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2022.11.24

お産の基礎知識

【産婦人科医監修】おなかの赤ちゃん、大きめ?小さめ?その違いは何が原因なの?

おなかの赤ちゃんの大きさが標準外と言われたら、不安になってしまいますよね。そもそもその大きさって、どうやって決まるのでしょう?標準はどれくらい?

さまざまな疑問について、三枝産婦人科医院院長・升田春夫先生に取材しました。

おなかの赤ちゃんの大きさはその子の個性

赤ちゃんの大きさに差が出るのは、だいたい妊娠20週を過ぎたころから。下のグラフは、妊娠週数によって推移する標準・大きめ・小さめの赤ちゃんの体重推移を示したもの。黒い線は標準値、赤い線は大きめ、紫の線は小さめを表しています。

どの週数でも、赤ちゃんの大きさの割合は、大きめ10%、標準80%、小さめ10%と常に一定です。
大きさは、主に遺伝的要因と体内環境の2つの兼ね合いで決まります。母体環境が影響する場合もありますが、大きめでも小さめでも健康に問題がないかぎり、赤ちゃんの個性だと思うことがいちばんです。

3つの数値の掛け合わせで赤ちゃんの体重を予測

そもそも、赤ちゃんの大きさというのは、どのように算出されるのでしょう?

近年は、超音波検査をもとにした測定が主流。健診を行う医師によって差が出ないよう、下の3つの数値を推定式にあてはめ、胎児の体重を算出します。

BPD(児頭大横経=頭の長さ)

赤ちゃんの頭蓋骨の外側から、反対側の頭蓋骨の内側までの長さ。12週以降には、妊娠週数や予定日を出すときにもこの数値を使います。

FL(大腿骨長=腰骨の長さ)

赤ちゃんの太もものつけ根から、ひざまでの長さの数値。体のなかで最も長い骨で、推定体重のほか、成長ぐあいをみる場合にも測ります。

AC(腹部周囲長=おなか回り)

赤ちゃんのおなか回りを1周した長さの数値をいいます。推定体重式にも使いますが、おなかの発育ぐあいをみるときにも測ります。

おなかの赤ちゃんが「大きめ」の原因は?

「大きめ」と言われた赤ちゃんは、単なる育ちすぎ?それともほかに理由があるの?原因とともに、妊婦さんへのアドバイスもご紹介します。

原因① 遺伝的なもの

片方の親だけ大きい場合は、必ずしも大きめになるとはいえませんし、遺伝子の影響をどの程度受けるかによっても違います。ただし、両親ともに大柄な場合は、赤ちゃんもその遺伝子を引き継ぐ可能性が高くなります。

また、遺伝とは必ずしも関係ありませんが、ママが肥満だと赤ちゃんが大きめになることもあります。

原因② ママの疾患によるもの

ママが糖尿病や妊娠性糖尿病などの病気をもっている場合、赤ちゃんが高血糖にさらされて大きめになる可能性が高くなります。ただし、現代の医学ならよほどのことがないかぎり、巨大児になることを防ぐことができるでしょう。
※巨大児=生まれたときに4000gを超えている赤ちゃんのこと。数は全体のおよそ2%。

治療を行えばある程度の改善は望めますが、むずかしい場合は、体が大きくても肺の成熟度が低い赤ちゃんが誕生することもあります。

原因③ 過期産

予定日を過ぎても生まれない場合、子宮で過ごした時間の分だけ赤ちゃんは成長します。成長しすぎてしまうと難産になったり、羊水混濁などの二次的な危険が生じてしまうため、帝王切開を行うこともあります。

升田先生からのアドバイス

大きめであること自体はあまり問題がないので、健診でそう言われたからといって、極端なダイエットをしてはいけません。太っているからといって、必ずしも赤ちゃんが大きくなるわけではないのです。

ただし20週を過ぎたら、体重増加は「1週間で+500g」と考えて。これを守れば、最終的には+10kg 程度におさまりますし、難産予防にもなります。

大きめ赤ちゃんに関するQ&A

Q.身長・体重などは一生ずっと大きめのまま?

