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子どもの頃は誰しもが「万能感」に満ちています。公園で遊びを発明してみたり、やぶの中にも臆することなくどんどん分け入っていったり。けれど、大人になるにつれて、自分ができることに限界があるんじゃないかと、否定的な方向に意識がいきがちですよね。
でも、いまはテクノロジーの力もあって、世界中どんな場所にいても、どんな場面でもオンラインでつながることができるようになりましたよね。誰もが情報にアクセスできる時代になり、誰もが「言葉」を発信できるようになったことは、本当にすごいことだと思います。
ブログや写真、絵、アニメーションだったり、それらをプログラミングで表現する人もいれば、アプリを作り出すエンジニアがいたり。ありとあらゆる方法で、発信しています。
もちろん、テクノロジーなんかなくたって、人間やいのちは創造性の塊です!生きているだけで息を吸い、何かを感じ、誰かに何かを届けている。双方向の技術がそれをより多様に表現しやすくしただけ。
未来や社会、あるいは学問に、自分がつながることができるという感覚は、やっぱり大事だと思うんです。それは大人だけじゃなく、子どもも同じ。全員が、爆発的な才能を秘めているんです。
この「創り出す(形にする)」力がこそ、本来誰もが持っていた爆発的な創造性を、わかりやすく形にすることができる方法のひとつだと思います。
ただ一方で、利便性を求められていた20世紀とは違い、21世紀では「快適とは何か」「健康とはなにか」「気持ちや幸せとは何か」といった、ウェルビーイングを実現するための「問いを立てる」力に注目が集まってきています。
これからを生きる人たちには「創り出す(形にする)」力と「問いを立てる」力の両方が大事で、しかも正解は一つではなく、一人一人に違った答えが必要とされています。
例えば、目が見えない方には、見えないからこその世界があるわけだし、物事をゆっくりこなす人には、その人に合ったやり方があるわけですよね。
どんな人でも、自分自身の人生の中で「わくわくする」「生きていて楽しい」「喜びがある」と感じられることが求められているのです。
後半へ続く⇒⇒⇒【0歳からのSTEAM教育】子どもの「好き」を最大限に伸ばすために親が知っておきたいこと
中島さち子●音楽家・数学研究者・STEAM教育者。株式会社steAm代表取締役、大阪・関西万博テーマ事業プロデューサー、内閣府STEM Girls Ambassador、東京理科大学数学体験館副館長。国際数学オリンピック金メダリスト。音楽数学教育と共にアート&テクノロジーの研究も進める。https://steam21.com/