赤ちゃんの睡眠改善に長年向き合ってきた、愛波文さんの科学的根拠に基づいた睡眠のためのメソッドを紹介する連載。今回は、2人以上の子供を育てるママが必ず悩む「どっちを先に寝かしつけたほうが楽?」問題についてご紹介。
睡眠についてのお悩みとママの睡眠不足の時期は一致する!?
以前の記事では2人目妊娠・出産によって、上の子がねんねトラブルを起さない&最小限に抑えるための予防テクを紹介しました。
>>>2人目出産の「上の子寝ない&夜泣きトラブル!!」を防ぐためにできる17のこと今回は、新しい赤ちゃんの誕生とともに上の子&下の子をどのように寝かしつけすればよいのかについてのアドバイスになります。
新生児から生後3ヶ月ぐらいまでの赤ちゃんには、決められた睡眠スケジュールがありません。横にしておいても、寝返りでどこかに移動してしまう心配もなければ、1~2時間起きていたらまた寝るため、1日のうちほとんどの時間を寝て過ごします。そのため、抱っこ紐やスイングで寝かせたり、出先で寝かせても問題ありません。
しかし、生後4ヶ月頃を過ぎたころから寝返りをしだし、起きていられる時間が長くなり、視覚や聴覚も発達してくるため、どうしても寝かしつけの重要度が高まります。
そのため「寝かしつけをしていないのに眠ってくれた!」ということが減り、「赤ちゃんがなかなか寝ない!」「寝ぐずりがひどい…」「どうやって上の子と下の子を寝かしつけるのがベストなの?」などの悩みが増えてくる時期になります。
日中は上の子の面倒もあるため、1人目の時のように「赤ちゃんの睡眠に合わせてママ自身も昼寝をする」といったことが難しくなり、ママはどんどん寝不足になってしまいます。また「下の子を寝かすため上の子をほったらかしにするのもかわいそうで、どうしていいかわからない」という声も多いです。
そこで、子どもが2人以上いるときの寝かしつけアドバイスをお伝えします。
2人以上の子どもを寝かしつけるために試してほしい8つのこと
【1】寝かしつけを上の子に手伝ってもらう
下の子が疲れすぎてグズる前から、先手を打つように昼寝や就寝時の寝かしつけを早めに始めてみましょう。その時、上の子には絵本を1冊下の子のために読んでもらう、といった「寝かしつけヘルパー」の役目を与えてママを助けてもらうのがおすすめ。
「ママの助けになっている!」という自己肯定感や、お兄ちゃんお姉ちゃんとしての自覚をはぐくむにも一役買ってくれますよ。本がまだ読めない年齢の場合、絵本のページめくりをお願いするだけでもよいでしょう。
【2】時間を決めて、どうしても寝ないなら仕切りなおす!
下の子の昼寝の寝かしつけに費やす時間を決めましょう。20-30分頑張っても寝ない場合は一旦切り上げ、30分後にまた試しましょう。上の子の相手も大事です!
【3】スケジュールは生後6ヶ月を過ぎたらたててみる
下の子が生後6ヶ月ごろになったら、ある程度予測できる1日のスケジュール(下の子の朝寝&昼寝&夕寝の時間など)を作りましょう。こうすることで、上の子との1対1の時間が取れるようになりますよ。
上の子との公園遊びやお買い物などの時間は下の子の朝寝後にあてて、その際には下の子をベビーカーや抱っこで寝かせてもOKです。
【4】自分で寝られるように練習をスタート
なるべく下の子に自力で寝る方法を教えてあげましょう。まず夜の就寝時に自力で眠れるようにし、その後は朝寝→昼寝をひとりで眠れるよう練習してみましょう。
【5】子どもたちの睡眠時間を合わせる
上の子がまだ昼寝をしている場合、子ども2人の昼寝がなるべく同じ時間になるようにスケジュールを組んでみましょう。例えば、下の子が生後6ヶ月で9時に朝寝、13時に昼寝、4時に夕寝をする場合、上の子も13時に昼寝をさせましょう。
このやり方が成功すれば、ママも自分の時間を作ることができますよ。もちろん、そのタイミングで一緒に寝てしまうのもOKです。
【6】別々に寝かしつけをしたほうが実はスムーズ
夜の寝かしつけルーティンは、子ども2人に同時に行いたいと思う親がほとんどでしょう。ですが、下の子が1歳前で上の子がまだ昼寝をしている場合は「下の子を先に寝かし、その後上の子と1対1の時間を過ごした後、寝かせる」やり方のほうがスムーズにいく場合があります。
なぜなら、上の子のスケジュールに合わせると、下の子が疲れすぎてしまいなかなか寝つくことができず、夜泣きがひどくなる可能性が高まるからです。逆に上の子にとっては、寝る前に親と1対1の時間がある分、精神や心の安定につながり、夜泣きが軽減されることがあります。
【7】上の子が昼寝をするかどうかで就寝時間の調整を
上の子が成長に伴ってもう昼寝をしなくなった場合は、昼寝をしていた時より早めに夜就寝をさせることが大切です。
下の子の月齢にもよりますが、場合によっては下の子より早めに寝かせる必要がでてくることも。上の子からすれば「どうして早く寝ないといけないの⁉」ということになってしまいますが、疲れすぎや夜泣きを避けるため、なるべく早めに寝かせましょう。
【8】下の子が1歳になったら一緒に寝かしつけができるように
下の子が1歳頃になり、上の子が昼寝をしていない場合、夜の寝かしつけルーティンを一緒にやってみてもよいでしょう。
一緒に寝かしつけができるようになれば、きょうだいの寝かしつけでの山場をひとつ超えたことになります!ここを目指してがんばりましょう!
