出ますが、子宮口から遠い位置が破れる「高位破水」の場合はチョロチョロと出る程度なので、尿漏れと迷う人も。赤ちゃんに細菌が感染する可能性があるため、入浴やシャワーは絶対に禁止です。

分娩第2期

子宮口が全開となり、赤ちゃんが出てきます。時間の目安は初産婦で2~3時間、経産婦で1~1.5時間です。このタイミングで破水が起こることが多いです。

陣痛間隔は2~3分おき。痛みのない間にしっかり呼吸をして赤ちゃんに酸素を送りましょう。子宮口が全開したら、いきみを開始してもOK。下腹部にしっかり力を込めて、体をそらさないでいきむのがコツです。頭が出たあとは呼吸を切り替えて、力を込めなくても大丈夫です。

分娩第3期

出産後、胎盤が出るまでの時期です。時間の目安は、初産婦で15~30分、経産婦で10~20分です。赤ちゃんがすっかり出たあと、胎盤を晩出するために後陣痛が起こります。

胎盤が出たら、卵膜などの遺残がないかをチェックし、会陰や産道の裂傷を縫合します。母体が急変する可能性があるため、約2時間は分娩台で過ごし、血圧や出血をチェックします。

先輩ママに聞いた〈前駆陣痛〉体験エピソード

おなかが突っ張って、イタタタ…っていうような痛み。2人目だからこれが前駆陣痛だとわかったけど、初産のときは陣痛か前駆陣痛か分からず、アプリをしょっちゅう動かして肩すかしな感じでした。(かなちゃんさん・30代)

予定日前日に初めておなかが痛くなり、これが前駆陣痛か!となりました。不定期に痛みがやってくるので、アプリで時間を管理しながら、なるべくいつも通りドラマなどテレビを見ながらリラックスして過ごしていました。(ぽみぃさん・20代)

痛くて病院に行ったが帰された。という流れが2回ありました。(ふなこさん・30代)

出産予定日の2週間前に不規則な張りと、生理痛のような痛みを感じました。意外と痛かったので、前駆陣痛ってけっこう痛いんだな~と思っていたら、まさかの本陣痛でした(笑)。出血があったので、確信に変わりました。(mimiko*さん・30代)

夜に前駆陣痛が強くなって病院に連絡しました。そのときは「痛くてもまだ不規則だから大丈夫」と言われましたが、翌日の健診では「赤ちゃんが苦しそうだから産みましょう」ということでその日に産まれました。(ぷーさん・20代)

前夜から今までにないおなかの張りと不定期な陣痛がきて、産後まで寝られなかったので48時間以上起きていた。(むらさきさん・30代)

本陣痛だと思って入院したら前駆陣痛だったらしく、痛みは遠のいたものの、自宅から病院が遠かったのでそのまま入院。陣痛促進剤をしてもらい翌日出産しました。(きなこもちさん・30代)

何度も痛みがあるから陣痛が始まったのかな?と、いつもソワソワしないといけなくて。でも本陣痛とは全然痛みのレベルが違いました!(あすさん・30代)

生理痛のような痛みが起こり、これが陣痛だと思い病院に電話したら、間隔が不規則なので違うと言われました。でも痛かった…。(さくらママさん・30代)

予定日周辺で痛みがきたので「そろそろか…」とドキドキしましたが、初めての妊娠ということでこれが前駆陣痛なのか、本陣痛なのか、便意なのか悩んだ気がします。(りなさん・30代)

ドクターから妊婦さんへメッセージ

前駆陣痛や本陣痛は初めて経験する人も多く、わからないのが当たり前。みんな不安だと思います。「1時間のうちに規則的な子宮収縮が6回以上(または10分おき)」という本陣痛の定義だけ覚えておいて、いざ痛みがきた場合は落ち着いて時間を計ってみましょう。

また、病院に電話をするタイミングを「早すぎるんじゃないか」とためらう方もいるようですが、迷ったら電話をしてください。

いちばん不安なのは、一人でいるときに陣痛がきてしまった場合だと思います。そんなときはプロのスタッフにすべて任せてください。私たちは「手遅れ」がいちばん怖いので、遠慮は禁物!悩んだときは産院に連絡を入れるようにしてくださいね。
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取材・文/田代祐子

【監修】 木下 智恵 成城木下病院

2001年、横浜市立大学医学部卒業。東京大学医学部産婦人科、順天堂大学医学部産婦人科勤務を経て2005年より現職に。専門は周産期学のほか、婦人科腫瘍、不妊症、月経異常。元気で気さくな1男2女のママドクターです。成城木下病院

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