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2022.06.30

1歳・2歳

「自分で考えられる子」にするには?自立心を育むために親がやるべきたった一つのこと

子育ての最終目標は、子どもが自分で考えて行動し、経済的・精神的に自立することでしょう。子育て真っ最中のパパ&ママにとって、それは遠い未来のことですが、自立の第一歩は赤ちゃん時代から始まっています。

自立心を育み、わが子が人生をたくましく生き抜く力を身につけるには、親として何をすればいいのか?幼児教室指導者、電話相談員などの経験を通じ、延べ5000 人の親子とかかわってきた「子ども能力開花くらぶ Tulip friends」代表・田宮由美先生に話をうかがいました。

右肩上がりの身長に比べ、心の成長は複雑

生まれたばかりの頃は寝ているだけだった赤ちゃんですが、身長や体重が日に日に増え、わずか1年ほどで歩きだします。体の発達はわかりやすいですね。でも、心の発達は目に見えません。自分で考えて行動する子になってほしくても、自立心が身についているのかどうかがわかりません。心はどのように発達するのでしょうか。

赤ちゃんは、生活のすべてを人に依存しています。おなかがすいたり、おむつがぬれたりしたときは、泣けばお世話をしてもらえます。そんな環境は赤ちゃんにとって、とても安心です。

しかし、やがてそれを不自由と感じ始め、「何でも自分でやりたい」と思うようになってきます。「自分で!」とがんばられて、閉口したママもいるでしょう。イヤイヤ期といわれるこうした様子が見えてくるのが、1歳を過ぎるころ。これが自立の第一歩です。

ところが、やってみるとうまくできない。そんなとき、赤ちゃんは「ママ~」と甘えてきます。この甘えをしっかり受け止めてもらって安心すると、再び「やってみよう」と勇気がわいてきます。

心の発達は、身長が常に伸び続けるのとは違い、「安心」と「不安」、「依存」と「自立」という正反対の状態の繰り返し。右肩上がりではなく、らせんを描きながら少しずつ上昇していくのです。

小学校高学年ごろまではたっぷり甘えさせて

こうした心の発達の特徴を知れば、「甘えさせると依存心の強い子になる」と心配する必要がないことがわかりますね。十分に甘えた子どもほど、実はしっかり自立するのです。

個人差はありますが、甘えが一段落するのは9才ごろだといわれています。ただし、「甘え」と「甘やかし」は違います。子どもの立場に立って心を満たすのが「甘え」、モノで機嫌をとったり親の都合で手を出したりするのは「甘やかし」です。

日々の生活の中では、つい甘やかしてしまうこともあるでしょう。臨機応変でいいのですが、たっぷりさせるべき「甘え」と、なるべく避けたい「甘やかし」との違いは心に留めておきたいですね。

物質的な要求にこたえるのは「甘やかし」

子どもの思いをしっかりと受け止めるのが「甘え」させるということ。下の子にかかりきりになっているママのひざにお兄ちゃんが乗ってきたら、「もう赤ちゃんじゃないでしょ」などと言わずに、たくさん抱きしめてあげてください。

お兄ちゃんは、ちょっぴり不安なのです。そんなときに安心させてもらうことが、自立を促す「甘え」です。甘えようとしたときに受け止めてもらえないと、「一度ママから離れたら、二度と受け入れてもらえない」と執着し、いつまでも離れられません。

でも、「甘え」はどんな要求にも無条件にこたえることではありません。たとえば、おもちゃ売り場で子どもが「買って!」とダダをこねたらどうでしょう。子どもの要求にできる限りこたえようと思えば、当然買うことになりますね。

でもこれは、「甘やかし」。子どもの要求が精神的なことなのか、金銭的・物質的なことなのかが、「甘え」と「甘やかし」との違いです。

子どもが欲しがるものを買って喜ぶ顔を見るのは、うれしいものです。ときにはそういうことがあっていいと思いますが、それが自立心を育てる「甘え」ではなく、「甘やかし」だということは理解しておきたいもの。

「甘え」を受け止められれば子どもは再び自分で挑戦する道を探り出しますが、「甘やかしは」どんどんエスカレートします。ひとつ買えばまた別のおもちゃがほしくなり、2つ買ったから満足するかといえばそうではありません。金銭的・物質的な要求には「誕生日に」と約束するなど、節度を持ってこたえてあげてください。

