妊娠してから生まれるまでの9ヶ月、ママのお腹はどのように大きくなり、体の中ではどんなドラマが起こっているのでしょう?時期ごとの変化やお腹の赤ちゃんの様子、過ごし方の注意点などを詳しく追っていきます。
この記事でご紹介するのは、妊娠9ヶ月(32~35週)。体はそろそろお産の準備をスタート!赤ちゃんを迎える準備もしっかり進めてください。
動悸、息切れ、胸やけ…など不快症状が起こりがち
大きくなった子宮に胃や心臓、肺が圧迫されて、胸やけや胃もたれが起こりやすく、動悸や息切れもひどくなりがちな時期。また、赤ちゃんの頭に膀胱を押さえつけられるため、頻尿や尿もれなど不快症状があらわれることもあります。
一日に何度かある不規則なお腹の張りは、体がお産に向けて準備を始めている合図。赤ちゃんの頭が骨盤に入ってくることで、足のつけ根や恥骨あたりに痛みを感じることもあります。
妊娠9ヶ月のママの体の変化
●子宮に圧迫されて、食欲が落ちたり、胃もたれがひどくなることが
●動機や息切れが激しくなることも●頻尿や尿もれなどが多くなります
●頻繁にお腹が張ることも
【子宮底長】28~31㎝
【体重増加の目安】妊娠前の体重+6.5~8㎏
妊娠末期は生理的に眠りが浅くなります。仕事をしていた人は、産休に入って不眠がちになることが多いようです。適度に運動し、就寝前にテレビやスマホを見ない、抱き枕を利用するなど、良質な睡眠がとれるように工夫を。
妊娠9ヶ月のお腹の赤ちゃんの成長
皮下脂肪がさらに増え、体は丸みを帯びて、透けていた肌も弾力に富んだピンク色に。全身をおおっていた産毛は薄くなる一方、髪の毛は濃く、手足の爪もしっかり伸びてきます。羊水を飲んで、おしっこを出すこともできるようになります。
外からの刺激や周囲の音に快・不快の感情をあらわすようになり、超音波検査では微笑んでいるような顔が見られることも。頭を動かして骨盤の入り口の位置を探るなど、赤ちゃんも出産に向けて準備を始めています。
●産毛が薄くなり、肌はピンク色に●手足の爪が伸びます●羊水を飲んで尿を出すことができます●快・不快の感情をあらわすことができます
●20分周期で寝たり起きたりします
●頭を動かして骨盤に入る準備をします
【身長】約45㎝
【体重】約2200g
【重さの目安】パイナップル1個
妊娠9ヶ月でしておくことリスト
【マストなこと】☐入院グッズをバッグに準備
➤➤➤【お産入院準備】先輩ママの「あってよかった!」入院グッズと妊婦のバッグの中身を大公開☐産後の手続き(出生届や児童手当など)についてパパと打ち合わせ
☐保育園の見学、一時預かりやベビーシッターのリサーチ
☐勤務先に産前産後の休暇申請
☐「限度額適応認定証」を発行してもらう
☐里帰りする人は34週までに帰省
【なるべくしたいこと】☐ベビーシッターや一時預かりサポートの登録
☐ネットスーパーや食材宅配の登録
☐化粧品やコンタクトレンズをストック
☐退院後、ベビーを迎えるための部屋の最終準備
➤➤➤赤ちゃんが〈安心・安全・快適〉に過ごせる居場所づくりのポイントとは?家の中で起こりやすい事故例もチェック
妊娠週数別のマタニティライフアドバイス
妊娠32週
花粉症や風邪などでくしゃみや咳が出ると、瞬間的に腹圧が強くかかりますが、切迫早産で入院しているような状況でなければ、くしゃみくらいで破水することはありません。ただ、くしゃみの衝撃が腰痛をひどくさせることが。くしゃみが出そうと感じたら、立ち上がったり何かにつかまったりしましょう。
わが子がお腹の中にいた記念に、妊娠中の姿を自宅やスタジオでプロに撮影してもらうマタニティフォト。おなかが大きいこの時期を選ぶ人も多いようです。
