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離乳食の時期は、子どもが食とどう向き合って行くのか、その土台を築くとき。また、その子にとって一生の食のスタート地点でもあります。5歳・2歳のお子さんのママであり、予防医療・栄養コンサルタントの細川モモさんに、家庭での食卓や離乳食で心がけていることを伺いました。
食事は、ただおなかを満たすだけのものではありません。「ごはんがおいしい」というシンプルな喜びで、大人もストレスが一気に緩和しますよね。食べることが好きな人は、ストレス耐性が強く、人生の幸福度も高いです。
食事に関心がなくて、市販の冷えたお弁当を食べ続けられる人もいれば、「炊きたてのごはんとみそ汁が幸せ」という人もいます。私は、子どもが大人になったとき、後者であってほしい。
2歳の娘はコロナ禍に生まれ、今後も決して明るくはないだろう時代を生きていくかもしれない。だから、1日3回の食事が無機質なものではなく、「おいしいな、幸せだな」と生きる活力にしていける子に育てることが、親としての目標です。
私は単純に言って、ものすごく食いしん坊。子どもが大きくなったら、全国グルメ旅をしたい(笑)。子どもたちと、「これ、おいしいね!」と食べ歩く姿がありありと思い浮かんだりするので、絶対に食事を楽しめる子に育てたいと思っています。
食事は健康の条件ですが、忙しいと優先順位が下がります。「うちの食卓はおいしくて楽しい」という共通のビジョンを家族で築いていないと、市販の総菜でいいや、無言でいいや、となってしまう。
夫にも「真顔で黙って食べるのはやめろ~」と伝え、トークネタのサイコロを振り、今日の楽しかったことを交代で話したりもします。
「なんで、そこまでがんばるの?」と聞かれたら、食卓が子どもにもたらすポジティブな影響を理解してもらいましょう。
家族で一緒に食卓を囲むことは、子どもにとっては大きな喜びだし、大人が考えている以上に、100倍くらい意味があることです。
お母さん、お父さんと楽しく食べると、唾液の分泌が活発になり、栄養吸収がよくなります。初めて食べるものに「安全だよ、おいしいよ」というリアクションを親がしてあげれば、安全学習により偏食対策になります。
「いただきます」「ごちそうさま」「もったいない」といった、食べ物に対する感謝や思いやりも、食卓で育ちます。
一家団欒の食卓経験は、子どもの非行と相関があることは研究で明らかにされており、少なくとも週に3~5回以上は家族で食卓を囲むことが、子どもの心を育むために推奨されています。
また、別々の場所で食べるお弁当も、費やした時間や栄養バランスを子どもは理解しており、親への親密さや尊敬、憧れにつながることがわかっています。かけた手間はきちんと子どもに愛情として伝わっているんです。
生後数カ月の赤ちゃんからしたら、差し出されたものが食べ物かどうかも、見極めるのはむずかしい。大人が目の前でおいしそうに食べているのを見て、「これはとてもいいことなんだな!」と思えるんです。
赤ちゃんは見て学ぶ、見てまねする生き物だから、大人の口の動かし方、かみ方、手の動かし方などをじ~っと見て学んでいるんですよね。
コロナ禍では、保育園でも保育士さんはマスクをしているから、お母さん、お父さんしかお手本がいないんです。
わが家では、大人の食事のときは、ベビーベッドをダイニングテーブルにくっつけて隣で遊ばせていました。赤ちゃんも家族の一員だから、食卓の仲間に入れてあげてくださいね。
文/水口麻子 『Baby-mo(ベビモ)2022年秋冬号』の内容をウェブ掲載のため再編集しています。※情報は掲載時のものです