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2023.02.17

妊娠生活

【産婦人科医監修】臨月のママと赤ちゃんはどんな様子?臨月妊婦の過ごし方OK・NGアドバイスも

出産予定日が近づくにつれ、楽しみであると同時に不安な気持ちも。その不安を払拭するため、臨月の赤ちゃんやママの様子、臨月に注意すべき点などについて、成城木下病院の木下智恵先生にお話を伺いました。

そもそも〈臨月〉っていつから?医学用語ではないって本当?

「臨月」とは、一般的に36週0日から39週6日までの出産に臨む最後の1ヶ月を表す言葉です。でも実は〈臨月〉という言葉は医学用語ではないため、病院ではあまり使いません。37週0日から41週6日までを「正期産」といい、私たち医師は臨月とは言わず正期産と言っています。

臨月=正期産と思われている方がいるかもしれませんが、1週間のズレがあり、36週6日で生まれると医学的には「早産」となります。

臨月とはいえ正期産ではないので、36週の妊婦さんには「来週以降だったらいつ生まれてもいいよ」、37週以降の方には「もういつ生まれても大丈夫よ」とお声がけしています。

ちなみに、妊娠4週~15週を「妊娠初期」、妊娠16週~27週を「妊娠中期」、妊娠28週~40週を「妊娠後期」と呼んでいます。

臨月の赤ちゃんの様子

36週くらいから、赤ちゃんの体は子宮の出口に向かって下がり始めます。ママの骨盤の中に頭を入れ、背中を丸めて手足をおなかに引き寄せた姿勢になっています。狭い産道をスムーズに通れるよう、赤ちゃんもおなかの中で準備をしています。
39週頃には、一般的に身長は約50㎝、体重は約3,000gになります。体の機能は新生児とほとんど変わらない状態まで成熟していて、全身を覆っていた胎脂が少なくなり、中から皮下脂肪が増え、ふっくら赤ちゃんらしい顔になってきます。皮ふもきれいなピンク色になります。

臨月のママの様子

ママの体も、臨月に入ると分娩に向けた様々な体調の変化が起きます。

●おりもの●
出産の準備に入ることからホルモンの分泌が多くなり、おりものの量が増えていきます。いつもと色が異なる、臭いがあるといった場合や、かゆみを伴うときなどは医師に相談しましょう。

●便秘●
大きくなった子宮に圧迫されて腸の動きが鈍くなるため、臨月はどうしても便秘になりやすくなります。痔になってしまう恐れもあるので、3日以上便が出ない場合は、我慢せず医師に相談して便秘薬を処方してもらいましょう。

記事を読む⇒⇒⇒【医師監修】妊娠後期の便秘。解消法は?薬は飲める?臨月妊婦のお悩みに産婦人科医と先輩ママがアドバイス!

●吐き気●
臨月頃になると、赤ちゃんの位置が下がることで胃への圧迫感がなくなってきます。それまでは、つわりのような吐き気がある人もいます。食欲がないときはなるべく消化の良いものを摂ったり、1回の食事量を減らして、食事の回数を増やすなど工夫するとよいでしょう。

●眠気・不眠●
ホルモンの影響や膀胱が圧迫される影響で頻尿になるため、夜に目が覚めやすくなります。また、夜間は自分がいざ眠ろうとしても、20分毎に起きたり寝たりを繰り返す赤ちゃんのリズムによって眠れないこともあります。

さらに、出産に対しての不安やストレスなどの精神的なことからソワソワしてなかなか眠れない状態になってしまうことも。これらの要因から睡眠不足となり、昼間に眠くなってしまうのです。
妊婦さんにアドバイスしているのは〈30分から1時間半の昼寝〉。昼寝の時間が長いと夜眠れなくなりますが、レム睡眠の間隔が1時間半なので、30分から1時間半くらいの時間だとすっきり起きやすくなります。

もうひとつは適度な運動です。より質のいい睡眠のためには、ウォーキングや散歩をして体を疲れさせることも大事です。お昼寝をして、午後から夕方くらいにウォーキング、そして夜は深い眠りに…というのが理想的です。

●むくみ●
妊娠時はホルモンの働きにより、赤ちゃんの発育や出産時の出血に備えて体内の水分量が増加します。そのため、むくみやすくなります。水分補給を心がけ、塩分の多い味の濃い食事は控えるようにしましょう。

