おしりの筋力を鍛えることは、女性のボディメイクには欠かせません。「妊娠中でもやっていいの?」と思われるかもしれませんが、妊娠中に筋力トレーニングをすることで、妊娠中の体調がととのったり、安産にも役立つので、とてもおすすめなんです。おなかの赤ちゃんには負担をかけず、産後素早くスッキリ体形を取り戻し、気持ちも前向きになるトレーニングを、ナオコボディワークスのNaoko先生に教わります。
※本連載の「おしりリセット」のトレーニングを行う際は、妊娠経過にトラブルがない場合に限ります。妊娠週数や体調に合わせて行うようにしてください。 また、かならずしも安産や体の不調改善をお約束するものではありませんので、ご了承ください。
産後の体型戻しのカギは「おしり」です
はじめまして!ナオコボディワークスのNaokoです。産後、元気に育児ができるように、その前に1人の女性としてキラキラ輝けるように、妊娠中の今からトレーニングを始めましょう。
連載第1回は、私が3人目を妊娠している臨月の時に撮影しました。おなかのサイズはマックスです!でも、むくみも貧血もなく、体も心もいたって快調。張り切りすぎるとおなかが張ることはあるけれど、それは正常の範囲。
ボディトレーナーという職業柄、常に体を鍛えてきたということが、この健康な妊娠生活を支えてきたと思っています。
1人目出産の10ヶ月後からヨガを始め、2人目の産後はスムーズに体形を戻せました。その秘訣はやっぱり下半身の筋力にあります。体の中でもいちばん大きいと言われるおしりと太ももの後ろ側の筋肉がしっかり鍛えられていることが大切なんです。
まずは今の「おしり力」をチェック!
本題に入る前に、まずはご自分の「おしり力」のレベルをチェックしましょう。当てはまるものをチェックをしていき、チェックの個数によってトレーニングの必要度を判定します。
□ もともと運動や筋トレが苦手。体を動かす習慣がない
□ 妊娠前から体が硬い。柔軟性に自信がない
□ 妊娠してから動く機会が減った
□ 妊娠してから運動不足になっている
□ 歩幅が小さい。大きく歩くのが苦手
□ がにまた。靴の外側ばかりが減る
□ 腰、仙骨のあたりを触ると冷えている(仙骨の前が子宮)
□ 筋力がないと自覚している
□ 猫背である。姿勢が悪いと言われる。または反り腰ぎみ
□ 慢性底に肩こり。肩が冷えやすい、触るとかたい。美容師さんにいつも「凝ってますね」といわれる
□ 1日のうち、座っている時間が長い(仕事がら、ずっと座っている、またはずっと立ち仕事)
□ 便秘気味。胃腸が弱い
□ 出産時、安産でできるのかが不安
□ 産後、スムーズに早く体を回復させる自信がない
□ 妊娠後期でもないのに、むくみやすい、つりやすい
□ 妊娠後期になり、つりやすい、むくみやすい
あなたの「おしり力」判定
・チェックが1~5個▶
必要度「C」おしり力アップトレーニングを楽しんで取り入れてみて。産後の体の回復にも、ボディメイクにもいいですよ!
・チェックが6~10個▶
必要度「B」安産のためにも、おなかの赤ちゃんの元気な成長のためにも、毎日取り入れましょう。
・チェックが11~16個▶
必要度「A」難産にならないために、赤ちゃんのために、ぜひトレーニングを。
妊娠中のおしり力アップのトレーニングは、おなかの赤ちゃんと向き合うことと同じと思ってください。ぜひ、おなかの赤ちゃんと対話するような気持ちで、気持ちよく、心穏やかに挑戦してみて下さいね。
妊娠中の運動やトレーニングのルール
妊娠中は、ふだんとは体の状態が違います。おなかにいる赤ちゃんを守るため、トレーニングをするときにはいくつかのルールがあります。
・体幹を強くねじることと、うつぶせはNG
・楽しく長続きするペースで
・どこまでできるかは、個人差が大きいので、人と比べない
・息を止めて反動で体を大きく動かすことはNG
・もともと妊娠前からしていたスポーツは、制限する場合あり。スピード競技はおすすめできません
・球技、格闘技など、おなかに圧力のかかる可能性のある競技は、絶対にダメ
・とぶ、跳ねる動きはNG(マタニティビクスのランニングステップは大丈夫)
妊娠中の運動量は?
おすすめなのは、ヨガ、ピラティス、スイミング、ウォーキングなど。健診で特に問題ないと言われたら、基本的にはもともとの運動量を変えなくても大丈夫。
運動量は、気分がよくなる・気持ちいいと感じるぐらいを目安にしましょう。
スポーツが好きな人は、上記のルールを守ればこれまで通りでOKですし、スポーツが苦手な人は、赤ちゃんのためにも少しずつ、楽しめる範囲で運動を始めてみましょう。
運動不足になりがちな妊娠中は有酸素運動がおすすめ
有酸素運動とは、筋肉にあまり負荷をかけず、持続的に続ける運動のことで、ウォーキングやスイミング、ヨガやストレッチなどのこと。
瞬発的に筋肉に負荷をかけることがなく、自分のペースで無理なく動けるため、妊婦さんにおすすめの運動です。
さらに有酸素運動は、体の柔軟性にとても関係の深い筋肉「インナーマッスル」を鍛えることができます。インナーマッスルを鍛えるとこんなメリットがありますよ。
・体が温まる
・動作が軽くなる、動きやすくなる(どっこいしょ、と言わなくなる)
・ぐっすり眠れるようになる
・便秘が解消する
どれも、妊婦さんにとってはうれしいことですよね。
とはいっても、慣れない動作は呼吸を止めがち。この連載で紹介するストレッチでも動作やポーズがどのくらいできているかということよりも、まず呼吸が深くできているかを重視しましょう。
基本の呼吸法を練習してみよう
呼吸を意識して行う時は、みぞおちを中心に肋骨に手のひらをそっと添えてみましょう。深い呼吸をするだけでも、体の感覚は変わってきます。
1.肺の中からすっかり息を吐く
まず、吐く時は肋骨も体の中心に集まるような感じで、みぞおちも深くくぼむのがよく吐けた状態。
2.吐ききったあと肺にたっぷり息を吸う
次に胸いっぱいに息を吸いましょう。肋骨が大きく開いていく感じがわかるでしょう。
深い呼吸でトレーニングするためのチェックポイント
・吐くことを優先。8拍吐いて4拍吸う、が基本。
・吸うのは意識しなくても勝手にできるものなので、吐くことに重点を置いて
・動きがより抵抗感を感じるときに吐くようにするとGOOD
・いつ吐いていつ吸うのか基本はありますが、自分のリズムがとりやすい方法でOK
・心地よいという感覚を大切にして。つらい、きついと感じることは続きません。
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今回お伝えした呼吸法は、すべての基本。気をつけてほしいポイントを振り返りながら、自然と深い呼吸ができるようになるといいですね。
次回は、インナーマッスルの中でも「おしり筋」を鍛えることが、なぜ効率よく体を変えるのかについてお伝えします。
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おしりよければ産後ヨシ!★連載第4回「妊娠中の腰痛とむくみがスルッと楽になる おしり筋トレ」