近年、発達障害は増えているといわれています。この記事では、発達障害の特性をもった赤ちゃんにはなにか特徴、障害の特徴があらわれやすい年齢ごとのサインなどをチェックリストで紹介していきます。自閉スペクトラム症は100人のうち1人、ADHDは100人のうち3~7人といった割合で、生きづらさをかかえた子どもが学校のクラスに1~2人いるイメージです。 早期に気づいてあげられれば、その子が生きやすいように支えるためのサポートや、最良の働きかけをしてあげられるでしょう。
「発達障害」と「普通」に境界線を引くのは難しい
発達障害の特性はなるべく早く気づいてあげたいものです。しかし生後すぐにその特徴は顕著にあらわれることはほとんどありません。「発達障害かも?」と親が気づくきっかけになるのが乳児健診です。1才半健診や3才児健診で言葉の遅れなどを指摘されて「もしかして」と考える人は少なくありません。
自閉スペクトラム症
「コミュニケーションが苦手」「こだわりが強すぎる」といった自閉症の特性を持つ状態の総称です。以前は知能や言葉の出具合によって、「自閉症」「高機能自閉症」「アスペルガー症候群」などとこまかく分類されましたが、現在は「自閉症の連続体(スペクトラム)」とひとくくりに考えるようになっています。
0~2才でこんな様子ありますか?チェックリスト
以下は比較的多く見られるサイン。こうした様子がある=発達障害ではありませんが、定期健診などで相談してみるのもいいでしょう。
・泣き方がとても激しい
・いつまでも泣きやまない
・あまり泣かない・とても静か
泣き方については、激しさに育てにくさを感じる人もいれば、「常におとなしい」など育てやすく感じる人もいます。
・抱っこしにくい。抱っこすると体をそらす「感覚過敏」という特性があることから、抱っこのときに体をあずけてこず、親が抱きにくさを感じることも。直接手をふれるのがイヤなのか、とりたいものがあると相手の手を持ってとらせる(クレーン現象)様子が見られることも。
・あやしても目が合わない
生後6カ月くらいになってもまったく目を合わせようとしない、「○○ちゃん」という呼びかけに反応しない、などの様子があるなら、発達障害の可能性があります。ただしこれは視力に問題がある場合もあるので、早めに医療機関を受診しましょう。
・あまり笑わない
反応が薄い、笑わないといった様子は割合よく見られます。でも、話しかけたり笑いかけたりするのをやめないでください。たとえ反応が薄くても、赤ちゃんは親からの働きかけがわかっていないわけではありません。
・人見知りをまったくしない
自閉傾向のある子は、親の言動にわれ関せずの行動をとります。「後追いをしない」などのケースもみられます。
・2才を過ぎても言葉が出ない
一般的には1才半ごろまでに3つ以上の単語が出てくるものですが、自閉スペクトラム症の場合、「ママ」「パパ」「ブーブー」などの意味のある単語が出ないことがあります。
特性のあらわれる時期と診断時期
典型的な特徴を持っていれば、2~3才で確定診断がでることもあります。しかし、軽度だと3才でも難しいことがあります。3才児健診で特性を指摘されても、年齢が上がってくると落ち着くこともありますし、別の特性が出てくこともあります。また、知的な遅れがなければ小学校高学年くらいまで明らかにならないこともままあります。
年齢ごとに見られるサイン例
【1才まで】
・泣かない、またはささいなことで泣く
・一人で寝かされていても平気
・あやしても笑わない
【1才半】
・言葉が出ない
【2~3才】
・言葉が増えない、2語文が出ない
・1つのものに執着する
・名前を呼んでも振り向かない
・だれかと遊ぶより一人で遊ぶほうが好き
・視線が合わない
・手をつなぐのをイヤがる