子どもの意思を尊重する「甘え」はどんどんさせて

洋服のボタンが留められるようになった子が、ある日「ママ、留めて~」とやってきます。「自分でできることは自分でやろうね。できるよね?」。自立心を育てようと心を鬼にしてこうこたえるのは、むしろ自立を妨げるかもしれません。何らかの不安をかかえてママを頼ってきているのですから、ここはこたえてあげたい場面です。

同じようにママがボタンを留めるのが、子どもの意思ではなく親の都合の場合はどうでしょうか。「急ぐからママが留めちゃうね」とさっさとやれば時間はかかりませんが、子どもの自立心は育ちません。実際の生活の中ではそうせざるをえないこともありますが、待てるときはできるだけ待ってあげてほしいのです。

先回りして心配しすぎないことも大切。走ったら転ぶからとか、段差から飛び降りるとひざをすりむきそうだとか、親としては失敗する前に止めたい気持ちもありますが、子どもは経験と失敗を繰り返しながら成長していきます。失敗して泣きながらママのところにやってきたら、ギュッと抱きしめてあげればいいのです。

何かをするときに子どもから言ってきたことなのか、親が言ったことなのかというのは、正しく「甘え」させているかどうかの見きわめかたのひとつです。親が子どものつたなさや危なっかしさに耐えられず、トラブルなくスムーズにことを運んでしまうのは、「甘え」ではなく「甘やかし」なのです。

子どもの自立を促すママのリアクションって?

では、日々の育児シーンでママは具体的にどうリアクションすべきなのか?その対応に絶対の正解はありませんが、より自立に有効なのは?という視点で、田宮先生にアドバイスしていただきました。

【ケース1】転んで泣き出した!

いきなり走りだしたと思ったら、石につまずいてハデに転倒。ひざを打って血がにじんでる! 子どもはびっくりしたのと痛いのとで、大きな声で泣きだしました。こんなときは、すぐにかけよって抱きしめてあげたほうが、自立の勇気を育むのでしょうか?

田宮先生は「そういう対応ももちろんアリですが、「自立」を考えるなら、一息おいて様子を見て。ひどい傷を負っていないなら、「ひとりで立ちあがってみよう」と思うきっかけをつみとらないことが大事です。「自分で立てるかな?」と声をかけてもいいでしょう。もし立ちあがったら、がんばったね、と抱きしめてあげて。

【ケース2】電車の中でぐずりだした!

ぐずったときに言い聞かせるのは悪いことではないのですが、言い聞かせて理解できるのは2~3歳以降。赤ちゃん時代は絵本などを使いながら、あやしてあげて。ママの一生懸命な気持ちは、周囲にも赤ちゃんにも伝わるでしょう。

【ケース3】高いところのものを取ろうとして落とした!

まずはけががないかどうかを確認しつつ、「だから言ったのに!」と叱ってしまうママも少なくないようです。その気持ちもわかりますが、好奇心は将来の意欲につながります。興味津々でさわったのを叱られると、「好奇心を持つのは悪いこと」とインプットされてしまうかも。

それよりも、子どもが自由に動ける危なくない環境をつくり、安全に思う存分探求させるほうがベター。それは意欲を持って自分で判断する行動の土台になります。3歳ぐらいになれば、「それはダメよ」と言い聞かせることもできるようになるはず。

【ケース4】疲れているときに遊んでほしがる

夜泣きで寝不足のうえに、朝早くからパパのお弁当作り、掃除、洗濯。午前中は公園で遊ばせて、買い物してお昼を食べさせて……。「ちょっとでいいからお昼寝してよ」というママの心の悲鳴が聞こえるよう。遊びをパスさせてもらってもいいものでしょうか?

「つらい」「疲れた」「イライラする」という気持ちは子どもに伝わり、「嫌われているかも」と不安にさせます。親が笑顔で対応できる余裕があるなら、がんばって遊ぶのはいいことですが、どうしても暗い表情やイライラ感が出るなら、「ごめんね、ママちょっと疲れているからあとで遊ぼうね」と伝えたほうがいいでしょう。



「自立した大人になるためには、甘えは禁物。厳しくしなくては」…。よかれと思っての親心は、もしかしたら自立の芽をつんでいるのかもしれません。たっぷり甘えさせてあげることが、自分で考え、行動する力を育むということは、常に心にとめておきたいですね。

記事を読む⇒⇒⇒脳を育てる方法って?子どもの可能性を引き出すために親ができること【発達脳科学者監修】

『Baby-mo(ベビモ)』の内容をウェブ掲載のため再編集しています。※情報は掲載時のものです

Baby-mo〈ベビモ〉編集部

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