むくみに備えて、靴のサイズをワンサイズアップしたり、指輪も取っておくことをおすすめします。

●頻尿・尿漏れ●
臨月に入り子宮が下がってくることで膀胱が圧迫され、頻尿になったり尿漏れを起こしやすくなります。また、尿道は骨盤底筋群(ハンモックのように内臓を支えている筋肉)といわれる筋肉でふさがれています。

しかし、妊娠によりその筋肉が緩み、くしゃみや咳などでおなかに力が入ることで赤ちゃんが動き、膀胱が刺激されて尿漏れが起きるのです。少しでも尿意を感じたらこまめにトイレに行くようにしましょう。

●腰痛●
妊娠するとリラキシンというホルモンの分泌量が増えるのですが、このホルモンは、出産時に赤ちゃんが産道を通り抜けやすくするために骨盤周りの靭帯を緩める作用があります。

これにより、骨盤周りの関節や筋肉に負担がかかることで腰痛が引き起こされます。また、おなかが大きくなり、無意識のうちに反り腰になってしまうことも一因です。
骨盤ベルトを使って骨盤を締めたり、ストレッチをして骨盤周りを鍛えることも大切。今はYouTubeに妊婦さん向けの腰痛ストレッチ動画がたくさんアップされているので、自分でできそうなものを探して見つけてトライしてみてください。

臨月に注意したいこと&意識しておきたいこと

37週からは基本的にはいつ生まれてもいい時期に入っているので、家事もして運動もして、積極的に体を動かしましょう。とはいえ、なんでもやっていいというわけではなく、気をつけていただきたい点もあります。

また、臨月になると「もうすぐ出産!」ということを意識したい時期。お産が近づくサインとして「おしるし」「前駆陣痛」などがあげられます。どんな兆候があるのかそれぞれご説明します。

妊婦は血栓リスクが8倍!旅行や遠出はNG!

旅行や遠出は避けたほうがよいでしょう。もし出かけるとしても、1時間くらいで帰宅できる場所にしてください。妊婦は血栓のリスクが通常の8倍と言われています。飛行機や長時間の車移動など、同じ体勢を長時間続けなくてはいけないシチュエーションは避けるようにしましょう。

冠婚葬祭も、臨月であれば遠慮しても大丈夫だと思います。お祝いは産後でも遅くないですし、お葬式に関しては医師と相談して、場所によってはNGになることがあるかもしれません。

また、美容室も同じ姿勢で座っていなくてはいけないので、わざわざ臨月に行かなくてもよいのではないかと思います。美容室へは安定期に行っておくのがおすすめです。

性生活は感染に注意を

体調に異常がなければ、基本的に問題はありません。ただ、感染だけには注意。感染予防の観点からも初めからコンドームはつけるようにしましょう。また、おなかが張ったり出血があった際は、すぐに中止してください。

お産のサインについて知っておこう

●おしるし●
おしるしは、子宮口が開いていくときに、赤ちゃんを包んでいる卵膜と子宮の内側がずれて出血したものです。茶色や黒っぽい色のほか鮮血の場合もあり、量はほんの少しのこともあれば、月経のように多い場合もあります。

おしるしはお産が近いサイン。おしるしがあってもすぐに陣痛が始まるわけではありませんが、心の準備はしておきましょう。

記事を読む⇒⇒⇒【おしるし体験談】色や量、おしるしから出産までの流れを知っておこう!【産婦人科医監修】

●前駆陣痛●
おなかの張りや痛みの間隔が5分、10分、20分といったように計るたびに違っているなど、不規則な場合を「前駆陣痛」といいます。

痛みが強くならなかったり、そのまま消えてしまったり、本格的な陣痛なら痛みで眠れませんが、眠れるような前駆陣痛です。体がお産への準備をしている状態なのでまだ本格的な「陣痛」とは呼べず、お産がすぐに始まるわけではありません。

記事を読む⇒⇒⇒【産婦人科医監修】前駆陣痛って何?陣痛とどう違うの?見分け方を医師が解説。先輩ママの前駆陣痛体験談もチェック

先輩ママ発「あのときのアレは生まれる予兆⁉」だった?

