3人のお子さんのママでもある、骨盤矯正パーソナルトレーナーNaokoさんのエクササイズ連載。今回は〈ケガをしない筋肉のつけ方〉がテーマ。夏の成長する時期に伸びる関節と、背骨をキープする力(コアマッスル)を鍛えるのが大切なのだとか。どんなストレッチがいいのか、Naokoさんがレクチャーします。
※本連載の親子トレーニングを行う際は、ママの産後の体や子どもの発育発達・体力の負担にならないようにしましょう。トレーニングの回数などはあくまで目安。「気持ちいい」「楽しい」と感じる程度で無理をしないようにしてください。
子どもは関節も成長期!だからケガしない筋肉のつけ方が重要
成長期真っ盛りの子どもたち。特にスポーツをしている子どもは、日々筋肉が増えていくと言っていいでしょう。
だからこそ、無理なトレーニングでアウターマッスル(体の表面や手足の筋肉)ばかりが強くなり過ぎると、ケガをしやすくなります。子どもは、関節もまだまだ成長中。かたい筋肉をつけると関節のケガも増えます。
もちろん、野球なら投球練習、サッカーなら走り込みは必要です。でも、できるだけしなやかに伸びる筋肉をつけて、ケガをしづらい体を目指したいものです。
成長を妨げずに、ケガしないでスポーツを楽しむためには?
しなやかな筋肉をつけるということは、体のパーツをまんべんなく動かして、さまざまな動きを試してみるということでもあります。どこか1ヶ所だけを集中して鍛えるのではなく、全身トータルでバランスよく動かしたいですね。
そのためには、未就学期から小学校時代、いろいろなスポーツをしてみるのがいいと思います。高学年になったら、好きなこと、夢中になれるスポーツ一種にしぼり始めてもいいのですが、「ゴールデンエイジ」(5~12歳頃の子どもの、身体能力・運動能力が著しく発達する時期)のうちは、1個の能力だけ伸ばす…のではなく、いろいろチャレンジしてみるといいでしょう。
野球もサッカーも、バドミントンも水泳も、なんでもいいからやってみて、その中で好きなことを発見していってほしいですし、体も全身を動かすことになるので、筋肉もしなやかにつきやすくなります。
もうひとつ、ママとパパに見守ってほしいのは、スポーツしたあとのストレッチ。
子どもは、スポーツ自体は楽しくがんばるけれど、終わったあとのストレッチを適当にさぼろうとしがち。スポーツをしたあとストレッチをしないままでいると、筋肉が硬くなったり、関節の可動域が狭くなりがち。ケガしやすい体になることにもつながります。
股関節をしなやかに鍛える「ランジスクワット」
ケガしにくい体作りのためにも、夏の成長する時期に、グーンと伸びる背骨を保つ力(コアマッスル)をつけて、しなやかな筋肉と関節の可動域を広げるストレッチをしましょう。
おすすめなのが「ランジスクワット」です。
「スクワット」とついているのでトレーニングのイメージがありますが、 ゆっくりとフォームを丁寧にすることで、体のバランスを整えるための非常によいストレッチになります。
子どもたちの姿勢をよくし、ケガ予防にもなります。
また、足を動かすことがスムーズになると、全てのスポーツはうまくいきます。このスムーズに足を動かすポイントとなるのが、股関節なのです。
基本のランジスクワット
足を前後に開いて立ちます。腰に手を当てると、骨盤が前後左右に傾かずにまっすぐ立っていることを確認できます。
そのまま、膝を曲げて体を沈めます。
前に出した足の膝を曲げる時、できる範囲でいいので90度になることを目指してみましょう。この時、頭が前に出ないように気をつけます。
ゆっくり呼吸しながら上下して、5~8回ほど繰り返します。前太ももがストレッチされている感覚があればOKです!
★NG姿勢★上半身はまっすぐに!前傾したり腰が反り返ったりするのは、コアマッスルがしっかり使えていない証拠。
また背骨が曲がってしまったり、左右どちらかに傾くのもNG。「上半身はまっすぐ」を意識して。
★上級姿勢★腕の動きをプラスして、さらにコアマッスル強化!チャレンジできる方は、腰から下はキープしたまま、膝を曲げる時に上半身をひねってみましょう。姿勢が安定していたら、腕を広げてみます。
フラフラしてしまう場合は、手を広げる動きまではしなくても、上半身をひねるだけでもいいです。
股関節から足の筋肉全体がしっかりストレッチされる感覚や、背骨がギュギュッとるひねられる感覚がわかるはず。さらに手を上げると、コアマッスルの強化になります。
では、子どもと一緒にやってみましょう。
赤ちゃん時代は、無理に立たせないことが大事!
赤ちゃんは、自分で自然にスクワットをしています。バランスをとってうまく立とうとしている赤ちゃんが、お手本でもあります。
逆に無理に立たせようとすると、赤ちゃんはO脚になります。足裏がちゃんと地面につかず足元がグラグラしているのでは、まっすぐには立てません。もし、無理して発達の段階を踏まずに「練習」させてしまうと、どこかに支障が出るものです。
「這えば立て立てば歩めの親心」なんて言いますが、赤ちゃん時代の発達に「練習」は必要ありません。
3~5歳頃は、おなかを支えてあげて
壁に手をついて安定して立たせ、足を前後に開いて膝を曲げます。このときに、おなかを支えてあげて、前後に傾かないように気をつけてあげましょう。
小学校低学年は、足幅を徐々に広げてみて
前後に開く足幅をだんだん広くしていく形にトライ。そして、おなかをつき出さないように、ときどき、おなかを支えてあげたりしましょう。
小学校高学年は、上級バージョンにトライ!
体がフラフラしないように、お互い注意しながら、手を上げる上級バージョンにトライします。
秋になり涼しくなってくると、運動会やスポーツの試合もたくさんありますね。股関節のストレッチをしっかりして、ケガなく楽しんでくださいね!
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