妊娠中はいろいろな食材をバランスよく食べるのが理想。でも、中には食べ方に注意が必要な食材もあります。その注意点をまとめました。
妊婦さんは食中毒に注意。生肉は絶対だめ!
妊娠中は免疫が落ちて細菌やウィルスに感染しやすくなるうえ、母体に感染すると赤ちゃんにまで影響を及ぼすことがあるので、食べ方に注意が必要です。特に細菌や寄生虫の心配がある、生ものや非加熱の加工品はなるべく控えた方がいいでしょう。
生肉はNG.とはいえ、大切なのは特定の食品に過敏になりすぎず、いろいろな食材をまんべんなく食べることです。
妊娠中に気をつけたい食材一覧
いくつか避けるべきものもありますので、注意して。
生もの
生のサバやアジ、イワシなどにはアニサキスと呼ばれる寄生虫がいる可能性が。加熱が不十分な肉からはトキソプラズマや腸管出血性大腸菌O-157に感染するリスクがあります。生魚は少量にとどめるとともに、生肉は絶対にやめましょう。
●寿司・刺し身アニサキスは冷凍処理(-20℃、24時間)で感染力を失うので、解凍した魚がおすすめ。
●ローストビーフ・タタキ・レアステーキなどトキソプラズマは筋肉中に入り込んでいることもあるので、中心まで火を通して。
●生卵殻に付着したサルモネラ菌から感染する可能性があるので、控えた方が無難。
レバー・うなぎ
レバーやうなぎに含まれるビタミンAを過剰に摂取すると、胎児に影響を及ぼすことがあります。とはいえ、レバーはビタミンB群や鉄分なども豊富。適量を守りながらうまくとり入れれば頼もしい栄養源になります。
●レバーペースト鶏&豚のレバーの1日の適量は6g。牛レバーは70g。ペーストなら大さじ1弱が目安です。
●焼き鳥のレバー焼き鳥は1本30~40gなので、1週間に1本が上限と、かなり少なめです。
●うなぎうな重と肝吸いを1週間に1回食べるぐらいなら、まったく問題はないでしょう。
非加熱の加工品
食中毒菌の一種であるリステリア菌が心配されます。リステリア菌に感染すると胎盤を通じて胎児に感染する恐れがあり、流産や死産を引き起こす危険性もあります。75℃以上で加熱すれば食べてもOK。
●スモークサーモンリステリア菌は食塩に強く、冷凍保存でも増殖します。サラダなどで使いたい場合は、生のサーモンを焼いてマリネ液につけたもので代用するのも手。
●生ハム加熱殺菌済みのハムやソーセージだったら食べてもOKですが、生ハムはだめ。食べる前にゆでると安心、かつ塩分も減らせます。
●ナチュラルチーズカマンベールや青かびチーズはNGですが、ピザのように加熱すればOK。プロセスチーズは問題なし。
一部の魚
魚には良質なたんぱく質のほか、DHAやカルシウムなど、大切な栄養が豊富に含まれています。ただし、魚類に含まれる水銀を多くとりすぎると、おなかの赤ちゃんの発育に影響を与える可能性が懸念されているのも事実。厚生労働省の基準に従いましょう。
➤厚生労働省「これからママになるあなたへ」●めかじき1週間に切り身1切れ(約80g)が目安。脂肪が少ないほど、水銀濃度は低め。
●金目鯛1週間に80程度に抑えましょう。本マグロ、メバチマグロも同様です。
●ミナミマグロ1週間に約160gが目安。80gを週2回までとし、刺し身なら1回5~6切れ程度。
※サケ、アジ、サバ、イワシ、サンマ、ブリ、ツナ缶などは気にしないでOK。
妊娠中に注意したい飲み物は?
妊娠中のNGドリンクとして、筆頭に挙げられるのはアルコール。神経系障害の一種である“胎児性アルコール症候群”の原因になるので、絶対に飲まないこと。ノンアルコールはOKですが、揚げ物などカロリーの高い食べ物に気をつけて。
カフェインの入った飲み物は、適量なら飲んでも大丈夫。コーヒーなら1日1杯、紅茶なら2杯までを目安に。
また、コーラはカフェイン量は少ないけれど、350ml缶になんと角砂糖10個もの糖分が入っています。妊婦さんにとって体重管理は必須。糖分の多い飲み物には注意しましょう。
外食は栄養バランスを考え、塩分を控えて
妊娠中を通して心掛けたいのは栄養バランスの良い、塩分控えめの食事。外食となると高カロリー&高脂質&塩分多めになりがち。栄養バランスの良いメニューを選び、しかも塩分や糖質をとりすぎないようにしたいものです。
妊婦さんの理想の外食メニューは、定食スタイル。丼物や麺類を食べたいときは、ごはんや麺を少し残して野菜料理を1品プラスしましょう。ファーストフード店なら、サラダや野菜ジュースをつけて野菜不足をカバーして。
外食の定番メニューで妊婦さんが何を選ぶのがベターかを以下にまとめましたので、参考にしてください。
定食
ごはん、肉や魚などのたんぱく質、野菜の量が一目瞭然。栄養バランスが良く、ごはんの量を簡単に調整できるのがいいですね。ただ、とんかつ定食は931kcalと高カロリー。揚げ物よりはカロリーの少ない焼き魚定食(675kcal)や煮魚定食のほうがおすすめです。
ただし、塩分が多めなので、みそ汁の汁や漬物は残すようにしましょう。
丼物
ごはんが多めなので、体重増加が気になる人はできるだけ避けたい丼物。特に揚げ物はカロリーが高め。例えば天丼は750kcalで、しかも高塩分なので、おすすめできません。
どうしても丼物を食べたいときは、野菜をしっかりとれるビビンバなどを選ぶと良いでしょう。親子丼は野菜は少ないけれど、カロリーは比較的少なめです(644kcal)。
麺類
麺は中華麺よりうどんやそばといった和風のほうが低カロリーですが、天ぷらそばなどは例外。鍋焼きうどんやタンメンは多種類の野菜や肉がとれます。麺は少なめを選ぶか残すかして。塩分の多いつゆは必ず残すようにしましょう。そば湯もNGです。
ファストフード
ミックスサンドやハンバーガー、パスタなど炭水化物中心になるため、サラダを追加したり、野菜ジュースを飲んだりして野菜不足を補いましょう。満足感が得られない場合は、低カロリーの野菜スープと組み合わせると◎。
てりやきバーガーセット(703kcal)よりはミックスサンド(430kcal)を選んだほうがベターです。
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