「胎教って何をどうすればいいの?」。妊婦さんたちから届いた胎教にまつわる素朴な疑問や質問に、〈胎内記憶〉の調査・研究を続けてきた産婦人科医の池川 明先生と、脳の発達を専門とする脳科学者の成田奈緒子にお答えいただきました。妊娠中に胎教をしていた先輩ママの【胎教体験談】もチェック!
Q.胎教はママだけでもいい?夫婦いっしょがいい?
A.パパの胎教は、誕生後にあらわれます
ママ一人でも大丈夫ですが、パパにもぜひやってほしいですね。胎児期から愛情を伝えておくと、生まれた赤ちゃんがパパに対してもニコニコ笑ってくれますよ。そしてもうひとつ。ママが安心した妊娠生活が送れるように支えることも、パパにできる大事な胎教です。(池川先生)
Q.ママの声とパパの声、どっちがよく聞こえる?
A.高音域の女性の声に反応しやすいです
生まれたばかりの赤ちゃんは、少し高めの女性の声によく反応しますから、おなかの中でもママの声は聞こえやすいかもしれません。パパも少し高めの声を意識して、はっきりとていねいに発音してみて。“赤ちゃん言葉”で話す必要はありませんよ。(成田先生)
Q.胎教した子としない子とでは、生まれてから差が出る?
A.科学的には証明されていません
熱心な胎教がスタートして数十年たちますが、「胎教で天才児が育った」という話は聞きません。それでも、妊娠期間やそれ以前から、生まれる子どものことをイメージして生活することは、その後の子育てにいい影響を与えるのは確かです。(成田先生)
Q.胎教で英語を聞かせたらバイリンガルになる?
A.語りかけは大事ですが、英語力は期待できません
赤ちゃんは羊水の中にいますし、ママの体を通過して聞こえる音ですから、バイリンガルになれるほど明瞭には届きません。脳の機能としても、言語処理能力が高まるのは生後1歳頃ですから、胎内経験だけでバイリンガルになるのは不可能。ママの声を楽しく聞かせるのがいちばんです。(成田先生)
Q.おなかの赤ちゃんに絵本を読んであげてもいい?
A.ママが癒やされる絵本をぜひ読んで
絵本はいいですね。読むときには、おだやかな声で、ゆっくり読んであげると赤ちゃんにも届きやすいと思います。絵本を選ぶときには、ママが読んでいて心地よくなるようなものを選んでください。そして赤ちゃんが生まれたら、読んであげたいものを選ぶといいでしょう。(池川先生)
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Q.夫婦ゲンカの声を聞かせるのはよくない?
A.怒っている声のトーンが伝わります
妊娠中期以降になると、怒っている声はトーンで聞き分けられるといわれています。耳の機能が未熟な時期でも、ケンカによるママのストレスは赤ちゃんの発達に影響を及ぼすかも。できるだけ心おだやかに過ごしたいものですね。(成田先生)
Q.脳が育つ時期にストレスを感じていました。不安です。
A.育て直しはいつからでも大丈夫です
妊娠初期は脳の形成に重要な時期ですが、そのあとも脳の神経細胞は増えますし、本当の勝負は誕生してからです。生活リズムや食事のバランスを配慮し、ママ自身が心身を健康に保つように意識しましょう。早いうちに気づけたことはラッキーですよ。(成田先生)
Q.妊娠中にお葬式へ出るのはよくないの?
A.心身に負担にならなければぜひ参列して
もともとは妊婦さんの体を気づかって生まれた迷信でしょう。ママに負担感がなければ、最後のお別れの場をあきらめる必要はありません。おなかの中の赤ちゃんはまだ魂の世界と行き来できる存在だと私は思っています。亡くなった方への伝言を託してみてもいいですね。(池川先生)
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【先輩ママ体験談】こんな〝胎教〞していました!
1日1回絵本の読み聞かせ。私自身が好きだった本を繰り返し読みました
「胎教は語りかける以外にも、絵本を読むのもいい」と本に書いてあったのでさっそく実行しました。絵本は言葉の響きがきれいだし、子どもが生まれてからの練習にもなるかなぁと思って、私が子どものころに好きだった『ぐりとぐら』や『はらぺこあおむし』などの定番絵本を繰り返し読みました。息子の言葉が早かったのは絵本のおかげかな?(千尋さん)
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「4人家族になるんだよ」パパ&お兄ちゃんと3人で語りかけ
上の子の妊娠中は仕事をしていたこともあり、胎教らしいことは何もしなかったので、下の子のときにはたくさん話しかけようと思っていました。上の子はまだ1歳でしたが、おなかによくさわってくれました。パパも「お兄ちゃんだよ」と声をかけ、「4人家族になるんだ」とハッピーな気持ちに。上の子への絵本の読み聞かせも胎教になったと思っています。(ゆき子さん)
音楽大好き夫婦♪サックスとピアノの生演奏で楽しく胎教!?
音楽という共通の趣味が縁で知り合った私たち夫婦。夫はサックス、私はピアノで、職場の仲間とバンドも組んでいました。胎教はもちろん私たちの生演奏。ディズニーの曲なども演奏したのですが、最終的には大好きないつものジャズ。胎教によかったかはわかりませんが、私自身はつわりも軽く妊娠中のブルーもなし。赤ちゃんも情緒の安定した子です。(亜耶子さん)
「あたたかいね」「きれいだよ」日常の会話を共有
妊娠がわかったころから、「ベビちゃん、今日はあたたかいよ」「これからちゃっぷん(お風呂)するよ~」など、今していること、私が感じていることを普通に話しかけました。近所の緑道を散歩し、季節の草花を見ながら赤ちゃんに語りかける時間は、私にとってのリラックスタイムでした。たくさん話しかけたせいか、息子はおしゃべりが大好きです。(里音さん)
胎教のテッパン音楽!モーツァルトを聴いていました
「胎教にはモーツァルトがいい」と本で読んだので、胎動が始まった頃にCDを借りました。本を読むときやお風呂に入っているときに流すとリラックスできるし、おなかの子も活発に動いたので、なかなかよかったです。あと「アワビを食べると目がきれいな子が生まれる」と言われたので食べてみました。生まれたわが子の目は…けっこうきれいです(笑)。(有紀さん)
ソフロロジーのCDとサザエさんの歌でリラックス効果抜群
産院がソフロロジー出産を導入していたので、7ヶ月ごろから毎日ソフロロジーのリラックス音楽を聴いていました。出産のときも同じ音楽が流れていたので、落ち着いてお産もスムーズ。胎動がわかってからは毎日おなかに向かって歌を歌っていましたが、いちばん反応がよかったのはなんとサザエさん!今でもサザエさんを見せると大喜びです。(愛海さん)
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