子どもが何かを達成したときにかける「すごい！」「やったね！」「さすが！」はNGワードって本当！？

子どもがネガティブな言葉を発したとき、親はどんな「声かけ」をすればいいのでしょうか？困難に負けない子どもに育てるための声かけの具体的ポイントを、日本ポジティブ教育協会代表理事の足立啓美さんが監修する書籍『子どもの心を強くする すごい声かけ』からご紹介します。

すてきな絵が描けたとき、スポーツで活躍できたとき、テストで満点がとれたときなど、何かを達成できたとき

【NGな声かけ】
●「すごい、才能があるね！」
●「さすが、頭いいね」
●「やったね、おめでとう」

【OKな声かけ】
●「たくさんの色を使って描けたね。この色使い好きだな！」
●「コツコツ計画的に勉強したものね」
●「毎日忍耐強くがんばったね」

固定されたマインドセットを育てると…

子どもたちは、小さなころからの経験を通して、大人の伝えるメッセージを受けとっています。その結果、何を信じるのか、どのような物事の見方をするのかが構築されていきます。それを「マインドセット」といいます。

「マインドセット」詳しく見る⇒⇒⇒受験や試合など〈大事な場面でうまくいかなかったとき〉の声かけのポイントとは？

実は、子どもが何かをうまくできたときに、どういった声かけをするかが、このマインドセットに大きな影響を与えます。

「頭がいいね」「才能があるね」というように、その子の持つ才能や能力をほめることは、「あなたは能力や才能の有無で判断されている」「ほめられたことについては力があるけれども、別のことは才能がない」というメッセージを子どもに送ってしまうことがあります。

いわば、「生まれ持った才能や頭のよさに価値がある」といった形に固定されたマインドセットを育てることになります。

才能をほめられて育った子どもは、上手にできることを認められたいと思い、難しい問題や新しい挑戦を避けるようになってしまいます。さらに、何か難しいことに直面したとき「自分に才能がないからだ。努力してもうまくできるようにならない」と考えるようにもなるのです。

また、「すごい！」「やったね！」というような、漠然と何がすごいかわからないようなほめ方も、ときに子どもを不安がらせてしまうこともあるので注意が必要です。

努力したプロセスと性格的な強みをほめよう

子どもが自分の力を信じて、これからもどんどん自分は成長できるんだ、と思う「成長マインドセット」を育てるためには、努力やがんばってきた過程に注目して、努力、スキル、方法、向上したことをほめることが大切です。

また、「何が役に立った？」「いちばん難しかったことは何だった？」など、がんばった過程でうまくいったことや難しかったことを聞いてみることで、子ども自身にも結果ではなく物事の過程について考えるきっかけをつくることができます。
　
成長マインドセットを育てるコツは、結果ではなく、その結果を生んだプロセスに注目することです。すると、子どもは自分がどのようなことをすればうまくいくかを理解できるため、物事を前向きに見られて、レジリエンス（逆境や困難に負けない力）も育っていくのです。
　
過程をほめることに加えて、その過程で発揮した、性格的な強みも伝えてあげるとより理想的です。「粘り強くがんばったね」「よく思いついたね！　とてもクリエイティブ！」といった声かけもプラスしてあげれば、行動と性格の両方を認めることができます。

子どもはプロセスをほめられることで「努力の大事さ」を、性格的な強みを指摘されることで「ありのままの自分らしさ」を、自らのうちに育てていけることにつながります。

逆境に負けない力を育てる『子どもの心を強くする すごい声かけ』

『子どもの心を強くする すごい声かけ』1,540円（主婦の友社）
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