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2022.12.27

お世話

〈赤ちゃんのスキンケア〉実は間違っているかも!?皮膚科専門医が教える「本当に正しい」ケアの方法

赤ちゃんの皮膚はデリケートで保湿が大切。さらに、やってはいけない「落とし穴」があるんです。気になるアレルギーにも関連する、皮膚のバリア機能を守る正しいスキンケアを皮膚科専門医に教えていただきました。

実は間違っている!?赤ちゃんスキンケアの落とし穴4つ

1 お風呂上がりに保湿すれば十分?

実は足りません
夜、一回だけクリームやローションを塗るだけで、24時間保湿効果が持続するわけではありません。保湿剤は一度塗っても衣類でこすれるなどでだんだんとれてしまいます。自然に乾燥もします。ですから夜寝る前だけでなく、朝起きたら全身をたっぷり保湿しましょう。さらに着替えやおむつ替えのたびに、こまめに保湿することで、皮膚の乾燥予防効果はぐんと高くなります。保湿は持続できない、だからくり返して。

2 汗っかきだから、皮膚もうるおっている?

汗は皮膚への刺激になります
赤ちゃんは汗っかきなので、皮膚がうるおっているように見えますが、皮膚に水分を十分蓄えられているわけではありません。また、汗は老廃物で皮膚への刺激となります。冬でもあたたかい部屋で元気に遊ぶと汗をかきますね。汗をかいたらふいて保湿、が鉄則です。
赤ちゃん スキンケア皮膚の一番表面の角層の細胞がうるおってすき間がなければ、外敵を侵入させないバリアとなります。

3 口の周りは汚れたらふいたほうがいい?

口の周りこそ、しっかりバリア保護を
口の周りが赤くなったり荒れたりするのは、よだれによる炎症です。よだれ=唾液は消化酵素を含んでいるので、皮膚の脂肪やタンパク質を分解します。その結果、炎症が起こります。バリア機能が壊れている部分からは、アレルゲンが入り込みやすくなります。食べ物が接触しやすい口の周りは特に、よだれをふきとるだけでなく、保湿することが、生涯のアレルギーの予防になるのです。

4 髪はボディソープやせっけんで洗えば汚れは落ちる?

頭皮・頭髪には専用の洗浄料を
生まれてから1~2ヶ月は、頭皮は脂分が大変多いです。その後脂分は減っていきますが、頭皮や頭髪の汚れはほかの皮膚とは性質が異なります。赤ちゃんも大人と同様に頭皮・頭髪は全身用ではなく、専用のシャンプーを使ったほうが、汚れがよく落ち、また頭皮や頭髪を傷めません。

皮膚は体を覆う「免疫臓器」。バリア機能をしっかり保って育てていきましょう

皮膚は、単に体を覆っている膜ではなく、細菌やウイルスなどの侵入物から、体を守ってくれる大事なバリア。「免疫臓器」として、外界と闘う防御力を持っているのです。

でも、赤ちゃんの皮膚はとても薄く、大人の皮膚と比べたら2分の1くらいの厚さしかありません。未熟ながらも一生懸命働いている皮膚の防御力を高めるためには、肌がしっかりうるおっていることが必要です。

乾燥して水分が足りなくなるとカサカサして、皮膚のバリア機能が落ちてしまいます。こうなると細菌やウイルスなどの外敵を跳ね返すことができなくなり、皮膚の炎症が起こります。 

見てわかるほどひび割れていなくても、カサカサしているのは、皮膚に水分が足りていない危険サイン。

こうならないようにできることは、肌の表面の汚れをふきとって、保湿するというシンプルなケアです。正しいケアで、赤ちゃんの皮膚を守ってあげましょう。

皮膚のバリア機能を保つことはアレルギーマーチを防ぐ第一歩

アレルギー症状とは、一度体内に入ったことがある物質を体の敵とみなし、次にその物質が入って来たときに、体が過剰に反応することです。湿疹もせきもくしゃみも、その物質(アレルゲン)を体から排除しようとするはたらきです。

これまでは、アレルギーは口から摂取した食品に反応して起こると考えられていました。しかしそれでは、初めて食べるものでアレルギー反応が起こることが説明できません。実は、口から摂取するより前に皮膚からアレルゲンが忍び込むことが原因ではないかと、最近の研究で推測されています。

そのため、保湿して皮膚のバリア機能を高めることは、アトピー性皮膚炎だけでなくぜんそくやその他のアレルギーも、予防することにつながります。

食物アレルギーがアトピー性皮膚炎を引き起こすのではなく、皮膚の乾燥が食物アレルギーやアトピー性皮膚炎を引き起こす原因となる、ということなのです。

【アレルギーの仕組み】
赤ちゃん アレルギー①アレルゲン(アレルギーを起こす原因物質)が、初めて体内に入ったときに「抗体」ができる。
赤ちゃん アレルギー②次にアレルゲンが体内に入ったとき、この抗体とアレルゲンが結びつく。

