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はじめて保護犬カフェに訪れたわが家(前回のお話)。
そしてジジと家族になることを決め、保護犬カフェを出る時でした。スタッフの方に想像もしていなかった、こんなことを聞かされました。
「この子は外の世界を知りません。お散歩に行ったこともないので、すっごくびっくりすると思います。飛び出してしまったりするかもしれないので、しっかりと抱っこをお願いします」
このカフェに入ってから、衝撃しか起きてないな。散歩に行ったことがない犬がこの世にいるなんて、考えたこともなかった自分が恥ずかしくて、思わずジジを抱く手にキュッと力が入ります。
9月でした。まだ残暑厳しい中駐車場まで歩く道は、ジジにとってはじめての外の世界。
自動車の音、自転車のベル。照りつける太陽も、秋の香りをはらんだ風も、ジジにとっては全部がはじめてのこと。
腕の中でのジジの震えは止まりません。
「大丈夫やからな!心配ないで!」
ジジが、車の中でもガタガタ震えるものだから、子どもたちは必死にジジを励ましています。伝わってたらえーなー。
さて、無事に家についてまずリビングに下ろすと、とっても落ち着きがない様子。そして、すぐにオムツの中でおしっこ。そこから、連続で何回かトイレのポーズ。犬の習性だから仕方ありません。
でも、いつまでもオムツはしていられない。コストもかかるしね。ここは一念発起。オムツを外しましょう。
でも、6歳の成犬が果たしてトイレトレーニングができるのか、未知の世界です。
まずはトイレの場所を認知してもらうために、ケージの中にトイレを設置しました。上の写真は、初めてのトイレトレーニングの様子です(笑)。
オムツを外して1時間。なんと床にしたおしっこの回数は5回。そのたびに、ケージの中のトイレに連れていき「トイレはここだよ」と教えます。
きっと、初めての場所に不安で、自分の匂いをつけているのだろうけど、3人の子ども+保護犬のトイレトレーニングは正直きついです。
さらには、子どもたちが脱ぎっぱなしのパジャマの上におしっこ。「ぎゃー!」と叫ぶ子どもたち。叫びたいのはこっちよ、こっち。
とにかく「床に物は置くなー!」との指令が発令されて1週間、そろそろトイレかな?の時間にケージでジジをさとします。
「ジジ、おしっこはここやで。ここでしたら、ジャーキーあげるから。な?めっちゃいいジャーキーあげるから。トイレはここやで」
で、成功したら天才犬です。
その後数週間は、1時間に1度、ケージに入れて10分間さとす。という毎日が続きました。繰り返される床の汚れに、腰にクエン酸スプレーを携えて、家中を歩き回る始末。トホホ…。
3人の子どもたちのオムツを外してきた私ですが、一筋縄ではいかない保護犬のトイレトレーニングに、半ばくじけかていました。
私のクエン酸のスプレーボトル姿が板につき始めた秋も深まるある日。なんの期待もせず、でもくじけず、ケージの中でのさとしの時間がはじまりました。
「ジジ、ここでトイレするんやで。ここでトイレしたら、大きいジャーキーあげるからな」
どうせ今日もしないやろうな。と思いかけたその時、ケージのなかでくるくると回りはじめたのです。
そして、何周か回った後トイレのポーズ!!!
ついに!ついに!!ジジがはじめてトイレでおしっこをしたー!!!
「ジジー!!!偉い!天才!!すごい!」と褒めまくり、はじめて、特大のジャーキーをご褒美に。ジジも褒められているのがわかるのか、パタパタと尻尾をフリフリして嬉しそう。
トイレの成功って、大きな一つの成長です。ジジのはじめてのトイレ成功に、大袈裟じゃなく涙が出ました。
保護犬で、お散歩もしたことがなく、6年間オムツのワンコでも、成長はする。人を信頼していなかったジジだけど、私たちがきちんと向き合えば、ちゃんと信頼を取り戻すことができる。
心から大切なことをジジに教えてもらったような気がします。
けれども、まだまだジジの「はじめてライフ」は続きます。それは、ドキドキが止まらないはじめてのお散歩でした。
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>>>次のお話 まさに異世界!ジジ6歳、はじめてのお散歩はハラハラ&ドキドキの連続で…|元保護犬ジジのつれづれ日記#4
<<<前のお話 はじめての保護犬カフェ。待ち受けていたのは切ない真実と運命の出会い|元保護犬ジジのつれづれ日記#2