ではここで、3歳差育児だった我が家の一日のスケジュールを紹介します。
愛波家の一日の寝かしつけスケジュール
参考のために、私の長男が4歳1ヶ月、次男が生後11ヶ月の時の2人の寝かしつけ方を例としてご紹介させていただきます。次男は2歳になるまで保育園も幼稚園も通ってなく、私が家で見ていました。
生後11ヶ月の次男のスケジュール
7:00 起床
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7:30 朝ごはん
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9:00(または9:30)~10:00(または10:30) 朝寝11ヶ月だと活動時間が3.5時間(朝寝だけは起床から3時間)あってもよいのですが、次男は朝寝がもっと早めに必要な子でした。
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11:30 昼食
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13:00~14:15 昼寝本当はもう少し寝かせたかったのですが、長男のお迎えがあるので14:15には起こさないといけませんでした。
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15:00 軽食(フルーツなど)▼
16:15 夕食の準備長男が16:30頃に「お腹すいた!」と機嫌が悪くなることもあったので、16:30には夕食の準備ができて、いつでも出せる状態にしていました。
▼17:00 夕食食事中、次男は少しずつ眠そうになってきて、ときには寝てしまうときも。寝てしまった日は就寝が通常の19時よりも遅くなり、逆に寝なかった日は疲れすぎてしまったのか夜泣きをしたり、朝早く起きてしまうことがありました。
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17:55 お風呂次男がアレルギー・アトピー体質でお風呂に長く入れなかったので、お風呂は別々に。夕食が終わったあと、次男をぬるま湯のお風呂に入れ、そのあとお湯を入れ直して、次男のときよりも湯温がやや高めのお風呂に長男が入るようにしていました。
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18:20 寝かしつけ開始長男のお風呂が終わったあと、3人で少し触れ合い遊びをして、18:20頃には長男の部屋に入り、絵本を読む。次男むけの本はなかなか寝かしつけの時間帯に読めなかったので、日中長男がいない時に読んでいました。
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19:00 就寝本を読み終わったら、次男を抱っこ紐で抱っこしつつ、長男の寝かしつけ。自分のベッドに入ってもらい、子守歌を歌ったり、自作の話を聞かせながら眠ってもらっていました。
長男の部屋を出て、次は次男の寝かしつけ。長男の寝かしつけ中に抱っこ紐で寝てしまうこともあったので、その場合はゆっくり抱っこ紐からおろし、私と同じベッドに寝かせていました。抱っこ紐で寝なかった日は、抱っこしながら眠そうになるまでロッキングチェアでゆらゆらし、寝そうになったらベッドに置いていました。
長男と次男を一緒に寝かしつけができるようになったのは次男が1歳2ヶ月ぐらいの時でした。
もちろん、お子さんの年齢や性格によって最適な寝かしつけスケジュールは異なります。私のスケジュールは参考程度にしていただき、お子さんにあった方法を色々と探してみましょう。
きょうだいの寝かしつけは、2人分の体と心をケアしなければならないため、親への負担は増大してしまいがち。今回紹介した8つのポイントを押さえながら、ぜひ自分にあった寝かしつけの方法を見つけてみてください。