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2023.02.15

成長・発育

赤ちゃんの「原始反射」とは?種類や注意すべきことって?【小児科医監修】

赤ちゃんが急に両腕を上げてから抱きつくような動作をしたり、教えたことがないのに授乳時に乳首を探すような動きをしたりするのを見て、不思議に思ったことはありませんか。こうした動きは「原始反射」と呼ばれています。

この記事では、細部小児科クリニックの細部千晴先生に取材。原始反射はいつから起こっていつまで続くのか、どんな原始反射があるのか、注意しておくべきことなどについてご紹介します。

原始反射って何?

赤ちゃんの手のひらに指で触れるとぎゅっと握ったり、口の周りを指でつつくと探すように口を動かしたりなど、生まれたばかりのころの赤ちゃんは、特定の場合にいつも同じ動きをします。こうした動きを「原始反射」といいます。

原始反射は、十分に成長・発達する前に起こる無意識に筋肉が動く現象です。脊髄や脳幹など中枢神経系で起こる反射のため、特に原因となるものはありません。

原始反射はいつから起こる?消失時期は?

原始反射はいつから始まっていつまで続くのでしょうか。実は、原始反射はママのおなかの中にいる妊娠5~6ヶ月ごろから始まるとされていて、赤ちゃんが生まれてすぐから見られます。

成長・発達するにしたがって徐々に消えていきますが、消失時期には個人差があり、赤ちゃんによって異なります。

モロー反射との違いは?原始反射の種類を紹介

原始反射にはいくつか種類があります。「モロー反射」という言葉を聞いたことがあるママやパパも多いと思いますが、モロー反射も原始反射の一つです。

以下、よく見られる代表的な原始反射について、ご紹介します。

モロー反射

仰向けに寝ている赤ちゃんの頭を15㎝ぐらい持ち上げて急に下げると、びっくりしたように両腕を広げてから、しがみつくような動作をします。

➤➤赤ちゃんの「モロー反射」って何?いつまで見られるの?【小児科医監修】

歩行反射

赤ちゃんの両脇を支えて立たせ、足の裏を床に触れるようにして前かがみの姿勢にすると、歩くように左右の足を交互に動かします。

手の把握反射

赤ちゃんの手のひらに人の指やものが触れると、指を閉じて握りしめるような動作をします。

足の把握反射

赤ちゃんの足の裏を圧迫すると、足の指を足の裏に向けて曲げる動きをします。

乳探索反射

赤ちゃんの口の周りを刺激すると、上下左右に顔を動かして口を開く動作をします。

吸引反射

赤ちゃんが乳首や指を口にくわえると、舌を動かして吸う動作をします。

緊張性頸反射

対称性
赤ちゃんをうつ伏せにして頭を上げると、腕が伸びて脚が曲がり、頭を下げると腕が曲がって脚が伸びます。

非対称性
仰向けに寝かせた赤ちゃんの頭を片側に向けると、向けた側の手足を伸ばし、反対側の手足を曲げます。

原始反射の注意点は?

原始反射は中枢神経系の反射です。そのため、生まれてすぐから見られるはずの原始反射が現れない場合、赤ちゃんの脳や神経系に障害がある可能性もあります。

逆に、原始反射が消えない場合、「発達障害では?」と心配をするママやパパもいますが、原始反射と発達障害に関係があるかどうかは、はっきりわかっていません。

ただし、原始反射がなかなか消えない場合には、脳性まひの可能性も考えられます。

脳性まひは、おなかの中にいる間から生後4週間ごろまでの間に受けた脳の損傷によって起こる脳機能障害です。脳性まひでは、脳や運動機能に障害が出て、多くは運動発達に障害が生じます。そのため、首が座らなかったり、ハイハイや寝返り、立つこと、歩くことなどが遅れたり、できなかったりなどの症状が見られます。

生後3~4ヶ月ごろに行う乳児健診では、仰向けに寝かせた赤ちゃんの両手をもって上に引き上げたときに体がついてくる「引き起こし反射」を確認し、首が座っているかどうかを見ます。引き起こし反射が起こっていれば、脳性まひの可能性は少ないといえます。

