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2022.11.15

病気・ケガ・救急

救急車を呼ぶのはどんな時?赤ちゃんのケガや急病にどう対処したら…?【小児科医監修】

赤ちゃんの急な病気やケガに直面すると、「救急車!」と思う反面、「これくらいで、呼んでいいの?」とためらうことも。

実際、Baby-mo読者にアンケート調査をしたところ、救急車を呼んだ経験のある人は21%。残りの79%のうち多くの人が、呼ぶかどうか迷った経験があるそうです。「夜中に高熱が出た」「けいれんが止まらない」「激しく吐く」といった症状が出た時に、病院の診療時間まで待っていてもいいのか、手遅れになったらどうしよう…と。

では、救急車を呼ぶべきかどうかの判断基準はどこにあるのでしょうか?都立小児総合センター救命救急科の萩原佑亮先生に教えていただきました。

ママが「おかしい」と思ったら迷わず呼んで

「救急車を呼ぶかどうかの判断基準は、病気やケガの『重症度』ではなく『緊急度』が高いかどうかです」と萩原先生。緊急度が高いとは、一刻を争って早急な処置をしなければ深刻になりうる状態のこと。

たとえば、異物をのどに詰まらせて窒息すれば、短時間で死に至ることもある。これは緊急度が非常に高いケースです。

➤➤「誤飲」は死亡事故につながる危険性大!覚えておきたい万が一の時の対処法とは?【小児科医監修】

逆に、がんのように重い病気でも一刻を争う治療(数分も待つことができない)が必要なければ、重症度は高いけれども緊急度は低い、といえます。

でも、医学の勉強をしたわけではないママが、緊急度をはかることができるのでしょうか?「実は、できるんです」と萩原先生。ママが『これはいつもとは違う。明らかに何かおかしい』と漠然とした危機感を抱いたら、それは緊急度が高いケースである可能性が高いのだとか。

「『親のカンが、子どもの異常を見分けるいちばんのセンサーである』ことは、さまざまな研究からも裏づけられています。つまり、親が『明らかにおかしい』『すぐみてもらわないとまずい』と感じたら、たいてい当たっているのです。救急車を呼ぶことをためらう必要はありません」(萩原先生)

意識や呼吸の様子なども判断の目安に

救急車については「タクシー代わりに利用する人がいる」などと利用者に批判の声が寄せられることがありますが、赤ちゃんは自分の言葉で症状を訴えることも、自ら動くこともできません。

日ごろの様子をよく知っているママやパパが「明らかにおかしい」と思うのなら、その感覚を大切にしましょう。親が動かなければ、赤ちゃんは病院を受診することすらできないのです。

「初めての子育てでは不安も大きく、最初はカンも鈍くてはずれることがあるかもしれません。救急車で病院に行った結果、大したことはなかった、ということもあるでしょう。その経験で親も学び、いっしょに成長してほしいと思います」(萩原先生)

親のカンという指標のほか、緊急度が高いとされるのは

●けいれんしている
●意識がはっきりせずぐったりしている
●呼吸や顔色がおかしい

など。こうした様子が見られたら、一刻も早く医師にみてもらう必要があります。

ケース別・救急車を呼ぶべき症状

ケガをしたりトラブルがあったりした時、赤ちゃんにこんな症状があったら迷わず救急車を呼びましょう。

高熱が出たら…

こんな時は救急車を呼んで!
呼吸の様子がおかしい、ぐったりしている
けいれんしている

高熱だからといって緊急度が高いとは限りません。逆に、それほど熱は高くなくても緊急度が高い場合もあります。呼吸や意識、顔色、けいれんの有無などで判断しましょう。

頭を打ったら…

こんな時は救急車を呼んで!
意識が乏しい、嘔吐が続く
けいれんした

呼びかけても反応が薄い、吐き続ける、けいれんした、などは緊急度高。症状はすぐには出ない場合があるので、症状がなくても1日は様子を見て。

誤飲したら…

こんな時は救急車を呼んで!
異物が詰まって呼吸ができない
顔色が真っ青、呼吸の様子がおかしい

異物が詰まって呼吸困難を起こしている場合は一刻を争います。すぐに、救急車を呼びましょう。異物が取れても意識や顔色、呼吸に異変があるなら救急車を。

やけどをしたら…

こんな時は救急車を呼んで!
●広範囲にわたるやけど
●熱い空気を吸い込んだ、すすが鼻や口についている

やけどはなによりもまず、冷やすことが大切です。救急車を待っている間も、流水やぬれタオルなどで冷やし続けるのが鉄則です。服は無理に脱がせず、着たまま水をかけます。

ママ達の「救急車を呼びました」体験

実際に救急車を呼んだママたちには、「呼んでよかったのか?」という不安があるようです。各ケースについて、萩原先生に医師の視点でコメントをいただきました。

危険物を食べた

9ヶ月の時。「食べ物ではありません・危険」と書かれた乾燥剤の袋をモグモグと口に。量も少し減っているように見え、特に苦しそうな様子はなかったけれど救急車を呼びました。