【妊娠32週の赤ちゃんの様子】▲むっちりとした両方の太ももとおしりがはっきりと映っていて、女の子のおまたもはっきり見えます。シワシワだった皮膚が伸びて、超音波写真からはふっくらとした体つきがうかがえます。画面に入りきらないぶん、それぞれのパーツがアップに。そろそろママのお腹が窮屈になってきています。医師は赤ちゃんの発育状況に加え、羊水の量や臍帯の巻き絡みなどのトラブルがないかどうか細かくチェックします。
妊娠33週
臨月直前、体のバランスがとりづらくなると、足元がよく見えなくなります。怖いのは、階段の上りよりおりる時。動作はゆっくり慎重にしましょう。今までよりも移動は時間がかかるものと思って、余裕をもって行動するよう計画を。産後、赤ちゃん連れで行動する時の訓練にもなります。
【妊娠33週の赤ちゃんの様子】▲ぺロペロキャンディみたいに手に持っているのはへその緒。安心しているのか寝ているようです。
これまで顔がよく見えなかったという人でも、この時期ははっきりわかるのでは?お腹の赤ちゃんは外からの刺激や聞こえてくる音に対して、快・不快の表情をあらわすことができ、超音波ではしかめっつらやあくび顔など多彩な表情が楽しめます。夫婦げんかは赤ちゃんに聞こえてしまうので注意して。
【妊娠34週】
正期産まであと3週間。いつ生まれてもいい時期が目前に迫りました。初めてのお産は不安でいっぱいかもしれませんが、「怖いから考えない」ではなく、「知ることで不安を解消」しましょう。お産の始まりから赤ちゃん誕生までのイメージトレーニングをそろそろ始めてもいいですね。
➤➤➤お産ってどんなふうに進むの?痛みはどう変化する?スタートからゴールまでを解説お腹が張りやすくなるこの時期、外に出るのが辛いようなら、家の中で超音波写真アルバムを作ってみては?赤ちゃんを思う気持ちが強くなります。
【妊娠34週の赤ちゃんの様子】▲手にあごを当てて、ニッコリ笑顔。この笑った顔から、お腹の中の居心地の良さがわかりますね。顔もしぐさもすっかり一人前。体の機能も発達しているので、万が一早産しても、適切な処置が受けられれば外界で生存していける可能性は十分に高くなっています。早産の兆候はお産と同じで、お腹の張りや出血、破水。早く赤ちゃんに会いたいけれど、もう少しお腹の中で過ごしていてほしいですね。
➤➤➤知っておきたい!「切迫早産」と「早産」。原因や症状、治療の方法は?【産婦人科医監修】
妊娠35週
この時期には、赤ちゃんの体の機能もほぼでき上がります。でも正期産に入る37週まではもう少し、お腹の中で育てましょう。たとえ1日分でも、体が成熟してから外に出たほうが、赤ちゃんにとってはいいのです。「もうすぐだから」と気をゆるめないで、今まで通りに過ごしましょう。
そろそろお産入院グッズをバッグにまとめておきたい時期。情報収集にタブレットを持参するママも少なくないようです。持って行くものリストを作ると頭の中が整理されます。
【妊娠35週の赤ちゃんの様子】▲上を向いた横顔をキャッチ。この時期は体重もぐんと増え、赤ちゃんも生まれる準備を始めています。口から飲み込んだ羊水を、尿として排泄できるようになっています。これは生まれてからおっぱいを飲んでおしっこをする練習を始めているということ。妊娠末期になり、羊水の量が減ると超音波映像が見えにくくなる傾向があります。ママもそろそろ出産に向けて、イメージトレーニングを始めましょう。
➤➤➤陣痛を上手に乗り切るには?痛みの逃し方&和らげるコツを知っておこう