わたしたちが生きていくうえで、避けては通れないのが「ごみの排出」。適切な処理がなされなかったごみの行く末について、ごみ清掃員兼お笑い芸人として、9年にわたりごみの最前線を見てきた「マシンガンズ」滝沢秀一さんに聞きました。
ごみが自然に還るまでの年数(目安)
オレンジやバナナの皮などの自然物や、原料が木材の紙製品(ペーパータオルなど)であれば、比較的短い期間で微生物に分解されます。その一方、自然界には存在しないプラスチックやアルミなどの加工製品は、簡単には分解されないものばかり。上の表にないものでも「モノフィラメントの釣り糸=650年」「ゴム長ぐつの底=50~80年」「ブリキ缶=50年」「皮革=50年」「ナイロンの生地=30~40年」など、自然に還るまでに多くの時間がかかるごみはたくさんあります。
これらのごみは、人間が回収して正しい手順で処分しない限り、数十年~数百年にわたって地球環境に影響を与え続けます。だからこそ、きちんと分別&リサイクルを徹底し、ごみの量を減らすことがよりよい自然環境を整えることにつながっていくんです。
(引用: U.S. National Park Service; Mote Marine Lab, Sarasota, FL and “Garbage In, Garbage Out,” Audubon magazine, Sept/Oct 1998.)
海のごみの8割は陸から出たごみ
海に存在するごみのほとんどは、ポイ捨てなどのルールが守られずに陸で捨てられたごみが、雨や風によって海まで運ばれたものだといわれています。ごみの割合としては、ペットボトルやビニール袋、釣り糸などが多いですが、最近では新型コロナウイルスの影響か、使い捨てマスクの割合が増加しているそう。
海に流れ着いたこれらのごみを、イルカやウミガメがクラゲだと勘違いして食べてしまう事例も頻発しています。また、私たちの生活に関わりのあるところでは、私たちの食用となる魚たちの胃からも、小さなごみが見つかったりしています。人間が捨てたごみを食べた魚を私たちが食べる、そんな悪循環も起こってしまうんです。
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海は人間のごみ箱ではありません。私たち自身のため、海の動物たちのため、地球環境のためにも、軽い気持ちでポイ捨てをするのはやめましょう。(滝沢さん)
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