どれくらいの量を飲んでいればいい? すぐ泣くのは足りてないから? 母乳育児に関する不安や疑問はつきないもの。ここでは、新生児ベビーのママたちから寄せられた質問を中心に、授乳のあれこれについて回答します。
PART1:量やミルクの足し方の疑問
赤ちゃんの吸い方と母乳の分泌のバランスがとれるまでは、なかなか思うようにはいかないもの。産後すぐの授乳の心配事について、看護師さんに聞いてみました。
1 母乳が足りているかどうか、どうやってわかる?(0カ月)
授乳やおしっこの回数、体重増加をチェック母乳が足りているか不安になったら、下記の4項目を参考に、授乳、おしっこ、うんちの回数、赤ちゃんの様子、体重の増えぐあいをチェックしましょう。
・1日に8回以上、母乳を飲んでいる
・1日におしっこが6~8回、うんちが3~8回出ている
・元気があって肌にハリがあり、血色がよい
・体重が1週間で140~200g増えている
2 授乳後1時間ほどで泣くのは、母乳が足りていないから?(1ヶ月)
授乳の姿勢やくわえ方などを見直してみて赤ちゃんが上手に飲めていないのかもしれません。抱き方や姿勢、くわえさせ方が合っているか、見直しましょう。授乳に慣れるまで、授乳間隔があかないことも多いですが、足りているかは体重の増えなどで確認を。
3 母乳の出が悪くなってきても、飲ませるべき?(2ヶ月)
母乳を続けたいなら、回数を多く飲ませましょう生後2~3週、6週、3ケ月ごろは、赤ちゃんが急激に成長する時期なので、母乳不足が気になるかもしれません。でも母乳育児を続けたいと思ったら、母乳の出がよくなるよう、とにかく何度でも吸わせることが大切です。母乳は、赤ちゃんに吸われることで出がよくなります。とにかく、回数を多く飲ませましょう。
4 ミルクを足すと飲むのは、どうして?(1ヶ月)
必要以上に飲んでしまう時期なのかもしれません生後1ケ月ごろの赤ちゃんは反射的に吸ってしまうため、必要以上に飲んでしまいがち。体重が1日50~60g以上増えていたら飲みすぎなので、ミルクを足さずに母乳だけにしてみましょう。
PART2:授乳間隔についての疑問
母乳育児に関することで一番悩みが多い低月齢のころ。なかなか人には聞きづらいことなので、悩んでしまうママもいっぱいいます。授乳間隔や、授乳をあげるペースについての参考にしてください。
5 授乳のペースがわかりません!(0ヶ月)
“ほしがりそうなときに授乳する”が理想です泣く前に「ほしそうだな」と思ったら授乳します。生後1ヶ月ごろまでは、授乳間隔が1~2時間しかあかないこともよくあります。逆にこの時期、よく眠って授乳回数が少ないときは、起こしてでも1日8回以上は飲ませてください。
6 泣くたびに授乳していたら、体重がどんどん増加!(3ヶ月)
空腹以外で泣いていないか、様子をみて母乳育児だと、2~3ヶ月ごろまでは体重がぐんぐんふえがちです。ただ、赤ちゃんは甘えたい、不安など空腹以外の理由で泣くことも。泣いても飲ませず、抱っこで落ち着くか様子を見てください。
7 3時間以上眠っているときは、起こして飲ませるべき?(1ヶ月)
おっぱいが張ってつらいようなら、起こして飲ませても1日8回以上飲めているなら、基本は起こさなくてOKです。ただ、ママのおっぱいが張ってつらいときは、起こして飲ませても。授乳間隔があくたび、張ってつらいようなら、母乳外来などで相談してみましょう。
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PART3:母乳の出ぐあいについての疑問
左右で出ぐあいが違う気がしたり、思ったほど出がよくなかったり。最初のころはちゃんと出ているのかも心配。そんなときはどうすればいいのでしょう。
8 おっぱいが張らないのは、出が悪いから?(1ヶ月)
軌道に乗れば、張らなくても出るように最初はパンパンに張っていても、9日目ごろからは張りを感じにくくなることが多いものです。さらに授乳が軌道に乗ってくると、ふだんは張っていなくても赤ちゃんに吸われる刺激で張るようになってきますよ。