いずれにしても、脳性まひかどうかは、モロー反射だけではなく、多くの反射を確認し、経過を見て診断していきます。モロー反射かどうかを一般の人が見分けるのは難しく、発達のスピードは赤ちゃんによってそれぞれなので、基本的にはあまり心配しすぎなくて大丈夫です。

まずは、乳児健診を受けることを忘れずに。きちんと見てくれる医師であれば、かかりつけ医としてその後も診察してもらうといいでしょう。同じ小児科に通院し続けると、赤ちゃんの成長や発達の経過を連続して見てもらえるため、変化に気づいてもらいやすく、安心です。

おくるみで包んであげると、赤ちゃんも安心

原始反射、特にモロー反射の動作が大きかったりすると、脳に障害があるかもしれないと不安になるママやパパもいるようです。でも、モロー反射の動作が多少大きかったり、反対にあまり目ただない動きだったりしても、あまり心配する必要はありません。

大きな音や玄関のチャイム音など外からの刺激によって、赤ちゃんが驚き、モロー反射と似たような動きをすることもあります。刺激に敏感な赤ちゃんの場合は、自分の動作にびっくりして、寝ていたのに目を覚まして泣き始めることもあり、ママやパパが育児を大変に感じてしまうこともあるかもしれません。

そのような敏感な赤ちゃんには、なるべく刺激を与えないようにしてあげると効果的です。

ねんねしやすいように布団やベッドのある部屋の電灯は暗めにしたり、赤ちゃんに直接エアコンの風が当たらないように布団やベッドの位置を見直すなどのほか、衣服を着せすぎて暑がっていないか、足が布団から出て冷たくなっていないかなども確認してみてください。

➤➤赤ちゃんが〈安心・安全・快適〉に過ごせる居場所づくりのポイントとは?家の中で起こりやすい事故例もチェック

それでも泣いたり、動作が激しかったりする場合には、おくるみでくるんであげるという方法もあります。赤ちゃんはおなかの中で体を温かい羊水に囲まれているので、同じような体勢にしてあげると安心できます。

おくるみは、赤ちゃんの肌に直接触れるので、肌触りの良い素材を選びましょう。暖かくなる春から夏は、通気性の良いガーゼ生地や吸水性のある綿100%のパイル生地に、寒くなる秋から冬は保温性が高いフリース生地にするなど、季節によって使い分けるといいでしょう。

おくるみの使い方

1.四角いおくるみの四角のうちの一つが上にくるように置き、上になっている角を内側に折り曲げる。

2.平らになったところに赤ちゃんの頭を出すように仰向けに寝かせる。

3.右側または左側を赤ちゃんの体にかけ、下側を折り曲げてその上端を最初に体にかけた部分に折りこむ。

4.左側または右側を赤ちゃんの体にかけて体全体を包む。

おくるみで赤ちゃんを包む際、両脚を伸ばして包むと股関節脱臼を起こす恐れがあります。赤ちゃんの脚が自然なM字型になるように、下半身はゆるめに巻くようにしましょう。
________

原始反射は中枢神経系の反射で、赤ちゃんが正常に発達しているかどうかを見るポイントになります。生後3~4ヶ月ごろの健診で確認しますが、原始反射が見られないなど、それ以前の時期に心配なことがある場合は、予防接種のときに相談してみるといいでしょう。

取材・文/荒木晶子

【監修】 細部 千晴 細部小児科クリニック院長

日本小児科学会小児科専門医、日本小児科医会子どもの心相談医。1987年藤田医科大学卒業。名古屋市立大学病院NICU、日本医科大学病院などを経て、2008年、東京・文京区に細部小児科クリニックを独立開業。男の子2人のママであり、孫も1人いるという立場から、地域の子育て支援に熱心に取り組んでいる。著書・監修に『赤ちゃんと子どもの病気・ケガホームケアBOOK』(ナツメ社)、『はじめての育児事典』(朝日新聞出版)などがある。

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