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2022.12.05

病気・ケガ・救急

【専門医監修】その予防法、実は逆効果!わが子に食物アレルギーを発症させないためにやるべきこととは?

0~1歳児のおよそ5~10%に症状が出るという食物アレルギー。前回は、その原因や症状などについて、国立成育医療研究センター・アレルギー科の成田雅美先生にうかがいました。

➤➤【専門医監修】赤ちゃんの食物アレルギーの原因は?症状や注意点、症例写真を紹介!

今回は、ママ達が意外に知らない、食物アレルギーの予防法をご紹介!

アレルギーの原因は口以外からも入り込む!

食物アレルギーは、原因食品を食べて発症すると考えられ、その食物を除去する研究がたくさん行われてきました。しかし食物除去をしても、アレルギーを発症することがありました。

一方で、食物アレルギーの原因として注目されるようになったのが「経皮感作(けいひかんさ)」です。経皮感作とは、湿疹などのトラブルがある皮膚を通して原因食物が体内に入り、免疫システムがその食物を「敵」とみなしてアレルギー反応を起こす準備をするということです。

イギリスで多く見られるピーナッツアレルギーの子を調べた研究があります。肌トラブルの保湿にピーナッツオイルを塗っていた赤ちゃんは、塗らなかった子にくらべて6~7倍もピーナッツアレルギーの発症率が高かったのです。

湿疹のある皮膚から吸収されたピーナッツの成分が免疫システムの誤作動を起こし、ピーナッツアレルギーを発症したのではないかと推測されました。

皮膚は、体の内と外とを隔てるバリアです。このバリアを破って侵入してくるのは、通常は細菌やウイルスなど、人にとって有害な異物です。そのため、皮膚には外からの侵入に対して、免疫が厳しく働く仕組みがそなわっています。

家庭に浮遊するホコリの中には、卵や牛乳など、よく使われる食品の成分が含まれています。たまたま赤ちゃんに湿疹があると、そうした成分が体内に入り、免疫の誤作動を起こしてしまうのです。

アーモンドオイルやセサミオイルに要注意

国立成育医療研究センターで、次のような実験が行われたことがあります。家族にアトピー性皮膚炎の患者がいる赤ちゃんを2つのグループに分け、生後1週間から毎日保湿剤を全身に塗った場合と、乾燥した部位にだけ塗った場合とをくらべてみました。

その結果、毎日保湿剤を塗った赤ちゃんは、生後8ヶ月までに湿疹を発症する割合が少ないことがわかりました。しっかりスキンケアをすることで、アトピー性皮膚炎が予防できることがわかったのです。トラブルのない肌は、食物アレルギーの発症も予防すると考えられます。

スキンケアに使うのは、赤ちゃんの肌に合うクリームでかまいません。ただしピーナッツオイル、アーモンドオイル、セサミオイルなどを含むものだと、ピーナッツやアーモンド、ごまなどの食物アレルギーが起こる可能性があるので注意しましょう。

予防のつもりが逆にアレルギーを起こすことも!

「食物アレルギーが心配される子に卵や牛乳を食べさせるのは、できるだけ遅くするのがいい」といわれてきました。赤ちゃんの消化機能は未熟でたんぱく質をうまく消化できず、アレルギー反応を起こしやすいと信じられていたからです。

ところが最近、これに反する研究が次々に発表されるようになりました。

最初に注目されたのは、ピーナッツアレルギーの研究です。アトピー性皮膚炎や卵アレルギーのある乳児に、乳児期からピーナッツを含む食品を食べさせると、まったくピーナッツを食べさせなかった子よりも、5歳の時点でピーナッツアレルギーの発症が少なくなりました。

これは従来の「ピーナッツアレルギー予防のためには、乳児にピーナッツを与えないほうがよい」という考えとは全く逆の結果で、世界中に衝撃を与えました。

さらに卵アレルギーについても、同じような結果が出ました。この研究ではまず、食物アレルギーを発症するリスクの高い、アトピー性皮膚炎がある赤ちゃん100人を2つのグループに分けます。そして、一方のグループには生後6ヶ月から固ゆで卵の粉末をごく少量ずつ食べさせ、もう一方のグループでは卵を除去しました。

その結果、1歳の時点での卵アレルギーの発症率は、卵を食べたグループのほうが8割も少なかったのです。

卵の成分が荒れた肌から体内に入ると…

卵の成分が口から体内に入ると…

生後6ヶ月が予防の最重要時期かも!

口から体内にとり込まれたものは、アレルギーを発症させる抗体ができにくいというお話をしてきました。このメカニズムを「経口免疫寛容(けいこうめんえきかんよう)」といいます。

実はこの経口免疫寛容には起こりやすい時期がありそうで、生後2、3ヶ月~6、7ヶ月がそうではないかといわれています。これが正しいとすれば、5ヶ月ごろから離乳食を始め、6ヶ月ごろから卵を食べさせるというのは、理にかなっているわけです。

こうしたことが研究で証明されたのは、今のところ卵とピーナッツだけ。ほかの食物で同じ結果になるかどうか、明確な答えはありません。いまいえるのは、「アレルギー予防のために特定の食物を食べさせなかったり、食べさせる時期を大幅に遅らせたりする必要はない」ということです。

ただし、これらはすべて予防のお話。治療法ではありません。すでに食物アレルギーを発症していたり、医師に食事療法を指示されたりしている場合は、絶対に自己判断で食べさせないでください。

➤➤離乳食で発疹(湿疹)が出たらアレルギー?病院へ行くべき症状は?【小児科医監修】

『Baby-mo(ベビモ)』の内容をウェブ掲載のため再編集しています。※情報は掲載時のものです。

Baby-mo〈ベビモ〉編集部

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