【ベビモ】はじめてママ・パパの悩みを解決

検索

menu

カテゴリー一覧

FOLLOW US!

  • LINE
  • Instagram
  • YouTube
  • Tiktok
menu

MENU

会員登録
menu

2022.10.17

お産の基礎知識

出産直後のママの体は?どんなケアを受けるの?病室に戻るまでの過ごし方【産婦人科医監修】

赤ちゃんが無事に産声を上げたらお産は完了!と思うかもしれませんが、実は体が激変する時間はまだ続きます。出産後すぐにどんな処置をするのか、入院室に戻るまでママと赤ちゃんはどんなふうに過ごすのかを、産婦人科医の安達知子先生にうかがいました。

分娩台で2時間は休み、見守ります

赤ちゃんが生まれて、大きな産声も聞こえたらひと安心。その後しばらくして、再び軽い陣痛が起こって胎盤が出たら、お産は終了です。

でも、出産から2時間ほどは、まだまだ母体が急変する可能性が高い時期。すぐに病室に移らず、そのまま背もたれを倒した分娩台(LDRの場合はベッド状に変形)に横たわって過ごすのは、単に体を休めることだけが目的ではありません。急な大出血、血圧の急上昇・急降下など、何かが起きた時にすぐ対処するためでもあります。

一方、臍帯を切ってもらった赤ちゃんは、血や体液などをぬぐわれ、肺に残っている羊水を吸い出されます。その後、インファントウォーマー(保温のためのベッド)の上で、呼吸の状態や皮膚の色、心拍に雑音がないかなどの確認が行われます。

こうして、赤ちゃんも元気であることがわかったら、寝ているママが胸元に抱くカンガルーケアをしたり、初めての授乳を試みたりと、母子の絆づくりがあらためて分娩台の上で行われます。

ママがお産直後に受けるケアと検査

胎盤が出たら、会陰切開した場合は縫合し、大きな変化がないかどうかを分娩台の上で経過観察されます。母子ともに元気なら、初めての抱っこ、初の授乳など、感動の「初」のシーンも分娩台で。

体をチェック
出血の具合、会陰の傷の様子、子宮の収縮具合などを調べます。子宮がなかなか収縮しない時は、おなかの上にアイスノンをのせて収縮を促すことがあります(アイスノンケア)。子宮が収縮することは、止血のために非常に大事だからです。ただし、低体温にならないよう、実施しない施設も。

初乳を与える
赤ちゃんの口をママの乳首の近くに寄せてあげるだけで「吸てつ反射」によって赤ちゃんは本能で乳首を吸います。

体をふいて着替えをする
お産で汗だくになり、血や体液がついた分娩着を寝たまま脱がせてもらい、体をタオルでふいてからパジャマや入院着に着替えます。

赤ちゃんが出生直後に受けるケアと検査

ママのあたたかい胎内から、体温調節も未発達なまま、15度近く気温の低い外界に出たばかり。とにかく体を冷やさないことがとても大事。呼吸状態、心拍数のチェックなどは手早く、あたたかいインファントウォーマーの上でされていきます。

へその緒を切る
赤ちゃんの体が完全に外に出て、臍帯の拍動がおさまったら、臍帯をクリップ留めして止血し、はさみで切ります。

羊水を吸い出す
肺の中に満たされていた羊水は、初めての呼吸とともに吐き出されますが、残っている羊水を口からカテーテルで吸引します。

体をふく
体についたママの血液や体液をタオルでぬぐいます。体脂が多い場合にはぬぐわれますが、皮膚を守るために必要なので残すことも。

身長・体重測定
あかちゃんの身長や体重をはかっておき、あとでどれくらい成長しているかの目安にします。出生体重の平均は3.02kg(平成21年)。

体をチェック
皮膚の色、心拍数、刺激による反射、筋緊張、呼吸数などをチェック。それぞれに点数をつけて、新生児の元気度を客観的に計ります(アプガースコア)。この5つの判断基準で何か問題があれば、すぐに治療やケアが始まります。

病室へ移ったらママとしての新しい生活へ

出産が終わって2時間は、分娩室で安静に過ごします。子宮収縮が不十分だと異常出血を起こすこともあるので、子宮収縮剤が使われることも。その間に異常が起きなければ、ストレッチャーか車いすに乗って、または自力で歩いて病室に戻ります。

部屋に帰ってからも、疲れをとるためにゆっくり休むことが必要。人によっては興奮して眠れなかったり、後産の痛みが強くてつらい場合もあります。そんな時は遠慮なく病院スタッフに相談を。

お産から6~8時間経ったら、血圧、脈拍、体温をもう一度チェック。その後は体力の回復をはかりながら、授乳など育児も少しずつ始まり、ママとしての生活がスタートしていきます。

先輩ママの「お産と産後」体験談

3日目にはラクになった傷の痛み。「案ずるより産むがやすし」です

会陰切開はできればしたくないと思っていました。だからお産の時に先生から「出てきにくそうなので、切りますね」と言われた時にはショックでしたが、麻酔をしたのでその瞬間の痛みはなし。翌日まで円座を使い、3日目からは痛みもほぼ引いて、出産前はあんなに恐怖だったのが嘘みたいでした!(N・Iさん)

ひどい貧血になり、体を支えてもらわないと立てず…

陣痛に気づかないほど夫と夢中でおしゃべりしていて、気づいた時には即入院!のタイミング。入院してから4時間のスピード安産でした。産後は貧血で動けなくて、布団から起き上がる時にも母に体を支えてもらったほど。おっぱい以外はすべて母にお願いして、助けてもらってました。(H・Tさん)

「悪露ってこんなもの」と思っているうちに倒れて救急車に!

産後は母に来てもらい、家事など手伝ってもらっていましたが、頑張らなくちゃと気が張っていたようです。悪露が多い気がしていましたが、赤ちゃん優先で受診もしないでいたら、ある日トイレで気を失い、救急車で搬送されてしまいました。産後は無理は禁物。自分の体も大事にしなくちゃと痛感しました。(M・Aさん)

記事を読む⇒⇒⇒「陣痛が怖い」妊婦さん必見!出産の不安を解消するには?【医師監修】

『はじめてママ&パパの妊娠・出産』の内容をウェブ掲載のため再編集しています。※情報は掲載時のものです。

【監修】 安達 知子 総合母子保健センター 愛育病院名誉院長・東京女子医大客員教授

1978年、東京女子医科大学医学部卒業後、同大学産婦人科学教室入局。米国ジョンズ・ホプキンス大学研究員、東京女子医科大学産婦人科助教授をへて、2004年から愛育病院産婦人科部長に。2006年より東京女子医科大学の客員教授に。2013年より愛育病院副院長を兼務し、現在は名誉院長。厚労省、文科省、内閣府などの各種委員会の委員などを務める、わが国の産科学会を担う中心的存在の一人。

SHARE

  • facebook
  • Twitter
  • LINE

関連する記事

ランキング