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離乳食を始めると腸内環境が変化するため、下痢や便秘になりやすくなる赤ちゃんは多いもの。実はこのタイミングこそ「腸活」の始めどき。栄養コンサルタントの細川モモさんに、赤ちゃん時代から「腸活」することの大切さや、やっておくべきことについて詳しく聞きました。腸活食材を使った離乳食レシピもご紹介します。
離乳食を始めて、固形物を食べるようになると、腸内環境が変化していきます。このタイミングで、下痢や便秘になる赤ちゃんは多いです。うんちの形状やにおいも、劇的に変わっていきますよね。
実は生まれてすぐは、腸内細菌のうち9割が善玉菌(ビフィズス菌)なんです。ところが、離乳食開始とともに善玉菌はみるみる減り、悪玉菌がふえてしまいます。善玉菌・悪玉菌・日和見菌の腸内細菌バランスは、およそ3歳までに固定するといわれているので、3歳までの腸活はとっても大事。
ラブテリの調査※では、毎日排便がある母子が多く摂取していた食材は、「かぼちゃ」「にんじん」「きのこ」「かんきつ類」の4種でした。これらに共通するのは、食物繊維が豊富なこと。
根菜類、野菜に多い「不溶性食物繊維」と、果物に多い「水溶性食物繊維」がバランスよくとれています。コロコロのかたい便には、便に水分を含ませてやわらかくする水溶性食物繊維をとることが大切です。
便秘になると、おなかにガスがたまって食欲がなくなったり、元気がなくなることも。悪化させないように食事を改善して「いいうんち」を目指しましょう。
※ラブテリ「こどもすくよか白書」(0~3歳児の保護者797世帯、2021年)排便が母子ともに「毎日」と、母子どちらか(または両方)で「2~3日に1回以下」と回答したケースを比較。
トータルの食事量が少ないと、便の材料(食物繊維)も減ってしまうので、適量を食べることが基本です。日中の授乳が減る1歳以降は、小食な子は特に、おやつにいもやバナナ、ヨーグルトなどの腸活食材を与えることを意識してみましょう。
離乳食期は、食事の回数が増えると同時に母乳・ミルクが減り、水分不足になりやすいです。食事やおやつ、お散歩、入浴後などに水分を飲ませるほか、食事でもみそ汁やスープ、きゅうり、トマトなどの野菜をとり入れて水分補給してみて。
便に油膜を張ってつるんと出しやすくすることも、快便のポイント。生後5~6ヶ月頃(離乳食初期・ゴックン期)から魚や卵黄で良質な脂がとれます。また、果物は便をやわらかくする「水溶性食物繊維」を含みます。りんご、オレンジ、いちご、キウイ、バナナなどの果物を朝食やおやつに!
腸内には膨大な数の腸内細菌がすんでいて、健康状態に影響しています。便秘を解消して善玉菌をふやすには、菌を含むヨーグルトや納豆をとること(プロバイオティクス)、菌のエサになる食物繊維をとること(プレバイオティクス)が大事。
〈材料〉作りやすい分量
かぼちゃ・・・50g
オレンジ・・・1/4~1/2個
〈作り方〉
1 かぼちゃは皮と種を除き、一口大に切る。
2 鍋に①とかぶるくらいの水を入れて火にかけ、やわらかくなるまでゆでる。熱いうちになめらかにすりつぶす。
3 オレンジは果汁をしぼり、②に加えながら、ぽってり~さらさらの好みのかたさにする。
POINT
水溶性食物繊維がとれる柑橘類は、甘ずっぱさを生かしてポタージュや、肉・魚のソースにもぴったり。
〈材料〉2回分
にんじん・・・25g(中1/6本)
無調整豆乳・・50ml
ごはん・・・70g
だし・・・150ml
〈作り方〉
1 にんじんは皮をむき、すりおろす。
2 鍋にごはん、①、だしを入れて熱し、煮立ったら弱火にし、ふたをして15分ほど煮る。豆乳を加え、さらに5分ほど煮る(途中、水分が少なくなったら水を足す)。
POINT
にんじんは食物繊維と、皮膚や粘膜を強くするβ-カロテンも豊富!豆乳で便のすべりをよくする脂質がとれます。
〈材料〉赤ちゃん1回+大人1回分
塩麹、しょうゆ・・・各小さじ1/4
玉ねぎ・・・40g(中1/4個)
にんじん・・・20g(中1/8個)
鶏胸肉・・・30g
ブロッコリー・・・15g
しいたけ・・・20g(1個)
溶き卵・・・1/2個分
水・・・300ml
〈作り方〉
1 鶏肉、玉ねぎ、にんじん、しいたけは1cm角に切る。ブロッコリーは小さくほぐす。
2 鍋に水、①を入れて熱し、15分ほど煮る。溶き卵を回し入れ、さらに5分ほど煮る。
3 塩麹、しょうゆで味つけし、赤ちゃんに1/3量、大人に残りを盛る。
POINT
根菜を食べるには、やわらかく煮るスープがいちばん!塩麹に含まれるオリゴ糖は善玉菌のエサになります。
〈材料〉直径8cmのカップ4個分
プレーンヨーグルト・・・50g
バナナ・・・1/2本
にんじん・・・35g(中1/5本)
A
米粉・・・50g
ベーキングパウダー・・・3g
てんさい糖・・・大さじ1
〈作り方〉
1 にんじんは皮をむき、すりおろす。Aは混ぜ合わせる。フライパンに深さ2cm程度の水を入れ、沸騰させる。
2 ポリ袋またはボウルにバナナ、おろしにんじん、ヨーグルトを入れ、よくもんでつぶし混ぜる。てんさい糖を加え、さらに混ぜる。
3 ②にAを加え、よく混ぜる。
4 シリコンカップ4つに生地を分け入れ、湯を沸かしたフライパンに並べ、ふたをして約15分蒸す。
POINT
発酵食品+食物繊維が豊富な蒸しパンで便秘を解消。パン好きな子には、米粉でお米を食べてもらうのもアリ。
●余った分は保存容器に入れるかラップで包み、冷蔵で1日、冷凍で1週間保存可能。必ず再加熱してから与えてください。
●てんさい糖は、きび砂糖やオリゴ糖でも代用可。
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栄養のプロ・細川モモさんが伝授する「離乳食」メソッドが満載!ぜひチェックしてみてくださいね。
スタイリング・調理/ダンノマリコ レシピ制作/伊藤ちさき、山田綾香(ともにラブテリ トーキョー&ニューヨーク)文/水口麻子 撮影/佐山裕子 『Baby-mo(ベビモ)2022年秋冬号』の内容をウェブ掲載のため再編集しています。※情報は掲載時のものです