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保護犬をお迎えすると決めたわが家(前回のお話)ですが、色々と調べた結果「保護犬カフェ」なるものが存在することを知りました。
保護犬カフェとは、NPO法人動物愛護団体ラブファイブさんがはじめた保護犬と新しい里親のマッチングスタイルのカフェのこと。
このご時世ですから、カフェのホームページでも保護されている犬を見ることができるのですが、ここで新たな問題が…。
そう、それは「家族になる子を決められないのでは?」ということ。3人の子どもたちが揉めることは簡単にご想像いただけるかと思います。
長男&次男「オスがいい!」
長女「いや、メスがいい!」
長男&次男「大型犬がいい!」
長女「いや、小さな犬がいい!」
とお迎えする前から小競り合いが勃発。
いくらネットの写真を見ても絶対わからないから、一旦足を運んでみよう!という話で落ち着きました。
地下へと続く階段を降りていくと、そこは保護犬がたくさんいる小さなカフェ。ワンドリンク制で中に入ると、犬たちがわぁーっと寄ってくる、犬好きにはたまらない場所でした。
でも、この子達みんなが一旦は殺処分対象だったんだなと思うと、胸がきゅっと苦しくなります。だって、どの子もみんな本当にかわいい。
犬たちをゆっくり眺めていると、彼らにも個性があることに気づきます。
誰が来ようが「我関せず」でソファに寝ている子。子どもたちに遊んで欲しくて飛びついてくる子。
中には「常同行動」と言って、何らかのストレスがかかってしまったため、ずっとくるくると回っている子もいました(同じ行動を繰り返してしまう現実逃避の行動です)。
大型犬から小型犬まで、みんなおむつをしています。こりゃ苦労しそうだな。なんて大人の都合はさておき、子どもたちはそれはそれは楽しそう。
「ママー!全員連れて帰ろ!」と一番動物好きな次男。
気持ちはわかるけどな。それは無理(笑)。そんな時、ふとカフェの端っこでケージに入った小さなヨークシャーテリアが目に止まりました。
近寄ってみると、ブルブル震えています。悪質ブリーダーから保護されて、その日この場所へ来た子だと、スタッフの方から伺いました。
小さくて可憐な姿に長女は「この子がいい!」となったのですが、スタッフの方に止められてしまいました。
その理由は、虐待を受けていたため心の傷が大きいこと。ストレスから自傷行為があること。その傷の治療費がかかること。そんな背景から子どもと関わるのが難しいのでは?ということを伺い、その事実にまた胸が痛みました。
やっぱり、保護犬を飼うなんて無理じゃない?母は怯みます。
切ない気持ちでお店の奥に陣取っていたわが家の男3人衆に目をやると、1匹のトイプードルが長男の膝にちょこんと座っています。
「ママー!この子がいい!」と長男。
聞くと、ずーっと長男の膝から離れないのだそう。スタッフの方に「誰にでもこんな感じですか?」と聞いてみたら「いや、初めてです」と。
試しに膝から離してみたけど、やっぱり座りにくる。長男が移動しても、やっぱり座りにくる(笑)。何だか運命を感じます。
「絶対この子!」と長男。
でも、ここへくる前に兄妹間で「3人で揉めたら決定権は長女」と決めていました。
「お願い!」懇願するのは長男です。
「えー!決められるの私やのに。でも、この子もかわいいなぁ」
「お願い!お願い!」両手をすりすりと長男。
「えーよ。その代わり名前は私が決めるで!」
「よっしゃー!」
お兄ちゃんには敵わない長女です。
「もー、名前は決めてるねん。『ジジ』」と長女も嬉しそう。
魔女の宅急便の「ジジ」ですね。この子女の子やけどな(笑)。犬やしな。まぁいいか。
ジジ、一緒に帰ろう。
こうしてわが家の一員になったジジさん。ところが、家に帰ってからが本当の葛藤の日々だったのです。
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次のお話>>>「この子は外の世界を知りません」腕の中で震えるジジに胸を締め付けられ…|元保護犬ジジのつれづれ日記#3
<<<前回のお話「犬が欲しい!」「買いにいかへんで」わが家が保護犬をお迎えするに至った話|元保護犬ジジのつれづれ日記#1