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お散歩も無事克服し(前回のお話)、おうちにも馴染みはじめた元保護犬のジジ。今ではすっかりわが家の主。
ですが、今でもずーっとジジにはできないことがあります。それは「遊ぶこと」。
わが家に迎えた4年前、子どもたちがジジの目の前にたくさん並べたもの。それはおもちゃです。ご近所の犬や映像でみる犬たちが、ボールやぬいぐるみで遊ぶ姿を子どもたちも想像したのでしょう。
ところが、興味を示すどころか目を逸らすジジ。目の前でボールを投げても、全くどうして良いのかわからない様子。さらには、音の鳴るおもちゃにびっくりして、それ以来、半径1メートル以内には寄り付きもしません。
犬を飼ったことのある方ならきっと経験したことがあると思うのですが、スリッパや靴下をおもちゃにして遊んだりしませんか?そういったことが一切ないのです。
でも考えてみたら、当たり前。だってジジは誰かに遊んでもらったことがないのですから。
何度も言いますが、6年間ただの1度もゲージから出て走り回ったことがなく、仔犬を産むことだけを強制されてきたジジ。
おもちゃで引っ張り合いをしたことも、音の鳴るおもちゃを見たこともなかったんですね。
それでもわが家の子どもたちは、ボールを追いかけ回すジジを夢見てたようで、何度もボール遊びを試みましたが、完全な無反応。仕方ないよね。ジジは遊んだ経験がないんだから。
半ば諦めていた子どもたちでしたが、ある日おもちゃの整理をしていた長女の収納かごから、ジジが唯一引っ張り出そうとしたものがありました。
それが、茶色いクマのぬいぐるみ。
珍しく自分のベッドに運び込み、取り返そうとしたら、はじめて「ゔ〜〜」っと唸るではありませんか!
それは、はじめて見せたジジの「自我」でもありました。
「えージジ、それいるん?欲しいんかな?」と長女。
「そうちゃう?はじめてやなぁこんなん」と私。
「えーほな、あげるわそれ!」
めでたく長女からぬいぐるみをゲットしたジジ。子どもたちはそれが嬉しくて、家中のぬいぐるみをかき集め、ジジに提供しました。
ところが、お気に入りは、茶色いクマのぬいぐるみだけ。キリンもシロクマも馬も興味なし。茶色いクマだけを自分のベッドに運ぶのです。
試しにベッドから出してみても、やっぱり取りに来る。そしてそのぬいぐるみを舐めたりかじったりするジジ。
「これ、自分の赤ちゃんのつもりじゃない?」と子どもたちが言い出しました。
ジジの気持ちや心はわからないけど、なんとなくそんな気もします。ぬいぐるみで遊ぶというよりは、なんだか大切にしているような感じにも見える。
抱っこするように一緒に寝たり、時々顔を舐めてみたり。そんなジジを見ていた子どもたちは、ジジの毛色と同じ「茶色」のぬいぐるみのほとんどをプレゼント。
いちばんのお気に入りは、茶色のクマ。その次が茶色のお猿。そして、薄いベージュのうさぎのぬいぐるみ。3つとも小さなぬいぐるみで、大きなトリケラトプスは大嫌い(笑)
「ジジ、赤ちゃんとられてきたもんなぁ。絶対自分の赤ちゃんやと思ってるわ。ほんまかわいそうに…。なんでそんなことするんやろ?」
事実を知っている子どもたちは、ぬいぐるみを抱えるジジを見てしんみり。ママも思うわ。ほんま、なんでそんなことするんやろ?
繁殖犬だったジジは、ペットショップからすれば大切な「商品」を産む犬。だから、怪我をしてはいけないし、病気になってもいけない。だから外にも出せなかったのだと、保護犬カフェのスタッフさんに伺いました。
さらにジジは、トイ・プードルの中でもいま一番人気の「ドワーフ型」と言って、鼻が短く足が短い犬種だそう。テディベアカットがいちばん似合う種類で、とっても高値で売れるのだとか。
事実を知れば知るほど、胸が苦しくなる保護犬事情。ジジを迎えたことで、それを求めているのもまた私たちなんだと、真実を突きつけられる日々となりました。
でも、ちゃんと向き合わなきゃね。ジジの6年間をちゃんと精算できるような毎日を送らせてあげたい。ぬいぐるみを抱えて眠るジジを見て、心に誓った私たちです。
さて、そんなジジにも「これだけは譲れない!」ということがあります。さて、一体なんでしょう?
それは、また次回お話しできたらと思います。
お楽しみに!
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