妊娠中からできるエクササイズを紹介してきた本連載。今回から【産後編】に突入です。「産後は骨盤がバラバラになっていると言ってもいいくらいの状態です」という一瞬ドキリとする言葉も出てきますが、無理なく産後の体を回復させるためのストレッチを紹介します。
※本連載の「おしり筋トレ」は、産後の体調に合わせて行うようにしてください。医師や助産師からの指導に従ったうえで、疲れすぎない範囲でトライしてみましょう。
産後は骨盤がバラバラ!?産後ケアはリハビリそのもの
産後すぐの間は、数時間おきの授乳やおむつ替え、夜間授乳などに追われます。体が回復していないうちの生活面の変化に心と体が追いつかないことも。
その大変さを乗り切るために必要なのは、やっぱり体力です。産後ケアは、事故などのあとの<リハビリ>ととてもよく似ています。なぜなら、産後は骨盤がバラバラになっていると言ってもいいくらいの状態だから、なのです。
骨盤がバラバラになっている…といっても、見た目にはわかりません。骨盤は、腸骨(ちょうこつ)、恥骨(ちこつ)、坐骨(ざこつ)が癒合してできた大きな2枚の寛骨、その真ん中にある仙骨、そしてその先にある尾骨が組み合わさってできています。この結合が最大限にゆるむのが出産です。
骨をつないでいるのは靭帯。人生において、ここまで動くことがないほどまで靭帯が伸縮するのが出産です。特に、恥骨結合部や仙腸関節の靭帯、筋肉がめいいっぱい伸びきってしまうのです。それはまるで、交通事故に遭ったのと同じくらいの衝撃です。
そんな伸びきってしまった靭帯を元に戻し、骨盤をはじめとする骨格を正しい位置に修復していくのが、本当の産後ケアです。
産後ケアは、お産の翌日からできることがたくさんあります。正しいケアをすることで、その後の回復スピードが変わります。
<床上げ3週>と言われますが、その間とにかく安静にして寝ているだけ…では筋力は回復していきません。産後2日目から、筋力レベルにあった動きを徐々に初めて、体を動かしてあげることが早い回復につながります。