出産でこの世の終わりかと思うほどの痛みはおしまい!と思いきや、産後も次々と「痛いこと」がやってくるらしい…。産後の「痛い」の詳細と、軽減する方法を、ベテラン産婦人科医の天神尚子先生が教えてくれました。
先輩ママが、授乳で乳首が切れて泣いてました…。今から恐怖です(まさみさん・妊娠9ヶ月)
編集部(以下編):授乳で乳首が切れて激痛、おっぱいマッサージが激痛、乳腺炎で苦しむって、産後のママあるあるですよね。「産んだあともこんなに痛いことがあるなんて…(泣)」って。
天神(以下天):赤ちゃんがおっぱいを吸う力ってけっこう強いから、乳首が切れることもあるのよね。
編:本当に!初めての授乳のとき吸引力がすごくて「ダイソンか!」って驚きました。そして私も乳首切れました。
天:ダイソンって、あなた。妊娠中から乳首や乳輪の皮膚を強くしておくと、授乳による乳首切れがある程度防げるわよ。
編:乳首を強くするとは?
天:まずは、乳首を指でこする。刺激に慣れてきたらタオルでこすってみる。少しずつ刺激を与えることで多少は鍛えられます。
編:たしかに。冬、いつも風に当たっている顔は寒くないけれど、服でおおっているおなかは寒いなーって感じたことがあるんですけどそれと同じ原理ですか?
天:そういうこと。ただ、乳首を刺激しすぎると子宮が収縮してしまうから注意を。この乳首トレーニングは、安定期に入ってから、切迫流産や早産の傾向がないことが条件。おなかが張るようならやめましょう。子宮頸管長が短いといわれている妊婦さんもNG。
編:安定期に入ったら乳首トレーニングですね。メモメモ。
天:妊娠中、乳首に白いカスがついていたら、それは初乳。妊娠4~5ヶ月から出ることもあるの。綿棒にオイルをつけてやさしくとって清潔にしてね。
編:乳腺炎も高熱が出るし、産後のママにとってはつらいですよね。
天:乳腺炎は、予防するためには「砂糖や脂肪分が多いものを食べてはダメ」とか「カロリーをとりすぎないで」って助産師さんから指導されることが多いわね。でもそれで低カロリーにしすぎて、産後ゲソッとしてしまうママもいるのよ。乳腺炎は気をつけてもなる人はなってしまうし、授乳しているんだからある程度は栄養があるもの、おいしいものを食べたほうが心身ともにいいと私は思うわ。
編:わかります。おやつだって産後の楽しみのひとつなんだから食べたいですよ!食べてましたよ!でも乳腺炎にはなりませんでした!
天:乳首切れも乳腺炎も、気をつけられることはあるけれど、だからといって必ず防げるとは限らない。だからやれることはやって、あまり心配しすぎないでね。
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