鮮やかな色とやさしい甘さがあるにんじんは、赤ちゃんが食べやすい野菜。栄養価も高く、調理もしやすいので離乳食初期から完了期まで大活躍します。ここでは、にんじんの甘みを損なわずにおいしく調理するコツや保存方法、月齢別のおすすめレシピを紹介します。
離乳食に使うにんじんはいつから食べさせていいの?
トロトロ状に調理しやすいので、生後5~6ヶ月頃(離乳食初期・ゴックン期)からフル活用できます。
やわらかく加熱してから、裏ごししたり、すろおろしたりしましょう。すりおろしてからゆでると、舌ざわりが悪くなってしまいます。
離乳食に使うにんじんの選び方は?
赤みが強く、ハリがあり、葉がいきいきとしたものを選びましょう。赤みが強いほどカロテンも豊富です。
にんじんに含まれる栄養素は?
カロテンの名は「キャロット」に由来するといわれ、皮膚や粘膜を強くし、免疫力を高めるβ-カロテンがとりわけ豊富。
油脂で調理すると、カロテンの吸収率もアップします。整腸作用があるので、下痢や便秘のときにもおすすめ。
離乳食で使うにんじんの量と形状は?
生後5~6ヶ月頃(離乳食初期・ゴックン期)
やわらかく加熱して裏ごしするか、すりおろし、とろみをつける。
生後7~8ヶ月頃(離乳食中期・モグモグ期)
やわらかく加熱して薄切りにし、細かくつぶす。または、細かく刻む。
生後9~11ヶ月頃(離乳食後期・カミカミ期)
指で軽く力を入れてつぶせるかたさに加熱し、5㎜角に切る。
1歳~1歳6ヶ月頃(離乳食完了期・パクパク期)
指で軽く力を入れてつぶせるかたさに加熱し、1㎝角に切る。
離乳食で使うにんじんの調理のポイントは?
1 かたまりでゆでて甘みを引き出す
栄養とうまみをキープするコツは、かたまりでゆでること。3等分くらいに切り、水からじっくり、30分ほどかけてやわらかくゆでます。ゆでておけば、すりおろしたり刻んだりもラク。
2 ゆでてからすりおろすと食べやすくなる
にんじんは生のまますりおろすと、しっかり火を通してもツブツブした感じが残り、赤ちゃんが嫌がることも。やわらかくゆでてからすりおろすと、なめらかな舌ざわりになります。
3 薄切りではなく、5㎜以上の厚さでゆでる
薄切りにしてゆでると、にんじんのまわりに膜ができて、かえって火が通りにくくなります。急ぐときでも、5㎜以上の厚さの輪切り(写真右・参照)にするほうが、早くやわらかくなります。
4 電子レンジで加熱する場合は水を足す
電子レンジで加熱するときは、水を足し、長めに加熱することで、指でつぶせるくらいやわらかくなります。にんじんの輪切り3枚(50g)に水大さじ3を加え、2分加熱が目安。
離乳食で使うにんじんの冷凍保存法は?
生後5~6ヶ月頃(離乳食初期・ゴックン期)は小さじ1ずつなど1回量をはかって、製氷皿で冷凍すると使いやすいです
生後7~8ヶ月頃(離乳食中期・モグモグ期)以降は、ラップで包む(写真上)、またはシリコンカップや小分け容器を利用(写真下)します。
【先輩ママ発!にんじんの冷凍保存テク】●ラップで包んで小分け冷凍しておけば、包丁いらずでつぶせる!
ゆでたにんじんを細かく刻んで冷凍するのは、面倒ですよね。私は棒状に切ったにんじんを1回分ごとラップで包んで、冷凍しておきます。使うときは、解凍してラップの上からめん棒でたたけば、包丁いらずで細かくつぶせるので、断然ラク! (Sママ・10カ月の女の子ママ)
にんじんを使ったおすすめ離乳食レシピ12品
生後5~6ヶ月頃(離乳食初期・ゴックン期)のにんじん離乳食レシピ
●にんじんと大根の2色だし煮〈材料〉
にんじん・・・5g(1.5㎝角1個)
大根・・・5g(1.5㎝角1個)
だし・・・適量
〈作り方〉
1 大根、にんじんはそれぞれ皮をむいて鍋に入れ、かぶるくらいのだしを加え、弱火でやわらかく煮る。
2 大根、にんじんを取り出して裏ごしし、煮汁で固さを調整する。
●にんじんの白あえ〈材料〉
にんじん・・・10g(2㎝角1個)
豆腐・・・20g(2㎝角2個)
〈作り方〉
1 にんじんは皮をむいてやわらかくゆで、裏ごしする(ゆで汁はとっておく)。
2 豆腐は①のゆで汁に入れてさっと火を通し、裏ごしし、①と混ぜ合わせる。
●にんじんバナナ〈材料〉
にんじん・・・10g(2㎝角1個)
バナナ・・・20g(小1/5本)
〈作り方〉
1 にんじんは皮をむいてやわらかくゆで、裏ごしする(ゆで汁はとっておく)。
2 バナナはなめらかにすりつぶし、①を加えて混ぜ、ゆで汁で固さを調節する。
●おろしにんじんの白身魚のせ〈材料〉
にんじん・・・10g(2㎝角1個)
鯛・・・5g(刺し身1/2切れ)
だし・・・適量
〈作り方〉
1 鯛は熱湯でゆで、なめらかにすりつぶし、だしで食べやすくのばす。
