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2022.10.14

育脳・知育

【赤ちゃん時代の脳育て】「好き」を見つけて才能を伸ばすにはどうしたら?|ハーバード大卒のバイオリニスト・廣津留すみれさんの母・真理さんインタビュー

大分県の小・中・高校から塾に通うことなく、アメリカのハーバード大学に現役合格。首席で卒業後に進んだ、名門・ジュリアード音楽院も首席で卒業したというバイオリニストの廣津留すみれさん。

そんな”才能のかたまり”を育てた母として、いまメディアにひっぱりだこなのが廣津留真理さんです。子どもを伸ばすために何より大切なのは「家庭教育」だと言う真理さんに、親として子どもにどう接するべきか、気をつけるべきポイントは何か…などについてお聞きしました。

記事を読む⇒⇒⇒ひろつる式“おうちでバイリンガル”の育て方とは?

子どもの特質をよく見ることが重要

編集部 まず娘のすみれさんの幼少期の生活について、お聞かせください。食事は、どのような工夫をされましたか。

廣津留 うちの娘は、なぜかわかりませんが、小さいころから魚は食べるけれど肉は食べない。いまでいう「ペスカタリアン」なんですね。離乳食のときはペースト状だったので、少しは肉も食べていたと思いますが、離乳食後は全く食べていません。私と夫はなんでも食べるので、夫婦用と娘用、2種のごはんを用意していました。仕事で夕食に間に合わないときは、「パパ」「すみれ」とタッパーにふせんを貼って、冷蔵庫に入れておきました。

編集部 すみれさんに肉を食べさせたいと思いませんでしたか?

廣津留 それはないですね。ニューヨーク在住の友人の子は、肉しか食べないんですよ。あるとき、その親子といっしょに食事をしたんです。私が「野菜は食べないの?」と聞いたら、お母さんが制して「本人が好きなものを食べているんだから、大人がいちいち言わなくてもいいんだ」って。なるほど!と思ったんです。食事ひとつとっても、子どもと親って全然違う。わが子といっても「他人」ということを、0歳から理解しておかないと、不要な押しつけをしてしまうことになるんだと感じました。味覚やにおいへの反応、消化機能など、本人の身体的な特性もあるので、親はよく感じとるといいのでしょうね。

編集部 子どもの特質をよく見ることですね。

廣津留 動物的な感じでやるといいですね。そこから、なぜ人によって食べるものが違うのかな、ベジタリアンってなんだろう、と子ども自身が考えていくので、いろいろな人を理解することにつながります。それに子どもは成長すると、変化する可能性もあります。肉しか食べない人も野菜を食べるかもしれないし、肉を食べない人も食べるようになるかもしれない。うちの娘は、豚肉と牛肉は全く食べませんが、大分名物のとり天を食べているのを見たことがあります。とり天は食べるんだなと(笑)。だから親は長期目線で見たらいいかと思います。

子どもにはプラス1で負荷をかけること

編集部 すみれさんが小さいころは、どんなふうに遊んでいましたか?

廣津留 ひたすら散歩ですね。娘は、早い時期からはいはいしたので、足腰が強いなと思って。歩き始めてからすぐに、散歩を日課にしたら、ものすごく体力がつきました。バイオリンは同じ姿勢で演奏するし、音楽家は旅しながら演奏するので、1歳ぐらいから準備しておいてよかったと思います。

編集部 
散歩ですか!歩くだけですか?

廣津留
 私は「子どもの能力プラス1でやらせたい」と思っていたので、ただ歩くだけでなく、坂を探して登ったり下りたりして。急な坂から転がり落ちたことも(笑)。また、私は温泉が好きなので、温泉まで歩いていったり、クリスマスリースをつくるために山に入って、松ぼっくりやどんぐり、枯れ草を持ち帰ったり。娘はすごく楽しそうでしたよ。

編集部 赤ちゃん、子どもの能力プラス1が大切なんですね。

廣津留 「現状維持は後退だ」というのが、私の人生のテーマなんですよ。同じことをしていたら、時代のほうが先にいってしまうから、子育ても現状にプラス1をコツコツ積み重ねていくと、いいゴールが見えてくると思うんです。プラス10にすると、なかなか達成できなくて、親も子も互いに不幸になるので「1」というのがポイントですね。

編集部 1ぐらいなら、0歳、1歳児もついていけそうですね。

廣津留
 そうです。1を何回もやっていたら、いつの間にか10になっている。だから習い事の先生も変えどきがあるんです。うちの娘でいうと、バイオリンの先生に習っていて、あ、プラス1でいけると思ったら、高いレベルを教えられる先生に、シフトしていきました。でも、いきなり10にして、親が子どもに過度に期待すると、その家には不幸が訪れる。これは、うちの英語教室でもあるあるです。最初に期待して、一気にやらせてできないと、なんでできないの?ってやめさせる。魔法のように一瞬にできることなんてありません。長期目線が大切なんです。

2歳で読み聞かせをしてくれるように

編集部 すみれさんは、家の中ではどんな遊びをしていたんですか?