A.遺伝・環境によるため予想は不可能です

基本的に関係はありません。人間は遺伝の影響と環境要因によって、年月とともにどんどん変わっていきます。小さいころは体が大きいほうだったのに、大人になったら人並みになったというケースも少なくありません。ただし、両親ともに大柄の場合は、子どもも大きめになる可能性が高くなります。

Q.内臓や器官など身体機能が丈夫というのは本当?

A.大きめになった原因によって違います

正期産で生まれた赤ちゃんなら、大きさにかかわらず内臓機能が成熟していると考えられますが、一概にはいえません。たとえば、糖尿病が原因で大きめになった赤ちゃんは、肺の成熟が悪い場合もあります。ただ、見ている印象だと大きめの赤ちゃんのほうが顔のつくりはしっかりしていることが多いですね。

Q.赤ちゃんが大きめだとお産が大変なの?

A.赤ちゃんがスムーズに産道を通れるかが問題
これは多くの場合、本当です。産道はとても細いので、普通の赤ちゃんでも通るのは大変なこと。大きめの赤ちゃんとなるとさらに大変になってしまうので、難産になるケースも少なくありません。そうなると、分娩時間が長引く場合がほとんどです。途中で赤ちゃんの体力が尽きてしまうこともあり、そのときは帝王切開に切りかえることになります。

Q.赤ちゃんが大きめの場合、必ず帝王切開になるの?

A.100%ではないものの可能性は大

必ずとはいえませんが、赤ちゃんが4000gを超えると確率はグンと高まります。また、ママの骨盤の大きさも関係します。骨盤が小さいと難産になりやすく、そのうえ赤ちゃんが大きいとなると、帝王切開しか選べないこともあります。でもこれも、赤ちゃんを健康な状態で外に出すために必要なこと。否定的に考えることはありません。

Q.大きめの子は体力があるというのは本当?

A.成長している分、体力もあります
これは本当です。大きいと体力があるので、生まれたときから元気な子が多いですね。母乳の飲みもいいので、授乳回数も比較的少なくてすみ、大きめの子は育てやすいといわれています。

おなかの赤ちゃんが「小さめ」の原因は?

「小さめ」と言われたら、赤ちゃんがちゃんと成長しているのか、元気なのか、不安になるママも多いでしょう。まずは原因をチェックして。

体全体が小さい場合

体全体のバランスが小さく生まれた赤ちゃん。頭も足も標準より少し小さくしたイメージです。比較的、早くわかるのが特徴で、中期までに判明する場合がほとんど。小さめ赤ちゃんの約3割がこのタイプになります。

原因① 遺伝的なもの
大きめ赤ちゃんと同様、パパやママが小柄でその遺伝子を引き継いだ場合は、赤ちゃんも小さめになることがあります。両親ともに小柄なら、その可能性はいっそう高くなります。ただ、これは正常因子によるもの。ママや赤ちゃんに問題があるわけではないので、それほど心配することはありません。

原因② 先天的なもの
割合は少ないのですが、体が小さめの赤ちゃんの場合、染色体異常や先天性奇形なども考えられます。これは健診を受ければ出産の前にわかることがほとんどです。

原因③ ママの生活習慣によるもの
喫煙や飲酒、過度な薬物摂取は、赤ちゃんの成長をはばむ大きな要因になります。喫煙は低体重児に、飲酒は赤ちゃんが小さめになるだけでなく、奇形を起こすこともあります。薬は赤ちゃんの発育に影響するものとしないものがありますが、産科で処方されているものなら基本的に問題ありません。

やせている場合

体重が少なく、やせていると診断されたタイプで、小さめ赤ちゃんの約7割を占めます。中期~後期にならないとわからない場合が多いのですが、こちらのほうが心配なことが多くなります。

