アメリカのIPHI公認、日本人初の乳幼児睡眠コンサルタントとして活動する愛波 文さんの連載の第9回。今回は、保育園入園などの新生活で今までと暮らしのリズムが変わり、昼寝の回数や時間も変わることで起こりがちな睡眠トラブルについて解説します。
今までの常識「1歳になったら昼寝は1回」は間違い?
日本では一般的に「1歳になると1回の昼寝でOK」と考えられていて、育児書や雑誌、保育園でもそのようにいわれています。しかし、このころの子どもたちにとっての睡眠量としては短いんです。昼寝を1回にするのは、早くて1歳2ヶ月、一般的には1歳3ヶ月から1歳半ごろ。
私の子どもの場合だと、1回の昼寝で大丈夫になったのは長男で1歳5ヶ月、次男は1歳4ヶ月ごろ。私が今まで関わってきた子どもの中には、1歳8ヶ月くらいまで2回の昼寝が必要な子もいたほどです。
どうして1歳で1回のお昼寝だと少ないの?
個人差はありますが、一般的に子どもは生後10ヶ月から1歳2ヶ月ごろにたっち・あんよができるようになり、初めの一歩を踏み出します。すると、これまでよりも活動量が増えるので、1回のお昼寝だと疲れが取り切れず夕方ごろにぐずったり、寝てしまうことが。
夕方ごろに一度寝てしまうと、夜の就寝も遅くなることにもつながってしまいます。ですので、たっち・あんよができるようになったころは、朝寝と少し遅めの昼寝をさせるのがおすすめです。
そうすることで夕方のぐずりがなくなり、夜は19時ごろには寝てくれることが期待できます。「昼寝2回」の生活リズムのほうが子どもにとっても親にとってもいいですよね。しかも、十分な睡眠をとっているため寝ぐずりや夜泣きをすることも減ってきますよ。
昼寝1回でOKな子も!それはどんな子?
ただし、1回の昼寝でもOKなケースもあります。それは、1回の昼寝でも日中ぐずらずに子ども自身の機嫌がよい場合、または、1日に必要な合計睡眠量が足りている場合です。
これらのケースは、1回の昼寝でも大丈夫。子どもの睡眠の問題は親や子ども自身が「問題」だと感じた時点で初めて問題になるので、絶対2回させないとダメ!というわけではありません。
育児には「正解」がないので、子どもがハッピーで親子ともに何も問題を感じていないなら、そのまま「お昼寝1回」の生活を続けてくださいね。ただ、ぐずったり、夕方にパタリと寝てしまうようなことがあったときのために、昼寝2回の効果について頭の片隅に入れておくといいかもしれません。