いつもは右わき腹をけっていたおなかの中の子が、突然、胃の真下あたりをけるように。と思ったら翌日に出産!生まれるために方向転換したのだと思います(M・Wさん)

出産1週間前から下腹部がぐーっと押されるような感じが。生理がそろそろくるかな…という感覚にそっくりでした(M・Sさん)

寝苦しくて2~3時間おきに目が覚めるようになり、足もつりやすくなっていました。うっすらピンクのおしるしがあった1週間後に陣痛が始まりました(M・Kさん)

そのほか、「足のつけ根が痛い」「胎動が少し減る」「トイレが近くなる」「ゼリー状のおりものが出た」など、様々なお産の予兆があるようです。

臨月はどう過ごしていた?先輩ママの体験談

予定日30日前からどのような生活を送っていたのか、気になりますよね。そこで、3人の先輩ママたちに臨月の過ごし方を振り返ってもらいました。体験談を読んで予習しておきましょう!

お産までにしておきたいことを全部こなしたラスト2週間♪

35週6日の深夜に、前駆陣痛のような15分間隔くらいのおなかの張りがありました。朝には遠のいたけど、念のため受診。その後、おなかの張りは落ち着き、今まであばら骨付近で感じていた胎動を下のほうで感じるようになりました。

36週5日あたりは足のつけ根がピキーンと痛くなる回数が増え、座ると太ももにおなかが乗る感じに!

臨月には結婚記念日があったので近所のビストロでお祝いランチをしたり、自宅で夫にマタニティフォトを撮ってもらったり、産後はしばらく行けそうにない焼き肉店にも。産後は乳腺炎が怖いので大好きなチョコ納めもしました。

37週4日で予定どおり、帝王切開で無事出産となりました。(Yさん・34歳・2人目)

毎日散歩をしたおかげで、おしるしから3日目に出産&超安産!

36週ごろは足のつけ根の痛みや腰痛を強く感じるように。体重管理をしなきゃと思う一方で、今のうちにと甘いものをけっこう食べてしまっていました。ただ、毎日1~2時間の散歩を日課にしてよく歩いてもいました。

おなかが張る回数が増え、胎動は少なくなってきましたが、力強く痛いと感じることも。たくさん歩いた翌日、39週5日で少量の茶色いおしるしがありましたが、その後はだるかったり、腰が重い感じでした。でも歩けるときには散歩を。

40週2日の深夜2時におなかの痛さで目覚め、5分間隔の陣痛があり入院。初産だからまだまだ時間かかると言われたものの、どんどん進み、9時には出産しました!(Tさん・31歳・初産)

出産ギリギリまで夫&友人とたくさん外出を楽しみました!

36週の頃は近くの公園やスタジオなどで、記念のマタニティフォトをたくさん撮りました。痙攣みたいな胎動を感じて驚いたのですが、しゃっくりと聞いてひと安心。

しばらく行けなくなるショッピングやデートを出産ギリギリまで満喫。38週でまだ胎動は激しいけど、腰が痛くておなかが下がってきたように感じました。39週4日の健診で陣痛促進剤を使ってお産を誘発することが決定しましたが、少しでも下がってくれるようにたくさん散歩をしました。

40週0日の朝から入院し、陣痛促進剤を点滴で投入してから約8時間後に無事出産となりました。(Sさん・22歳・初産)

ドクターから妊婦さんへメッセージ

臨月に入ったからといって怖がることはなく、日常の生活を送ってほしいと思っています。

ただし、初産婦さんにとっては初めての経験ばかり。少しでも不安を感じた場合は、電話していいのかな…こんなことを聞くのは恥ずかしい…といった遠慮はせずに、お産のプロである医師や助産師さんに頼って相談するようにしてください。
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記事を読む⇒⇒⇒「陣痛」がきたらどうする?「破水」したら何をすればいい?お産の始まりから入院までの流れを知っておこう【産婦人科医監修】
記事を読む⇒⇒⇒臨月の妊婦さん必見!安産のために今すぐトライ‼お産直前にやっておきたい10のこと

取材・文/田代祐子

【監修】 木下 智恵 成城木下病院

2001年、横浜市立大学医学部卒業。東京大学医学部産婦人科、順天堂大学医学部産婦人科勤務を経て2005年より現職に。専門は周産期学のほか、婦人科腫瘍、不妊症、月経異常。元気で気さくな1男2女のママドクターです。成城木下病院

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