遊んだおもちゃを自分で片づけてくれたらいいのに...とはいえ、大人でも大変なお片づけ。子どもに身につけさせることはできるのでしょうか?発達脳科学者の成田奈緒子先生に話を聞きました。
子ども目線の収納で、片づけの意欲を育てて
穴の形や大きさに合わせて積み木を入れるおもちゃは、1歳頃から楽しんで遊ぶことができます。それと同じで、何をどこに入れるか決まっていれば、片づけは1歳頃から身につけていくことができます。
そのためには、ただ「片づけなさい!」と指示するだけでは不十分。何をどこにしまうのかを具体的な言葉で教えましょう。「ぬいぐるみのおうちはここだよ」「ミニカーはここに帰るよ」などと声をかければ、子どもは遊び感覚で片づけを覚えます。
そして、「使ったものを元に戻すとすっきりする」「部屋がきれいだと気持ちがいい」ということを理解していけば、いつの間にか遊ぶことと片づけがセットになって習慣化されていくのです。
ふだんから部屋がきれいに片づいていても、こまかく分類しすぎていて、子どもにとっては片づけるのが難しいケースもあります。簡単でわかりやすい収納で、子どものやる気を引き出しましょう。
お片づけ「年齢別」ステップ
0歳:かごに入れて、また出して片づけの意味がわからないこの時期は、片づけごっこでじゅうぶん。入れた先から出して遊んでも、大人が99%片づけていても「できたね」とほめてあげて。
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1歳:大人と一緒に元に戻すことを学ぶ「おもちゃのおうち」の意味が少しずつわかってきます。「これはどこかな?」と遊び感覚で声をかけながら、「戻す」ことを教えましょう。
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2歳:ゲーム気分で楽しくお片づけ収納するものの写真を棚に貼って、片づけをサポート。「これはここ、これはあっち」と、まるでパズル遊びのように楽しんで片づけます。
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3歳〜:ラベリングで分類収納を学んで分類してしまうことを学習。車、人形などのジャンル分けをし、それぞれかごにしまいます。イラストや写真のラベルで、「おうち」をわかりやすく示して。
「お片づけが得意な子」に育てるための5つのポイント
片づけ習慣を身につけるには、ムリなくできる収納システムが大事。大人の持ち物の整理整頓にも応用できるテクニックです。
ポイント① 物を持ちすぎず、適正量をキープ
たくさんのおもちゃを持っていても、お気に入りでよく遊ぶアイテムは限られているものです。おもちゃや洋服は成長に合わせてどんどん増えるので、遊ばなくなったもの、着られなくなったものはときどき整理して、すっきり収納に。
ポイント② 物の「おうち」をわかりやすく
物の定位置を決めることは、片づけの大原則です。定位置を決めたら、必ずそこに戻せるようにラベリングを。イラストや写真などでラベルをつくれば、子どもにもわかりやすく、パズル感覚で片づけられます。
中に入っているものの形をカッティングシートで手作りしても。
ポイント③ ワンアクションで完了する簡単収納に
子ども目線の収納のキーワードは「ワンアクション」。入れるだけ、引き出すだけの簡単ステップで出し入れできるように工夫して。中身が見えない扉つきの収納や、子どもの力では開けづらい重いふたつきボックスなどは避けたほうが無難。
ポイント④ こまかく分けすぎない
大人は「野菜のおもちゃはここ、調理器具のおもちゃはここ、食器類はここ」とジャンルごとに分けたくなりますが、子どもにとっては複雑。「おままごとセット」など、ざっくりとした分類のほうがわかりやすいのです。
ポイント⑤ 使う場所に収納をつくる
リビングで遊ぶことが多いのに、おもちゃが子ども部屋にあったとしたら、片づけの大変度は一気に上昇!特に子どもに自分で片づけをしてほしいおもちゃや絵本などは、遊ぶ場所に収納場所をつくるのが基本です。
大人の習慣も見直しのチャンス!簡単ルールですっきり整理
大人の持ち物があちこちに散乱していたり、引き出しの中がぐちゃぐちゃでいつも探しものをしているようでは、「片づけなさい!」と言っても説得力がありません。
【片づけの基本3ステップ】
●Step1:出す片づけたいアイテムを、まず一度広げてみて。おもちゃ、洋服など、持っているものをすべて出して確認します。
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●Step2:分けるいるもの、いらないもの、に分けていきます。判断に迷うものは、いったん保留にし、まとめて箱へ。不要なものは処分します。
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●Step3:しまういるものだけをジャンル分けして、わかりやすく収納。迷ったものは「3ヵ月使わなかったら処分する」など期間を決めて保管を。
子どもにとって片づけやすい収納は、大人にとっても使いやすいもの。子どもに片づけを教えるこの機会に、収納だけでなく、毎日のすべきこともシンプルにしてみると、ママの気持ちもラクになるかもしれません。
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