世界に一冊の我が子の説明書を作る
入園先の情報収集や開業までした甲斐あって、無事に保育園への入園が決定!ほっとしつつも、今度は預け先の保育園に渡す「サポートブック」を作らなくてはなりません。これは、我が子の性格、個性やこだわり、園へのお願いや親の思いなどを1冊にまとめたものです。
項目ごとに「発音がところどころ不明瞭です」「好きなことは車遊び」「トイレは自分でできます」など普段の様子をパソコンで入力。療育施設の先生に指導していただきながら、なんとか世界に一冊の「我が子の説明書」を作ることができました。
作業としては大変だったけれど、療育前に比べると、発語の数もぐんと増えていて、着替えも上手になったりと、サポートブックの作成は息子の成長をあらためて感じることができて嬉しかったです。
遂に療育先を卒園することに!
さて、8ヶ月通った療育施設も、いよいよ卒園する時が来ました。寂しいけれど、ここで出会ったママさんや子ども達ともお別れです。
「お話が上手になったね」「あんなに走ってたのに、椅子に座って話が聞けるようになったね」。そんな風に、それぞれの子ども達の成長をみんなで見守り、辛いことも共有できたことは、大きな心の支えになりました。
特に施設に通うようになった頃は、現実を受け入れられない気持ちが強く、ちょっとしたことで落ち込んだり、涙を流したりすることが多かったです。「どうして?」「なんで?」と、問うても仕方のないことを、心の中で反芻していました。
もちろん、そうした気持ちがなくなったわけではありません。同じ年齢の子が当然のようにできることも息子にはできない、「普通」の子どもとは違うことに対して、悲しい気持ちになることもあります。「普通」を望む気持ちを持ち続けているのも正直なところです。
ただ一方で、療育施設に通い、いろいろな子ども達を見ているうちに、「普通ってなんだろう」という疑問がわき起こってきたのも事実。「普通はこうだよね」って言うけど、それって一体何を基準にして言うのだろう、個性とは違うのだろうか、と。
正直、よくわかりません。普通から外れることが怖いという気持ちと、普通って何?という思いがぐるぐる回り、揺れ動くのが障がい児を持つ親の本音だと思います。
そんな中で、同じ境遇のお母さんたちと心を通わすことができ、いつも先生方があたたかく迎えてくださり、安心して過ごせる場所があったことは本当にありがたかったです。親子でまるごと受け入れてもらうという、そんな経験ができたことに今も深く感謝しています。
▲卒園時にいただいたカード。笑えている自分がいることに成長を感じる一枚。この居心地のいい場所を巣立って、保育園に入園する息子は、果たしてうまくやっていけるのだろうか。そして私は無謀な起業という挑戦を、療育のため3年やり続けることができるのか。
この続きは次回で。
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絶望の淵から希望へ…。発達がゆっくりな息子が教えてくれたこととは?【息子が発達障がいと診断されて #4】※記載した情報は当時のものであり、自治体によって福祉サービスが異なる場合がございます。発達相談など地元の子育て支援に関する情報をご確認ください。文/山田明日美
<整理収納アドバイザー。女の子と男の子の2児の母。自身の体験をもとに子育てや片付けに関するアイデアを中心に執筆中。>
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