「子どもが小さい頃に読んでいた絵本が、今は押し入れの肥やしに!」「思い出がつまった本は、処分するのもちょっと気が引けて…」など、本の片付けに困っていませんか?
不要な本を単に捨てるのではなく、古紙回収に出したり古本ストアで販売してリサイクルするのは、多くの人が実践していると思いますが、実は古本を寄付することで社会貢献にもつながるって、ご存じですか?
今回は、そんな新しい古本寄付の方法をご紹介します。年末に向け、親子で一緒に片付けをしながらトライしてみて。
古本でSDGsに貢献できる「チャリボン」
古本を社会貢献につなげる取り組みとして注目を集めているのが「チャリボン」。古本の買取り・販売を行っている株式会社バリューブックスが始めた新しい寄付の仕組みです。
もう読まなくなった本を送ると、それがお金にかわり、買取査定相当額を寄付することが可能。しかも、チャリボンでは現在(2022年11月)、支援先として194のNPOやNGO、大学などの団体と提携しており、その中から寄付先を好きに選ぶことができるのが特徴です。
寄付先は、世界約190の国と地域で子どもの命と人権を守る活動をしている「日本ユニセフ協会」や、病気や災害、自死などで親を亡くした子どもたちなどを経済的に支援する「あしなが育英会」など、広く知られている団体のほか、
●エバーラスティング・ネイチャー→アジア地域の海洋生物やそれを取り巻く環境を保全する活動を実施。
●おてらおやつクラブ→お寺にお供えされるお菓子や果物などを、経済的困難な家庭に「おすそわけ」して支援。
●チャンス・フォー・チルドレン→子どもの教育格差解消を目指し、塾や予備校などの費用として使える「スタディクーポン」を経済的困窮家庭の子どもに配布。
●日本レスキュー協会→阪神淡路大震災をきっかけに発足。災害救助犬とセラピードッグの育成と派遣を行う。
など、実にバラエティ豊か。貧困の解決や飢餓の救済、医療や教育支援、ジェンダーによる差別や偏見の撤廃、ウクライナなどの平和問題…など、さまざまな問題解決に取り組む団体と提携しているのです。
それぞれの団体が一体どんな活動をしているのかを調べて、お子さんと寄付先について話し合ってみては?子どもの視野を広げ、考える力をつけることにもなりますね。
本の寄付でどの程度貢献できるの?
とはいえ「わが家にある本を集めて売っても、大した金額にはならなそう」と思う人もいるかもしれません。でも決して大きなお金ではなくても、実はそれで多くの人を救うことにつながることも、ぜひ知っていただければと思います。
たとえば、「日本ユネスコ協会連盟」は、開発途上国への教育支援の呼びかけで、こんなことを訴えています。
●3,000円あればできることアフガニスタンでは、ひと月分の栄養補助食品が3人分も買える
●5,000円あればできることカンボジアでは、10人がひと月寺子屋に通える。(寺子屋とは、文字の読み書きなどを学ぶ場)
●10,000円あればできることネパールでは、寺子屋に図書一式を設置できる
10,000円以内でも、多くの子どもの未来を明るくできるのです。
チャリボンに寄付するときの注意点
参加するにあたって一点注意すべきことがあります。10年以上前の本は寄付できないことです。年数が経つと買取価格がつけられない場合が多いため、10年以内の本のみ受け付けています。
送料は商品5点以上なら無料で、自宅まで回収に来てくれるそうです。ただし、5冊未満だと総量として1箱につき500円を査定額から差し引かれるのでご注意ください。
ちなみに、10年以上前の本をなんとかしたいという方は、図書館へ寄付する手も。実は、自治体の図書館ごとに、本の寄贈を受け付けています。回収した本は図書館で貸し出されたり、住民や団体へ無償で提供されたりするそうです。
「無料で寄付したい」「地域へ貢献したい」という方におすすめです。「本 寄付 自治体名」や「自治体名 本 寄贈」で検索してみてください。
親子の思い出がつまった本や絵本が未来を変える力になる!
子どもがお腹の中にいたときから読んでいた本、寝る前に読んだ本、子どもが気に入っていた本…などには、きっと一冊一冊に親子の思い出や成長の歩みがつまっていますよね。
そんな本を寄付するために、お子さんと話し合いながら作業を進めることで、親子にとって新しい思い出がプラスされるかもしれません。資源を大切にする意識が自然と根付くだけではなく、社会を知るきっかけにも。
片付けを通して、未来を明るくすることに思いを巡らせてみてはいかがでしょうか。
➤チャリボン