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離乳食の開始とともに、気になるのが「食物アレルギー」のこと。「湿疹が出ている場合、離乳食を遅らせた方がいいの?」というお悩みに、管理栄養士の上田玲子先生がお答えします。
食物アレルギーが「なんとなくこわいから」と離乳食のスタートを遅らせ、必要のない食品の除去をしたり、生後5~6ヶ月の開始時期を逃してしまうケースが増えています。
食物アレルギー症状が出るかどうかは、実際に離乳食を進めてみなければわかりません。湿疹や皮膚炎などの症状が出ていて「食物アレルギーかも?」とママやパパが思うのであれば、自己判断では遅らせずに、早めに受診して皮膚症状のケアをしましょう。
人間が生きていくために食べ物は必要不可欠ですが、ときに体が「異物」と判断し、追い出そうとして過剰な反応を起こしてしまう、それが食物アレルギーです。
乳幼児の場合、アレルギー反応を起こす食品として最も多いのは「卵」「牛乳・乳製品」「小麦粉」の3つ。どれも成長に欠かせないタンパク質をたくさん含んだ優良食品ですが、このタンパク質が原因となって、アレルギー反応が引き起こされます。
食べ物が体に入ってから数分~数十分でなんらかの症状が出るのを「即時型」といい、一番多いのはかゆみ、むくみ、じんましんなどの皮膚症状。ほかにも下痢や嘔吐などの消化器症状、せき、鼻水などの呼吸器症状があり、複数起こることもあります。
さまざまな検査の結果、ある一定の食物にアレルギーが見つかった場合でも落ち込まないでください。なぜなら、赤ちゃん時代の食物アレルギーのほとんどは、成長とともに改善します。実際、卵・牛乳・小麦にアレルギーがあるという子も、その8~9割は小学校に入るまでに自然に治っていきます。
その秘密は消化機能の発達。赤ちゃん時代は、特にタンパク質の分子は大きいままで体に吸収され、異物と判断されるわけですが、成長につれてタンパク質の分解能力はアップしていきます。
医師の診断で離乳食から卵や牛乳を除去する場合、手間はかかりますが、多くは1歳半頃から少しずつ食べられるようになります。気負いすぎず、じょうずにつきあうことが大切です。
湿疹など皮膚症状が出ていれば、まずそのケアを行うのが原則。ていねいなスキンケアで皮膚症状がおさまらなければ、食物アレルギーを考えて検査をスタートします。
食物アレルギーの検査には、主に皮膚テストと血液検査があります。ただし、検査では「偽陽性」が出やすいので、あくまでも「参考」にし、検査結果だけで食物制限を始めてはいけません。
アレルゲンの疑いがある食品が出てきたら、正しく診断するために行うのが、除去テストと負荷テスト。除去テストで症状が軽くなれば、その食品がアレルゲンである可能性が高まり、さらに負荷テストで症状が悪化したら、そこでアレルゲンを特定します。定期的に医師の診断を受け、相談しながら、「除去離乳食」を進めます。
【診断までの流れ】
皮膚テストと血液検査
アレルゲンの疑いがある食品のエキスを皮膚につけて反応を見る、アレルギーの原因となる抗体が血液中にどれくらいあるか調べる、など。
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食物除去試験
アレルゲンの疑いがある食品を1~2週間食べさせません。例えば卵なら、卵が入った料理、食品、菓子類など、すべて除去します。
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食物負荷試験
除去試験で症状が軽くなった場合に行います。中止前の量を毎日食べさせてみて、症状の出方などを見ます。その後、確定診断へ。
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『はじめてママ&パパの離乳食』の内容をウェブ掲載のため再編集しています。※情報は掲載時のものです