赤ちゃんがぐっすり眠るための「睡眠の土台」は5つ
① 身体的要因
新生児から生後6ヶ月ぐらいまでは月齢にあった活動時間(起きていられる時間)を目安に寝かし付けをすることがとても大切です。
赤ちゃんは、活動時間が長すぎると疲れすぎてしまい、ストレスホルモンのコルチゾールが分泌されます。すると、本当は眠たいのに興奮状態になったり、なかなか寝てくれなかったり、寝ても短時間で起きてしまうことに。ですので、6ヶ月以降はある程度決まった一日のスケジュールに沿って過ごすことをおすすめします。
また、月齢にあった遊びや運動をしていることも大切です。例えば、低月齢児の場合はタミータイム(腹ばいをして首を強化する運動)*をしたり、分離不安の時期は“いないいないばぁ”をして遊んだりと月齢にあった刺激を与えてみてください。
* 「タミータイム」は赤ちゃんの発達に合わせて行ってください。また、必ずそばで大人が安全かどうかを見守り、サポートするようにしてください。上記は月齢別の活動時間ですが、早産の場合は修正月齢を用いて考えるようにしましょう。
② 成長要因
赤ちゃんがきちんと月齢にあった成長をしているのか、身長・体重は順調に伸びているかということも大切になってきます。また、成長と共に現れる分離不安や急成長期(急速な成長にともない、よく泣いたり授乳量が増える時期のこと)の関わり方なども睡眠の質に影響してきます。もし成長面で不安なことがある場合は小児科に確認をしましょう。
③ 睡眠環境
赤ちゃんが安心できる、安全な睡眠環境を整えること。
米国小児科学会によると、1歳までの赤ちゃんにとって一番安全な寝床は「親と同室で別の寝床」なんだそう。一般的に添い寝は危険と言われていますが「安全な環境作りができれば、添い寝も可能である」と、ノートルダム大学の人類学教授ジェイムス・マッケーナ氏は伝えています。別の寝床、添い寝、それぞれにメリット&デメリットはありますが、赤ちゃんに安全な寝床を確保してあげることが一番大切です。
寝室の温度は20℃-22℃と、大人が肌寒く感じるぐらいが最適。新生児の場合は、極端に暑すぎると乳幼児突然死症候群のリスクがあがるという研究結果もあるので、着させすぎには注意をしましょう。
外の車の音や、犬の鳴き声などの生活音で起きてしまっていると感じたら、「ホワイトノイズ」を使用してみましょう。ホワイトノイズはどんな種類のものでもよいですが、寝かし付けから朝起きるまで連続して同じ音を鳴らしておきましょう。ホワイトノイズの機械や換気扇、スマホの動画アプリなどを使用してもよいでしょう。
④ 社会的要因
赤ちゃんが保育園や幼稚園に通い始めると、今までとは違う刺激を受けて不安になることがあります。担任の先生が変わるだけでも環境は変化するので、慣れるまで心が不安定になり、それがきっかけで夜泣きをしてしまうことも。そういうときは「昼間の環境変化のせいなのね」と理解して、赤ちゃんが環境の変化に慣れるまで時間をかける心づもりでのぞみましょう。
また、新しい兄弟の誕生は家族にとって大きな変化です。今までよく寝ていた子が、下の子が生まれたとたんいきなり夜泣きをしたり、睡眠が不安定になることはよくあります。どのように対応していくかについては、今後の連載でみなさんにお伝えしていきますね。
⑤ 親子(保育者)の幸福度
これは日本人のお母さん・お父さんに対して、私が特に重要だと思っていること。
親の心が満たされていないと子どもの心を満たすことは難しくなります。親が寝不足でイライラしていると、そのイライラが子どもに伝わってメンタルが不安定になることで、寝つかなくなったり夜泣きに繋がることも。
親が自分の時間を作り自分を満たすことで、子どもに対しても優しく接することができ、子どもの心も安定するようになりますよ。
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今回紹介した、5つの「睡眠の土台」を整えることが睡眠改善をしていく中で最も大切です。よく言われる「ねんねトレーニング」は睡眠改善の一つの手段。睡眠の悩み改善は、トレーニング以外の多方面から探っていくのがおすすめですよ。ぜひ、みなさんも「睡眠の土台」を振り返ってみて。
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