原因① ママの疾患による胎盤機能の低下
母体合併症といって、胎盤機能が低下することがあります。理由は病気によってさまざま。たとえば妊娠高血圧症候群の場合、胎盤のはたらきに作用するため、栄養や酸素のやりとりがうまくいかなくなることも。慢性的なものだとむずかしい場合もありますが、治療によって改善する場合もあるので、早めの対処が必要です。

※妊娠高血圧症候群、慢性高血圧症、腎臓病、心臓病、膠原病、甲状腺機能亢進症、糖尿病など

原因② 多胎児の場合

双子以上の場合は、小さめになることが一般的。その場合、1人分の栄養を複数の赤ちゃんに分けなくてはならないため、小さめになる割合が高くなります。

升田先生からのアドバイス

欠かさず妊婦健診を受けましょう。小さめの場合は、大きめよりも心配なことが多いので、早めに気づくことが大切です。早くわかればフォローしたり、必要な処置を行ったりすることもできます。また、喫煙などの好ましくない生活習慣は、赤ちゃんのために一刻も早く断ち切ること。自ら原因をつくることは避けましょう。

小さめ赤ちゃんに関するQ&A

Q.小さめなら100%普通分娩で出産できるの?

A.原因にもよるので一概にはいえません

ただ小さいだけなら、普通分娩の可能性は高くなるでしょう。ただし、小さめになっている原因にもよるので、小さめの子の全員が必ず普通分娩できるとは限りません。母体合併症などが影響している場合は、赤ちゃんのもっている予備能力が低いので、栄養と酸素を送ることが先決。早い時期に帝王切開で外に出すケースもあります。

Q.大きめの子よりも出産がラクだというのは本当?

A.問題がなければ安産率は高めです
1人目が3500gで2人目が3000gで生まれた場合、2人目のほうがお産がラクだった、または安産だったという話をよく聞きます。ママの話によれば、小さめのほうがお産がスムーズというケースは多いようですね。小さければ産道を通るのもラクなので、赤ちゃんがおりてくるときの痛みも、大きめの子よりも少ないようです。

Q.身長・体重などは一生ずっと小さめのまま?

A.育ってみないとわかりません

大きめと同様、予想は不可能です。小さく生まれた子でも、遺伝と環境要因によっては平均よりも大きく成長することもあります。子どもの個性によるところが大きいので、あまり気にしないようにしましょう。

Q.内臓や気管が弱いというのは本当?

A.大きさより出産時の週数が関係します

小さく生まれたということよりも、出産時の週数がどれぐらいだったかが影響します。予定日よりあまりにも早い時期に生まれると、内臓が成熟していないことが多く、しばらくの間、NICUに入れて成長を待つことが必要になるケースもあります。

Q.体力が不十分な子が生まれてくるの? 

A.育児は多少、大変になることも
確かに、哺乳力などが弱い赤ちゃんは多いようです。その場合、何度も授乳しなくてはならないので、大きい子に比べると育児が大変なことも。でも、ほとんどは一時的なものなので安心してください。

Q.小さめの子が多くなっているというのは本当?

A.意識の変化や多胎妊娠の増加が影響

確かに昔に比べると、統計的な平均体重はへっています。ただ、以前は体重管理という概念がなかったので、ママが太ってしまい赤ちゃんが大きめになっていた可能性はあります。また、多胎妊娠がふえていることも理由のひとつ。さらに、年齡とともに胎盤機能は低下するので、高齢出産が増加していることも、その一因かもしれません。

➤➤「胎動カウント」でお腹の赤ちゃんの元気度をチェック!そのやり方は?

イラスト/林 ユミ

『Pre-mo(プレモ)』の内容をウェブ掲載のため再編集しています。※情報は掲載時のものです。

Baby-mo〈ベビモ〉編集部

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