赤ちゃん アレルギー③抗体とアレルゲンが結びつくと、ヒスタミンなどさまざまな化学物質を放出し、くしゃみや皮膚の炎症が起こる。

スキンケアの基本は「洗う」「ふく」「保湿する」

スキンケアの大切なポイントは清潔・低刺激・保湿です。両親ともにアトピー素因(※)を持っている場合、しっかり保湿した子はアトピー性皮膚炎の発症率が、保湿しなかった子にくらべて3割も低かったという研究結果もあります。毎日のケアでは、ぜひこの3つのポイントを心がけてください。

※アトピー素因⋮アレルギー症状(鼻炎、花粉症、皮膚炎、ぜんそくなど)を引き起こしやすい家系的な体質のこと。現代の日本人は3人に1人の率で持つとされる。

1 「洗う」

汚れはしっかり落としましょう。歩き始める前の0歳代の赤ちゃんが室内で1日過ごしたとしても、体や頭は汗やよだれで、おしりはうんちやおしっこで汚れています。また、空気中にはほこりやウイルス、細菌がいっぱい。洗うことで、こうした汚れを肌の表面から取り除いてあげましょう。ただ、洗うことで皮脂を奪い、皮膚にダメージを与える可能性があります。赤ちゃんの薄い肌は、弱酸性の洗浄料を使って、泡でやさしく洗ってあげるのが基本です。

【洗い方のコツ】

0歳代
赤ちゃん 洗い方洗浄料はよく泡立てて使いましょう。たっぷりの泡が汚れを抱き込むようにして、肌から取り除いてくれます。ママの手でやさしくすみずみまで洗いましょう。

1歳過ぎ~
赤ちゃん 洗い方活動範囲が広くなり、動きも激しくなる1歳頃からは、タオルに泡をつけてしっかり洗います。スポンジは不潔になりやすいので、洗濯して乾燥、除菌できるタオルを使いましょう。

2 やさしく「ふく」

肌の表面についた水分が蒸発するとき、皮膚の中の水分も一緒に逃げ出してしまいます。だから水分をしっかりふきとりましょう。ふくときにはやさしく。どんなにやわらかいタオルでも、ゴシゴシこすったら、皮膚のバリア機能をこわしてしまいます。タオルを肌にやさしく押し当てるようにして、水分を吸収させましょう。首や関節、足のつけ根やわきの下には水分が残りやすいので、特にしっかりタオルを当てましょう。

3 まんべんなく「保湿する」

赤ちゃんの皮膚は生後しばらくは多くの皮脂を分泌していますが、1ヶ月検診が終わるころからは皮脂分泌が非常に少ない状態になります。乾燥しやすい状態は思春期の始まりまで続きます。分泌が少ない赤ちゃんの皮脂は洗うことでますますとれてしまうので、水分をふきとったら保湿が必須なのです。

【保湿の仕方】
体…保湿剤を「点置き」して手のひらでくるくる塗りのばす
赤ちゃん 保湿胸やおなか、背中など、広い面積に保湿剤を塗るときは、1カ所にまとめて置くと、全体に塗りのばしづらいことが。写真のように点々と保湿剤を置いて塗りのばしましょう。
赤ちゃん 保湿塗りのばすときは、手のひら全体を使って、円を描くようにします。1カ所に保湿剤がかたまってしまったり、塗れていない部分がないか、確認しましょう。

顔…小さいパーツがいっぱいだけどしっかり塗ってあげましょう
赤ちゃん 保湿顔も保湿剤を点置きしてクルクル塗りのばします。体よりもさらに薄いのが顔の皮膚。それだけバリア機能も弱いので、すみずみまでしっかり保湿を。
赤ちゃん 保湿特に忘れがちなのが、耳。耳の裏側までしっかり保湿剤を塗ってあげましょう。耳の穴の入り口までは、顔と同じ皮膚だということを忘れずに。

手足…手のひらでやさしく握って塗りのばします
赤ちゃん 保湿手足にも、保湿剤を点置きしてから塗りのばし。腕や足をママの手で軽く握って、手のひらでやさしく塗ります。
赤ちゃん 保湿わきの下、ひじ・ひざの裏など、くびれに埋もれる部分が赤くなっていたら皮膚ダメージのサインです。塗りにくいですが、指で開いて保湿剤を塗りましょう。
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イラスト/イチカワエリ  文/関川香織 『Baby-mo(ベビモ)2022-2023冬春号』の内容をウェブ掲載のため再編集しています。※情報は掲載時のものです

【監修】 佐々木 りか子 梨の花ひふ科 院長

日本医科大学卒業。同大学皮膚科局後、国立小児病院皮膚科医長を経て、国立成育医療研究センター皮膚科医長を務め、2008年に現クリニックを開業。専門分野は小児アトピー性皮膚炎、スキンケア、脱毛症。

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