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2021.08.19

妊娠生活

【産婦人科医監修】妊娠初期に胎嚢が小さい場合、原因は?

妊娠初期の超音波検査で「胎嚢(たいのう)が小さいですね」と医師から言われたら、赤ちゃんが無事に育つかどうか心配になりますね。胎嚢はどのように大きくなっていくのでしょう。また、胎嚢が小さい場合はどのような原因が考えられるのでしょうか。

胎嚢とは

赤ちゃんを包む袋のことを胎嚢(たいのう)といいます。

尿検査で妊娠反応が陽性になるのは妊娠4週ごろからですが、このころの赤ちゃんはとても小さく、超音波検査でも確認できないほどの小さな存在です。ですから、胎嚢(GS)が超音波検査で見えるかどうかは、正常な妊娠かどうかを判断する最初のステップといえます。超音波画像では、液体は黒く、個体は白く映るので、羊水が入っている胎嚢は、黒い円形や楕円形に見えます。

胎嚢が成長する時期はいつ?

妊娠4週になると、超音波検査で子宮の内膜が厚くなっていることがわかるようになります。このころ、胎嚢が確認できるのはまだ少数で、多くの妊婦さんで確認できるのは、妊娠5週以降です。妊娠5週ごろの胎嚢の大きさは、直径約1cm。また、胎嚢の中に卵黄嚢(らんおうのう)というリングのような組織も確認できるようになります。赤ちゃんは卵黄嚢から栄養を受け取って成長していきます。

胎嚢は1日に1mmほど大きくなり、その大きさは、「妊娠週数-4」という関係式が目安になります。妊娠6週であれば「6-4=2」ですから、胎嚢の大きさは約2cmということです。

妊娠6週ごろから、胎嚢の中に赤ちゃんの姿が見えるようになります。妊娠8週未満の赤ちゃんのことを胎芽(たいが)といいますが、6週の終わりには、ほぼ全例で胎芽が確認できるようになります。

妊娠7週になると、胎嚢の大きさは約3cmになり、赤ちゃんの心拍も確認できるようになります。また、このころ胎芽の頭殿長(とうでんちょう・赤ちゃんの頭からおしりまでの長さ)を測ることができるようになります。妊娠9~10週ごろの頭殿長はもっとも誤差が少ないため、この間に妊娠週数の修正が行われます。

胎嚢が小さい原因は?

妊娠週数に比べて胎嚢が小さい原因はいくつか考えられますが、最も重要なのは「正確な妊娠週数」であるかどうかです。

月経周期と排卵日

一般的な基準としては、妊娠期間は満280日で、妊娠週数は40週とします。これは、世界保健機関(WHO)が「妊娠の正常持続日数は280日で、28日間が1ヶ月、7日間が1週」と定めていることからです。

妊娠週数は、最後に来た月経の初日を基準(妊娠0週0日)に数え始めます。排卵日は最終月経の開始日から約14日後で、妊娠2週0日になります。

ところが、月経周期が28日ではない場合は、妊娠週数にずれが生じてしまいます。たとえば、月経周期が35日の人は、当然28日周期の人よりも排卵の時期が遅くなり、単純に計算しただけでも1週間妊娠の進み方が遅くなってしまうのです。

さらに、月経周期が不順だった場合も、実際の妊娠週数と合わないことがあります。また、これまで月経周期が規則的だった人も、今回に限って早まったり、遅くなったりすることも考えられます。

妊娠週数が正確でなければ、週数と胎嚢の大きさが相応しないことになります。妊娠週数が実際よりも足りない場合、胎嚢が小さいのは当然のことです。

計測による誤差

超音波検査では、カーソルのずらし方など微妙な操作で測定値が変わります。また、胎嚢はまん丸ではなく楕円形をしていることが多いので、計測のしかたによる誤差も出てしまいます。ですから、必ずしも胎嚢の大きさを正確に測定できるわけではありません。本来は、妊娠週数に相応した大きさなのに、小さく測定されてしまうこともあり得るのです。

記事を読む⇒⇒⇒妊娠検査薬で陽性反応でも生理に!妊娠は間違い?陰性に変わることも?

胎嚢が小さいと流産になる?

「胎嚢が小さい」と医師から言われると、「もしかしたら流産?」と心配になりますね。

妊娠週数が正確で胎嚢が小さい場合は、流産の可能性があるので注意が必要です。流産の確率は医療機関で確認された妊娠の約15%といわれ、そのうちの9割以上が、妊娠12週までの初期に起こっています。

しかし、月経周期や排卵日には個人差があることや、超音波検査での誤差があることから、1回の超音波検査で流産になるかどうかを判断することはありません。一定の期間をおいて再度超音波検査を行い、胎嚢の成長具合や胎児心拍の状態をチェックしていきます。初めての超音波検査では小さかった胎嚢が、1週間後の検査では成長していることもよくあります。胎嚢が小さいことが必ずしも流産に結びつくわけではないので、あまり心配せずに経過を見守りましょう。

「胎嚢が小さい」と言われた先輩ママの体験談

胎嚢が小さいと言われ、流産に。その後は無事に妊娠
1回目の妊娠のとき、「胎嚢が小さく、成長していない」と先生から言われました。ネットで検索したものの、出てくる記事はよくないことばかり。結果は、妊娠7週で流産してしまいました。でも、その2ヶ月後に生理が来て、さらに2ヶ月後に妊娠。胎嚢確認、心拍確認と妊娠経過は順調で、今は幸せです。

胎嚢が大きくなって欲しいと願っていました
初めての妊娠でしたが、「妊娠週数のわりには胎嚢が小さいし、胎嚢の形も通常とは少し異なる」と先生から言われ、ネットで検索して同じ状況の方の体験談を読みあさりました。なんとか妊娠の継続をと願っていましたが、妊娠8週で流産となり、手術を受けたところ胞状奇胎(ほうじょうきたい)と診断されました。その後、胞状奇胎が完治し、2度目の妊娠で胎嚢が確認できたときは、すごくうれしい気持ちと不安な気持ちの両方があり、このまま胎嚢が大きくなって欲しいと願っていました。
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【監修】 粒来 拓 よしかた産婦人科分院 綱島女性クリニック院長

2007年浜松医科大学医学部卒業。横浜市大産婦人科勤務後、2018年より現職。横浜市大センター病院女性ヘルスケア外来担当医兼任。妊娠中から産後まで、妊婦さんのさまざまな悩みに応えるドクターです。

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