廣津留 バイオリンも英語も全部遊びにして、習い事や勉強の雰囲気を出さないようにしていました。カードに猫の絵を描いて、ひっくり返したら英語で“cat”、漢字で「猫」と書いてある、そういうカードをたくさんつくって家の壁に貼っていましたね。絵本は、英語と日本語半々ぐらいの量で読んでいました。もともと私は、娘が生まれたときに、「この世はありとあらゆる記号でできているから、その記号を解く鍵を教えてあげよう」と思ったんです。記号というのは、言語や音符、絵画、お金もそうですね。そこから転じて、英語や漢字のカードをつくったり、絵本を読み聞かせたりしていたら、2歳で英語の絵本も日本語の絵本も読めるようになって、私に読み聞かせてくれました。

編集部 2歳でお母さんに読み聞かせ!?

廣津留 そうなんです。記号を教えたら、読めるようになりました。親って、子どもだからできないと思いがちだけれど、そんなことはない。読めますよ。

編集部 
バイオリンも2歳で始められたそうですが、きっかけは何だったんですか?

廣津留 
私も夫も音楽好きなので、ピアノは大きいけれど、バイオリンなら体に合わせた大きさのものがあるから2歳でもできるね、って。それでやってみたら、本人がハマりました。バイオリンもプラス1でしていくうちに気づいたんですが、話題のピアニストって8才ぐらいでショパンコンクールで弾く曲が弾ける。複雑だからおもしろいんですよ。8歳でキラキラ星だと、幼稚すぎてつまらない。でも、技術が追いつかないから先の曲に進めない。それでやめてしまうんです。だから親が子どもをその道に進ませたいなら、親は子どもが2~3歳のときに覚悟をもって、本気で先生を探して環境をととのえていくしかない。そうでないなら、体力づくり、趣味と割り切らないと、なんでできないの?もうやめたら?と子どもに怒って、親自身が苦しくなります。子どもが上達しないのは、子どものせいではなくて、親の覚悟の問題です。それは知っておいたほうがいいと思います。

編集部 そういった子どもの得意を親が見つけるには、どうしたらよいのでしょうか?

廣津留 
子どもの好きの芽は、家の中にあるんです。赤ちゃんが最初に見る世界は家ですから、家で親と会話したり、家にある本を読んだり、そこから子どもは好きを見つけます。だから親は日々、自分をアップデートして、いろいろな新しいものをため込んでおかないと。そして親は子どもが選んだものが、その子に合っているかどうか見極めて、少しでもできたらほめまくって、小さい成功体験を与えてあげる。そういうところから得意というのは始まるのでしょうね。

編集部 苦手なことはしなくていいのでしょうか?

廣津留
 私は、子どもに苦手なことをさせるのが全く理解できません。得意なことは伸ばせば100伸ばせるのに、不得意なことは努力しても20ぐらいしか伸びない。やめたほうがいい。すべて平均点をとらせたり、100点を目指したりする意味もわからない。それで成功している人を、私は見たことがありません。特出しているから、みんなが寄ってきたり、ほかの人の役に立っている。世の中は自分以外にできる人がたくさんいて、不得意は助けてもらえるしくみになっている。だから自分は得意を生かして、その得意分野で困っている人を助けるほうがいい。それが社会のためだと思うんです。

イヤイヤ期も「これか!」とエンジョイ

編集部 すみれさんのイヤイヤ期や反抗期には、どう対応されたんですか。

廣津留
 イヤイヤ期はとてもエンジョイしました(笑)。大事な電話をしていたら切るとか、ティッシュを出しまくるとか、大人には謎の行動がいっぱいでおもしろすぎて。思春期は、私がギャグを飛ばしまくっていたので、反抗する雰囲気じゃなかった。でも反抗期がきたら、フムフムって楽しむといいですよ。「1999年 反抗期勃発」って歴史年表のように見たら、客観性がもてていいですよね。

編集部 イヤイヤ期や反抗期も含めて、子育てを楽しんでいらっしゃったんですね。

廣津留 
子どもと密に接することができるのは中学生までです。人生100年時代と考えれば、子育て期は短い。子どもが18歳になって、あのときにこうしておけばよかったと思っても遅いですからね。専門家にするなら、2歳のときに覚悟を決める。趣味にするなら、怒らないと決める。子どもの将来の職業も、親が押しつけず、子どもの意思に任せていくのがいいですよね。子どもに好きなものや得意なものが一つでもあると、いい人生が送れると思います。

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【PROFILE】
ひろつる・まり●オンライン英検合格トップ校「ディリーゴ英語教室」主宰。株式会社Dirigo代表取締役。一般社団法人Summer in JAPAN代表理事。娘・廣津留すみれの家庭学習指導経験から確立した、汎用性のある「ひろつるメソッド」でディリーゴ英語教室を運営、これまでに数万人を指導、英検や難関大学合格に導く。2014年経済産業省「キャリア教育アワード」奨励賞受賞。 早稲田大学卒。

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取材・文/池田純子

『Baby-mo(ベビモ)』の内容をウェブ掲載のため再編集しています。※情報は掲載時のものです

Baby-mo〈ベビモ〉編集部

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