結果的に大事に至らずよかったと考えて

乾燥剤は、誤飲しても緊急性はさほど高くありません。でも、そうとは知らないママが不安に思うのは自然なこと。「危険」なものを赤ちゃんが口にしていたら、救急車を呼びたくなりますよね。結果的に大事に至らずによかった、と考えましょう。

高熱とけいれん

1歳3ヶ月のとき。朝から微熱がありグズグズしていたが、23時ごろ熱が40度以上になり、いきなりけいれんが。白目をむいてガタガタふるえる様子に、あわてて救急車を呼びました。病気は突発性発疹で、けいれんは熱性けいれんでした。

熱のあるなしにかかわらず、けいれんはすぐに受診を

熱性けいれんなら、けいれんさえ止まれば深刻な状態になることはまずありません。しかし、熱性けいれんかどうかの判断は、初期にはむずかしいもの。おさまったと思ったらまた始まったり、脳の中でこまかいけいれんが続いたりしていることも。けいれんがいつ止まるかはだれにもわからないので、救急車を呼ぶことは問題ありません。

頭を打って血まみれに

1歳の時。昼間、よちよち歩きで階段から転げ落ち、頭を打ちました。出血が激しく、顔が血まみれ。不安がつのり、救急車を呼びました。出血の勢いは病院に着くまでに落ち着き、少し肩身が狭かった……。

頭からの出血は量が多くなりがちです

一刻を争うのはピューッと噴き出す動脈からの出血ですが、ジワジワした出血でも頭部の傷は量が多くなりがちです。出血はハンカチなどを患部にあてて強く圧迫するとおさまってきますが、それでも止まらなければ遠慮せずに呼んでかまいません。

いすから転落して意識を失った

6ヶ月の時。ベルトをしておらずハイローチェアから落下しましたが、頭を打ったかどうかは不明。大泣きしたあと急に寝入り、いくら呼んでも起きません。救急車を呼び、搬送する車内で目を覚ましました。病院でみてもらい、「大丈夫でしょう」とのこと。その後も特に異常はありませんでした。

呼びかけに反応がなければ救急車を呼ぶのが正解

これはおそらく、脳しんとうを起こしたのだと思われます。大泣きしたあとにケロッとしているならまず心配はありませんが、呼びかけに反応がなければ脳へのダメージも考えられます。救急車を呼んだのは正しい判断です。転落後に嘔吐をくり返す、たんこぶがどんどん大きくなる、などの場合も、必ず受診してください。

髪がからんで指が赤黒く…

3ヶ月の時。入浴中に髪の毛が足の指にからまって食い込み、取れなくなりました。22時ごろで小児科はどこも対応してくれず、そのうちに指先が赤黒くなってきたので救急車を。車内で暴れ泣きしているうちに、髪がプツンと切れました。

時間がたてば重症に… …。すぐに処置が必要なケースです

髪の毛や糸くずがからまってうっ血したこの状態は「ヘアーターニケット」といい、3ヶ月ぐらいまでの赤ちゃんによくある事例です。指先の色が変わってきたのは、そこに血がめぐっていない証拠。対応してくれる小児科が見つからず、救急車を呼んだのは正しい判断です。結果的にはプツンと切れてよかったですね。
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判断に迷った時、♯8000(小児救急でんわ相談)にかけると、住まいのある都道府県の窓口に自動転送され、看護師が症状に応じてアドバイスしてくれます。ただし24時間対応ではなく地域ごとに受付時間が違うので、平時にチェックしておきましょう。

『Baby-mo(ベビモ)』の内容をウェブ掲載のため再編集しています。※情報は掲載時のものです

【監修】 萩原 佑亮 東京都立小児総合医療センター 救命救急科

日本では数少ない小児科専門医と救急科専門医の2つの資格を持つ救急医。現職の小児専門ERでは、あらゆる重症度の急な病気やケガに24時間365日対応している。

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