9 左右の出が違うとき、どうしたらいい?(1ヶ月)
出が少ないほうの授乳回数をふやしてほとんどのママは、左右の母乳の出やおっぱいの張りに差があるものです。片側にだけしこりができたり、片側の乳腺が詰まったりすることもよくあります。授乳時はまず、出が悪いほうから吸わせましょう。赤ちゃんが吸ってくれることで、出がよくなっていくはずです。
10 片方だけ吸ってウトウト。もう片方も飲ませるには?(0ヶ月)
片方だけでOK! 次回は飲まなかったほうから片方だけ飲んで眠ってしまったのなら、そのままでかまいません。次の授乳では、飲まなかったほうから飲ませます。ただ、飲ませないと張って痛いときは、張らない程度に軽くしぼっておきましょう。
PART4:おっぱいトラブルについての疑問
乳首が切れる。乳房が熱を持つ…。母乳育児にはトラブルがつきものです。対処法を聞いてみました。
11 乳房にしこりができて、熱をもっています(1ヶ月)
しこりを軽く押しながら授乳をしこりのある乳房から授乳し、しこりを軽く押しながら飲ませましょう。授乳後もしこりが残っている場合は、搾乳を。それでもしこりがとれない場合は、抱き方や飲ませ方を見直します。
12 乳首が切れてしまった!(2ヶ月)
正しい飲ませ方ができているか見直しを抱き方や乳首のくわえさせ方が正しいか、見直しを。乳首に母乳を塗り、ラップをして保湿すると、治りが早くなります。痛みがひどいときは、搾乳して飲ませ、乳首を休ませましょう。
13 乳腺炎って何? なってしまったときの対処法は?(3ヶ月)
赤ちゃんにしっかり飲んでもらうことがいちばんです!乳腺炎とは、乳首の傷口から細菌が入ったり、乳腺に母乳がたまってしこりになるなどが原因で、乳腺が炎症を起こした状態。正しい抱き方、乳首のくわえさせ方で授乳し、乳首に傷をつくらないよう、しこりができないようにしっかり飲んでもらうことが大切です。
PART5:服薬、ママの食生活…。そのほかの授乳、母乳育児の疑問
0~1カ月の新生児期を過ぎると、吸いつくことだけに一生懸命だった赤ちゃんにも少し余裕が出てきます。母乳育児の「なんで?」をまとめてみました
14 授乳中にのけぞるのは、なぜ?(2ヶ月)
母乳の出ぐあいを調整していることも赤ちゃんが吸った刺激で、急に母乳が出てむせたのかも。勢いよく出すぎている場合は、授乳の途中で少し休憩してみましょう。それとは逆に、もっと出したくて乳頭を引っぱって刺激している可能性もあります。
15 キョロキョロして集中して飲んでくれません(4ヶ月)
静かな環境だと、集中することも3~4ヶ月になると、周囲への興味が広がって、授乳に集中しなくなる赤ちゃんもいます。テレビを消すなど静かな環境で授乳すると、集中することも。または、満腹になっているのかもしれないので、授乳を中断して様子を見ましょう。
16 授乳中なのに生理が再開。母乳の味や質が落ちるって本当?(10ヶ月)
風味は一時的に変化します排卵前や生理1~2日目は、ホルモンバランスが変わり、風味が一時的に変化したり、出が悪く感じられることも。質は変わらないので、授乳を続けて大丈夫です。
17 ママが食べたものはどれくらい母乳に影響する?(0ヶ月)
食べたものによって違いますママの食事は、母乳の風味には影響しますが、成分についてはほとんど影響しません。それより、母乳がよく出るように、ごはん、具だくさん汁など、栄養バランスのとれた食事を心がけることが大切です。
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母乳育児をスタートしたばかりのころは、想像と違っていることや、全然うまくいかないことだらけ。赤ちゃんとママのお互いのペースがつかめるようになってきます。心配事があったら「私のせい」と自分を責めたりせず、母乳外来や助産院、助産師さんなどに相談してみてくださいね。
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