2 にんじんは皮をむいてやわらかくゆで、すりつぶす。器に盛り、①をのせる。
生後7~8ヶ月頃(離乳食中期・モグモグ期)のにんじん離乳食レシピ
●おろしにんじんのトロトロおかゆ〈材料〉
にんじん・・・15g(2.5㎝角1個)
しらす干し・・・10g(大さじ2弱)
水・・・1/3カップ
水溶き片栗粉・・・少々
7倍がゆ・・・50g(大さじ3強)
※7倍がゆは米1:水7(ごはん1:水6)で炊いたもの。
〈作り方〉
1 にんじんは皮をむき、すりおろす。しらす干しは熱湯1/2カップ(分量外)に5分ほどつけて湯をきり、細かく刻む。
2 鍋に①、水を入れて弱火にかけ、煮立ったら1分ほど煮て、水溶き片栗粉でとろみをつける。
3 器に7倍がゆを盛り、②をのせる。
●にんじんのカッテージチーズあえ〈材料〉
にんじん・・・20g(2㎝角2個)
カッテージチーズ・・・小さじ4
〈作り方〉
1 にんじんは皮をむいてやわらかくゆで、すりおろす。
2 ①とカッテージチーズを混ぜ合わせる。
生後9~11ヶ月頃(離乳食後期・カミカミ期)のにんじん離乳食レシピ
●にんじんとバナナのサラダ〈材料〉
にんじん・・・20g(2㎝角2個)
バナナ・・・小1/3本
きゅうり・・・10g(中1/10本)
プレーンヨーグルト・・・小さじ2
〈作り方〉
1 にんじんは皮をむいてやわらかくゆで、バナナとともに7㎜角に切り、ヨーグルトであえて器に盛る。
2 きゅうりはすりおろし、軽く水気を切って①にのせる。
●キャロットフレンチトースト〈材料〉
にんじん・・・40g(中1/4本)
A
溶き卵・・・1/6個分
牛乳・・・35ml
食パン・・・25g(8枚切り1/2枚)
バター・・・3g
〈作り方〉
1 にんじんは皮をむいてやわらかくゆで、すりおろし、Aと混ぜ合わせる。
2 ①に食パンをひたし、バターを溶かしたフライパンで弱火で両面をしっかりと焼き、食べやすく切る。
●にんじん入り卵焼き〈材料〉
にんじん・・・30g(中1/5本)
溶き卵・・・1/2個分
植物油・・・少々
〈作り方〉
1 にんじんは皮をむいてすりおろし、卵に加えて混ぜる。
2 フライパンに油を中火で熱し、①を流し入れる。
3 火が通るまで両面をしっかりと焼き、食べやすく切る。
●にんじんと青のりの落とし焼き〈材料〉
にんじん・・・30g(中1/5本)
A
小麦粉・・・大さじ4
青のり・・・小さじ1/3
水・・・大さじ1弱
オリーブ油・・・少々
〈作り方〉
1 にんじんは皮をむき、すりおろす。
2 ボウルに①、Aを入れて混ぜ合わせる。
3 フライパンにオリーブ油を中火で熱し、②をスプーンでひと口大に落とし入れ、両面をこんがりと焼く。
生後1歳~1歳6ヶ月頃(離乳食完了期・パクパク期)のにんじん離乳食レシピ
●にんじんとブロッコリーの甘煮〈材料〉
にんじん・・・20g(2㎝角2個)
ブロッコリー・・・10g(小房1個)
水・・・適量
バター・・・3g
砂糖・・・1つまみ
〈作り方〉
1 にんじんは皮をむき、7㎜角に切る。ブロッコリーは1㎝大くらいに刻む。
2 鍋ににんじんを入れ、かぶるくらいの水、バター、砂糖を加え、弱火にかける。2分ほど煮てブロッコリーを加え、やわらかくなるまで煮る。
●にんじんと鶏肉のうま煮〈材料〉
にんじん・・・20g(2㎝角2個)
鶏もも肉・・・15g
水・・・1/2カップ
〈作り方〉
1 にんじんは皮をむいてピーラーで薄くそぎ、粗く刻む。鶏もも肉は皮と脂肪をとり、1㎝角に切る。
2 鍋に①、水を入れて弱火にかけ、にんじんがやわらかくなるまで煮る。
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季節を問わず手に入るうえに、栄養も豊富なにんじんは、離乳食に大活躍する食材です。ただし、調理の仕方によっては舌触りが悪くなってしまったり、甘味が引き出せず赤ちゃんが嫌がってしまいます。
おいしく食べてもらうためには、しっかり加熱をし、やわらかくしてからつぶしたり、すったりすることがポイント。冷凍保存も活用して、上手に取り入れましょう。
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離乳食で果物をあげるのはいつから?生のままでOK?固さや量の形状と冷凍保存の方法も●電子レンジは表記がないものはすべて600Wを使用しています。500Wの場合は加熱時間を1.2倍してください。●小さじ1は5㎖、大さじ1は15㎖、1カップは200㎖です。●材料は特に表記のない場合、赤ちゃん1回分です。●材料の分量は、皮や種を除いた可食部の重さをあらわしています。