子どもがネガティブな言葉を発したとき、親はどんな「声かけ」をすればいいのでしょうか?困難に負けない子どもに育てるための声かけの具体的ポイントを、日本ポジティブ教育協会代表理事の足立啓美さんが監修する書籍『子どもの心を強くする すごい声かけ』からご紹介します。
泣きわめく、癇癪を起こす、言うことを全く聞いてくれないとき
【NGな声かけ】●「迷惑だからいいかげんにしなさい!」
●「なんでそんなにわがまま言うの!?」
●「〇〇しなさい!」
【OKな声かけ】●「ちょっとお母さんも気持ちを落ち着けるね」
●「どうしたらいいか、一緒に考えよう」
●「お母さんにできることある?」
自分のイライラを鎮静化させてから、声かけをすること
きょうだいゲンカや、うまくいかないことがあって泣き続けたり、早く外出しなくてはいけないのに、のんびりしていて動く気配もない…。そんな困った場面は、親なら一度は経験があるものです。
最初は穏やかに対応していても、それが続くと思わずイライラとして、感情的に「いいかげんにやめなさい」「もう勝手にしなさい」「早くしなさい!」といった、ふだんなるべく言わないようにと心がけているような言葉をぶつけてしまうこともあるでしょう。
しかし、「親が子どものよいロールモデルになること」は、レジリエンス(逆境や困難に負けない力)育成のための大切な心得の一つです。
自制心を失いそうなとき、まずは自分の気持ちの切り替えをしましょう。子どもの安全を確認したうえで少し距離をとり、「お母さんイライラしちゃったから、気持ちを落ち着かせているところなの」と子どもを拒否しているわけではないことを説明して、深呼吸をしましょう。
歌を歌ったり、ストレッチをしたり、自分に合った落ち着く方法なら何でもかまいません。そのような姿を見た子どもは、ネガティブな感情になったとき、心を落ち着かせる方法を、親というロールモデルを見て学ぶことができるのです。
自分の気持ちが落ち着いたら、子どもと向き合う
自分の気持ちが落ち着いたら、「はい、お待たせ。お母さん落ち着いたよ」と声をかけ、子どもがかんしゃくを起こしていたら抱きしめたり、肩をさすったりして、今度は子どもの気持ちを落ち着かせる手助けをしましょう。
きょうだいゲンカをしているときには、それぞれに対して別の場所でじっくりと共感して気持ちを言葉にするサポートをするといいでしょう。心の内側を言語化することで、圧倒されるような大きな感情を鎮める手助けをすることができるのです。
子どもの心が落ち着いたら「うまくいくようにお手伝いできることある?」「お母さん(お父さん)にしてほしいことある?」などと、子どもがどのようなサポートを必要としているかを聞いてみましょう。
どうしたらいいと思う?解決策を子どもと一緒に考えてみて
「どうしたらいいか一緒に考えよう」という言葉がけも、具体的な解決策や、よりよい対応のしかたについて話し合うほうに意識が向けられます。心が落ち着けば、よい方向に向かうための話ができる心の準備もできることでしょう。
また、ユーモアや笑いが、心の余裕をつくる手助けをしてくれることもあります。状況の中で「おもしろいな」と思える部分を見つけたり、笑顔になれたりするユーモアは、場をなごませ、心に余裕をつくります。
逆境に負けない力を育てる『子どもの心を強くする すごい声かけ』
『子どもの心を強くする すごい声かけ』1,540円(主婦の友社)
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